イタリア工房とソニーの共演――「Sony Design × Master Craft Lombardia」+D Style News

» 2007年07月18日 18時00分 公開
[山田祐介,ITmedia]
photo 会場の様子

 ソニーは7月18日、銀座ソニービルで開催されるプロダクトデザイン展「Sony Design × Master Craft Lombardia」を報道陣に公開した。一般公開は7月19日〜27日。入場無料。

 展示されるのは、イタリア・ロンバルディア州の職人とソニーとのコラボレーションで生まれたデザイン・プロトタイプ。2007年4月にイタリアのミラノで行われた国際家具見本市「Salone Internazionale del Mobile」(ミラノ・サローネ)で展示されたものだ。開催期間中には7000人以上が来場したという。

 ソニーのデザイナーが提案したアイデアを基に、革や石、金属など、各素材を扱う工房と協力し生み出された。既存の製品をベースにしたものから新規で制作されたものまで、職人が作り出す深い質感をまとったコンセプトモデルを見ることができる。


photophoto オーディオシステムの「結(YUI)」。コンセプトモデルのためスピーカーは備えていないが、木そのものが音を発生するスピーカーをイメージしているという

 オーディオシステムのコンセプトモデル「結(YUI)」は、ステンレスの本体と木製スピーカー部とがデジタル調のグラデーションでつながっている。デジタル信号がアナログの音声に変わっていくプロセスを表現したものだ。“象嵌”という手法を用いて素材をはめ込み、素材の境界を意識させない滑らかなグラデーションを作り出した。ステンレスと木材を組み合わせる高度な技術は、工房の“匠”ならではのものだという。

photophoto 「VAIO」をベースにした「纏(MATOI)」。左の列から春・夏・秋・冬のテーマでモデルを制作した

 ソニーの「VAIO」がベースとなっている「纏(MATOI)」は、ノートPCを“持つ”のではなく“身に付ける”というコンセプトで作られた。手織りや革で包まれたファッショナブルな仕上がりとなっている。四季を表現したカラフルなラインアップも魅力的。本体右下には、今回のコラボレーションを表現したトレードマークが施された。

 「実際に工房と協業するにあたり、コミュニケーションの面などで苦労することもありましたが、今まで気づくことのなかった質感の高め方や素材の表現方法など、多くのことを学ぶことができました」と、結の担当デザイナー・藤井裕也氏は語る。展示されたプロトタイプが市販化される予定はないが、今後も“空間におかれたことを意識する”デザインを製品に取り入れていくという。

photophotophoto そのほかモダンな雰囲気を演出するサラウンドサウンドチェアの「座(ZA)」や、アクリル板の円柱スピーカーに大理石の台座をあしらった「凛(RIN)」、棚状のスピーカーシステム「架(KAKERU)」など、インテリア性の高いプロダクトを見ることができる

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