Vol.11 本当に好きな街ニューヨーク(書店案内編)+D Style 快楽旅団

» 2007年01月15日 10時00分 公開
[猪蔵,ITmedia]
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 2007年である。

 毎年年越しを何処で過ごそうかと思いを馳せる。今年は上海にいる。日本で迎えるお正月も大好きだが、各都市で迎える事も好き。これが僕の年末の楽しみだ。

 今から10年前に年を越したNYでのカウントダウンは幻想的だった。タイムズスクエアに世界中から多くの人が集まり新年を祝う。一度は経験してほしいイベントだ。

歩いてわかる街の良さ

 いつでも歩く事によって新しいことが手に入るニューヨーク。歩いて少しばかり疲れたら、街に点在する本屋にふらり立ち寄ってほしい。

 ちなみにニューヨークには、 古本屋、本屋併せて500近くの存在する。大きな書店も多いがこっそりと生き抜いている古本屋も数多く点在する。それらの多くはカテゴリー別に細分化されているので、ビジュアル本、小説など目的に合わせて店をチョイスする。

photo マンハッタン内で迷っても大丈夫

 ニューヨークに住む人は本が好きである。買い物のついでに立ち寄ったり、仕事の帰りにコーヒーをすすりながら本を選ぶなどみんな本屋を気軽に楽しんでいる。世界的に有名な本屋もあるし、ふらっと立ち寄って贔屓になった小さな本屋もある。

photo 歩きつかれたらスタンドで水分補給

 今回は愛すべきニューヨークの書店案内だ。何を隠そう自分は古物商でもある。そう古本屋(開店休業中)の主人でもあるのだ。毎回ニューヨークでは好きな書店を中心に歩く事にしている。

大きな違いは、レジの位置

 日本の書店との大きな違いは、入り口で荷物を預かることだろうか? 一歩店に足を踏み入れると「Hi!」と声をかけられ、挨拶するやいなや強制的に手荷物を回収されることが多い。そのため、ほぼ100%ニューヨークでは入り口にレジが構えられている。何も買わなくても荷物はもちろん返してくれる。「Thank you!」と笑顔で返してくれる。コミュニケーションがとりやすいのがうれしい。

photo 外せないグッゲンハイム美術館のブックストア

 また再販制度のないアメリカでは、新刊でもディスカウントされる場合が多く、新刊の本屋と古書店が混在している事が多いのだ。

 本屋をはしごしていると、気づくといつのまにか街から街へ結構な距離歩いている事に気づくだろう。

photo ICPでは多くの写真集が揃う!

 寄り道しつつ本を漁り、疲れると併設のカフェで手に入れた本を楽しむなどいくらでも歩けるから不思議だ。本屋を巡る事は楽しくてしょうがない。やはりニューヨークは歩かないと始まらない!

つづく

(ロケ地:ニューヨーク)

猪蔵ブック・ストア・リスト

◇ St. Mark's Bookshop
在庫豊富な大型書店とは違い、ただ入荷するものを書架に並べるのではなく、そのセレクタ一人一人が選りすぐりの本が並ぶ、書棚が生きている書店。実際に作家やアーティストが足繁く通う1店なのである。
31 Third Avenue New York, NY 10003
http://www.stmarksbookshop.com/

◇ Strand Book Store
1927年創業の国内外でも有名な新古書店。在庫数250万点というメガストアだ。ゆっくり見て回るだけで1日は有します。一時期ここのトートバックが東京で極地的にブームになったことがあるので、ロゴは見かけたことがあるかも?
828 Broadway(at 12th St.)
New York, NY. 10003-4805
http://www.strandbooks.com/home/

◇ Ruby's Book sale
新刊本が安い。しかしながら書棚をじっくりと掘るとお宝が多く見つかること必至。トライベッカという土地柄か変わったものが満載なお店。
119 Chambers St Frnt
New York, NY 10007
2006年10月現在。

◇ SHAKESPEARE & CO. BESTSELLERS
屋号の通り文芸関連に強い本屋。もちろん店員もそのあたりの知識は深い。個人的にはダウンタウンの店がお気に入り。ニューヨークに8店舗ぐらい存在しているはず。
716 Broadway
New York, NY 10007

◇ Lenox Hill Bookstore
リンティルマンやウディ・アレンなど、現役の作家が集まる本屋。コミュニティー化しているが、排他的ではなくむしろフレンドリー。作家による朗読会も開催されている。
1018 Lexington Ave Frnt
New York, NY 10021


著者紹介

猪蔵(いのぞう)

株式会社ヒマナイヌ 取締役副社長いつも腹ペコ。世の中の面白いことを常に探っている在野編集者兼古物商。大学在学中より映像編集をはじめる。傍ら、株式会社まんだらけの店頭公開業務に取締役として従事。公開後、株式会社イマジカに移籍し、ソフトウェア開発を行なう。また映像専門誌「DVJ」編集デスクも務める。2003年(株)ヒマナイヌを起業。現在は東京麻布十番のカフェ縁縁を経営他、投資会社(株)アストリックス・キャピタル・パートナーズの取締役に就任。一瞬香港在住。プランニングを中心に映像に関するライティングや著書、TV番組の構成も手がけるなど多方面に活躍中。「人への思いやり」や「おもてなし」をテーマに頓知の利いた商品を世に送り出そうと奔走中。


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