リビング+:ニュース 2003/11/27 20:36:00 更新


リンクシスから日本向け新デザインのネットワーク製品が登場

リンクシス的デザインというとゴツイ筐体と黒と紫のツートンカラー。「このデザインは日本で受けません」という直訴がかなって登場した日本向けデザイン。これがなかなか「カッコイイ」のだ。

 リンクシス(現在はシスコシステムズの一部門「シスコリンクシス」として活動中)は、11月27日にSOHO、VSB(Very Small Business。30〜50人規模の企業)、 SB(Service Provider。日本でいうところのISP)向けの製品を発表した。

 今回発表されたのは以下の製品群。

製品名型番価格販売開始
無線LAN VPN ブロードバンドルータWRV54G-JPオープンプライス(リンクシスダイレクト価格2万4900円)2003年12月上旬
デュアルWANポートVPNルータRV082-JP8万8000円2003年12月上旬
ファイルサーバ&プリントサーバEFG120-JPオープンプライス(リンクシスダイレクト価格10万5000円)2003年12月上旬
無線ケーブルモデムゲートウェイWCG200-JP未定2003年12月上旬

 このほか、10/100スイッチングハブを6機種(5ポートから24ポート。リンクシスダイレクト価格は5ポートスイッチングハブで3900円。販売開始は2003年12月上旬)と、ギガビットイーサ対応スイッチングハブ4機種(5ポートから24ポート。リンクシスダイレクト価格は5ポートスイッチングハブで2万6500円。販売開始は2003年12月上旬)も登場する。なお、ケーブルモデムのWCG200-JPはケーブルテレビISPのみの販売となる。


WRV54G-JP。新デザインとなった筐体は縦置きも横置き(スタンドは取り外し可能)も可。ネットワークコントローラにIntel IXP425/266MHzを搭載して、SPI+NATで100Mbpsのスループットを発揮する


EFG120-JP。120GバイトのHDDを2台搭載するファイルサーバ。特別なソフトを組み込むことなくFTP、プリントサーバとして機能するだけでなく、ユーザーが設定したスケジュールにあわせて自動でバックアップ作業を行ってくれる。また、作業の開始終了、障害発生時にはメールで通知する機能もサポートする

 米国のコンシューマーネットワーク市場で、圧倒的なシェアを確保しているリンクシスは、今回発表した製品群によって企業市場に対して、初めて大々的に製品を投入することになる。

 この背景について、リンクシス ジェネラルマネージャーの中林千晴氏は、「シスコシステムズとの連携によって、これまでリンクシスにはなかった、大規模なサポート能力や高い技術力というバックボーンを手に入れることができた。このおかげで、リンクシスの製品を企業向け市場にも投入できるようになった」と述べている。


中林千晴氏。シスコシステムズに吸収される前はリンクシス・ジャパンの代表取締役を勤めていた。リンクシスデビジョンにおける戦略決定のイニシアチブなどは「以前とまったく変わりなくできている」(中林氏)

 企業市場セールスにおいて、リンクシスとシスコシステムズの間には「大規模ネットワークシステム=シスコシステムズ、小規模ネットワークシステム=リンクシス」という線引きが明確になされている。

 これについて中林氏は「今までのシスコシステムズのラインアップでは、小規模な企業や店頭のネットワークに導入するには、大掛かりでコストも高い。このような、シスコシステムズでカバーできない小規模企業向けのシステムに、リンクシスのラインアップはちょうどあっている」と、シスコシステムスとリンクシスの組み合わせが、両者にとってプラスに働いていることをアピールしている。

 発表当日に行われた製品説明会では、2007年にかけてのネットワーク機器市場の成長予測と、それに向けたリンクシスラインアップの戦略についても説明が行われた。

 それによると、現在ネットワークに接続している世帯の数は、ワールドワイドで現在2200万世帯。これが2006年に5200万世帯、2007年には6500万世帯まで伸びると予想している。現在接続している世帯の半分は米国で占めているが、これから急成長すると考えられているのが「欧州と日本」(中林氏)。

 さらに、2003年から2007年にかけて急激に成長すると予測されているのが、テレビやプレーヤーにコンテンツを供給するエンターテイメント用途の接続。NIC(ネットワークカード以外にも、ノートPCやデジタル家電にオンボードで実装されるネットワークコントローラも含む)も成長し続けるが、ハブやスイッチルータなどは横ばいに見込みだ。

 そのため、リンクシスとしては「従来からある、データを共有するためのネットワーク機器に加えて、ネットワークによって供給されるコンテンツを利用できる機器」(中林氏)へのシフトを進める考えだ。今回の製品説明会の会場には、エンターテイメント利用を意識した製品群が参考展示されていた(米国では先行して発売済み)。


無線LAN接続のWebカメラ「WVC11B」。Webサーバ機能を搭載しMPEG-4に対応する。IEEE 802.11b対応ながら、320×240ドットの解像度で20fpsのパフォーマンスを発揮する


ネットワークやPCから提供されるコンテンツをテレビに送り込むワイヤレスメディアアダプタ「WMA11B」。PCに保存されているデータファイルをメディアアダプタを介してテレビで再生する。こちらも11b対応で、再生できるのはMP3、WMA、JPEG、TIFF。動画は「帯域が足りなくて今のところ対応できない」(中林氏)



USB接続の無線LANアダプタ「WUSB54GP」にBluetoothアダプタ「USBBT100」。WUSB54GPはIEEE 802.11gに対応。リンクシスからはa/b/g対応製品がまだ登場していない。これは「米国の市場がgに集中しているため」(中林氏)


Xbox、PlayStation2 GameCubeなどのゲーム機同士を無線で接続するワイヤレスゲームアダプタ。お互いに取り付けたゲームアダプタのチャネルを合わせて接続を確立する

 MP3や、DVD-Video、ストリーミングデータをテレビで再生させるメディアアダプタについては、同様の機能が組み込まれたデジタル家電が日本のメーカーからも登場している。中林氏も「米国では、PVRとネットワークDVDプレイヤーが急速に成長している。しかし、日本ではすでにこれらが一体化した製品が店頭に並び、10万円台で購入できる。非常に進んだ市場だ」と認識しているが、その日本での展開は2004年以降に予定されている。

 日本のネットワーク市場に今年の2月に再参入したとき、いち早くIEEE 802.11g対応製品を発表したリンクシスだったが、本格的な立ち上がりに時間がかかり「日本のユーザーに十分受け入れられなかった」(プロダクトマーケティングマネージャー 山田泰志氏)と社内でも評価している状況。今回「参考展示」されていた製品群も、タイミングを逸すると国内の家電メーカーや周辺機器メーカーに市場を奪われてしまう可能性もありえるのではないだろうか。

 この問題について中林氏は「日本で展開するライムラグはできるだけ少なくしたいと考えている。ただし、今回の製品でサポートしている無線LANの規格がIEEE 802.11bなので、日本のユーザーに低く評価される恐れがある。11bでも実用的には問題ないが11gを実装した製品で投入するほうが日本では成功するだろう」と答えている。

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▼シスコリンクシス

[長浜和也,ITmedia]



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