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2003/12/04 23:55:00 更新 |
需要が見込めるのならエリア外でも〜「TEPCOひかり」
10月末に「マンションタイプ」、11月末に「5GHz無線タイプ」を相次いで発表し、ラインアップをそろえた「TEPCOひかり」。12月4日に開催された戦略説明会では、エリア拡張や集合住宅への導入条件には柔軟に対応することをアピールした。
東京電力は12月4日、FTTHサービス「TEPCOひかり」の戦略説明会を催した。これは、六本木ヒルズ「ホワイトツリーイルミネーション」の点灯式に先立って行われたもの。同社光ネットワーク・カンパニープレジデントの勝又淳旺氏と田代哲彦ゼネラルマネジャーが壇上に立ち、エリア拡大とラインアップ強化を改めて説明した。
光ネットワーク・カンパニープレジデントの勝又淳旺氏
冒頭、田代マネジャーは専用ネットワークによる通信品質の高さとスピードを挙げ、「TEPCOひかりは、上り下りとも最大100Mbpsの回線を“占有”できるのが特徴」とした。もちろん、これはNTT東日本が公正取引委員会から排除勧告を受けたことを揶揄したもの。NTT東の「ニューファミリータイプ」はアクセスライン上で最大32分岐することになる可能性が高いが、東電なら占有できるという意味だ。
そのTEPCOひかりは、10月末に「マンションタイプ」、11月末に「5GHz無線タイプ」を相次いで発表し、ラインアップを増やしている。また、2004年度末までの一年間で、東京近郊の都市部を含む1都3県50市を中心とする地域にサービスエリアを拡大する計画も明らかにした。「これにより、約800万世帯がサービスエリアに含まれることになる。また、エリア以外であっても一定の需要が見込まれる場合には積極的にネットワークを整備していく」(田代氏)。
エリア拡大のスケジュール。具体的なサービスエリアは同社サイトで順次告知している
マンションタイプは、集合住宅の共用部まで光ファイバーを引き込み、構内は電話線を使うVDSL方式だ。最大速度は下り57Mbps、上り33Mbpsとなる。「マンションに光ファイバーを引く場合、基本的には6世帯以上の申し込みが必要だが、実際には個別対応となるだろう」(田代氏)。その“実際”がどの程度かといえば、「3世帯程度から検討する」(勝又氏)とのこと。
一方、共用部が狭くて設備がおけないといったケースに対しては、積極的に5GHz 無線タイプを適用する。「5GHz 無線タイプは、マンションタイプを補完するもの。実効20〜30Mbpsのスピードが見込める」(田代氏)。なお、サービス自体は12月1日に開始されたばかりだが、既に管理組合と交渉に入ったケースもあるという。
「光ファイバーは、ADSLでは難しい動画のやり取りを可能にした。今後は、IP電話や教育関係の双方向アプリケーションを提供することで、生活のあらゆるシーンで光ファイバーが使われると確信している」(勝又氏)。
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TEPCOひかり
[芹澤隆徳,ITmedia]