リビング+:ニュース 2003/12/17 23:58:00 更新


三洋、シャープ、東芝、三菱がめざすネット家電の姿とは?

三洋電機とシャープ、東芝、三菱電機は12月17日、白物家電のネット接続技術仕様「iReady」を共同開発することで合意した。これにより、4社のめざすネット家電の姿が、より具体性を持って見えてきた。

 三洋電機とシャープ、東芝、三菱電機は12月17日、白物家電のネット接続技術仕様「iReady」を共同開発することで合意した。これにより、4社のめざすネット家電の姿が、より具体性を持って見えてきた。

 iReadyとは、ECHONETに準拠した通信をネット家電で行うための技術仕様。これにより、ネットワーク接続機能を提供するアダプタの接続端子を「iReady アダプタ」として共通化するほか、今後のネット配信サービス実現に向け、サービス仕様を共通化する(下写真参照)。

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ECHONETが技術規格であるのに対し、iReadyは「実装仕様」といえる

 ユーザーはあらかじめ、iReady対応の白物家電を購入し、別途販売されるアダプタを取り付けて、ネット家電環境を実現する。異なるメーカーの製品でも、アダプタを共通化することで、同一ネットワーク上に認識することが可能。アダプタはBluetooth、無線LAN、特小無線、PLCなどに対応したものがそれぞれ発売され、ユーザーの好みに応じて取り付けられるイメージだという。

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会場で示されたイメージ図。各家電が、通信アダプタ用のスロットを備える。アダプタの大きさはこれから検討するが、いわゆるカードサイズになる見込み

 今後は、4社以外の家電メーカー各社、PC周辺機器メーカ、およびネットサービスを提供する企業などの参加を募る。同じくネット家電の開発を進める、日立ホーム&ライフソリューションや松下電器産業との連携が気になるところだが(記事参照)、けして対立するわけでなく、今後接続する可能性を残しているとした。

 なお、今回のiReadyに対応する製品は、2004年から徐々に登場してくる見込み。iReady準拠の家電向けネット配信サービスについては、現状では詳細が確定していないようだった。現状では、あくまで技術の規格を固めた段階だという。

「価格を安く抑えられる」

 iReadyのメリットとして、4社が異口同音に話したのは「コストを抑えられる」こと。従来の家電製品にスロットをつけるだけでよく、製品自体のコストアップはほとんどないという。問題は、別売りの通信アダプタだが、量産体制に入れば1万円を切る価格にしたいとした。

 ひとつ気になるのは、東芝の立場。同社はこれまで、「フェミニティシリーズ」としてネット家電を提供してきた(記事参照)。これまでの実績は、「約2500セット」(東芝)という。しかしこれは、通信機能を内蔵した端末を販売するというもの。今回のiReadyを利用した構想とは異なる。

 東芝は、通信機能を内蔵したタイプの製品は、どうしても高価格化するのがデメリットだったと話す。また、ネット家電のラインアップとしていちいち「小型の製品」「大型の製品」を用意するより、あらゆる製品を一律iReady対応としておけば、柔軟にユーザーニーズにこたえられる。こうした判断から、従来のフェミニティの路線は「発展的に」(東芝)変更するようだ。

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会場では、三菱電機が開発した「iReady・無線LANアダプタ」のプロトタイプを用いて、デモが行われていた。アダプタは今後、小型化を図るという

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ネットワーク化された家電製品を、中央で制御する端末としては、「フェミニティ」でおなじみのホーム端末などが用意されていた

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三菱電機の製品と……

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……東芝の製品が同じネットワーク内で管理されている。もちろんネットワーク経由で電源のオン/オフなどが可能

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▼シャープのニュースリリース

[杉浦正武,ITmedia]



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