「アイ・アム・レジェンド」+D Style 最新シネマ情報

» 2007年12月13日 15時41分 公開
[本山由樹子,ITmedia]
photo (C) 2007 Warner Bros. Entertainment Inc.

 今年の正月映画の目玉となる、ウィル・スミス主演の「アイ・アム・レジェンド」。リチャード・マンシスの小説「地球最後の男」の3度目の映画化となるSF作品だ。監督は「コンスタンティン」のフランシス・ローレンス。

 抗ガン剤の研究から作り出されたウイルスの空気感染により、人類は死滅。それから3年後の2012年、NYで唯一生き残ったと思われる科学者のロバート・ネビルは何をするのも、どこへ行っても独り。この3年間、ネビルは愛犬のサムと孤独に耐え、自分以外の生存者を信じて、ラジオで交信を続けていた。しかし、彼に謎の敵が迫ってくる…、というのが大まかなストーリー。

 ダーク・シーカーズと呼ばれるこの敵は、ウイルスの感染によってゾンビ化した元人間たち。彼らは闇の中にウヨウヨと住んでいる。ネビルは何とか人間に戻そうと新薬開発に試行錯誤を繰り返すが、とにかく凶暴な上、動きがすばやい。動きが鈍いロメロのゾンビとは対照的に猛スピードで走る、走る。しかもリーダー的存在のヤツがいて、知能もなかなかのもの。

 設定自体はダニー・ボイル監督の「28日後…」そのもの。誰もいないロンドンが、ここでは誰もいないNYで、ウイルスに感染した元人間たちが人間に襲いかかるところも同じだ。ただし、彼らは紫外線に極端に弱く、活動できるのは夜だけ。「28日後…」を見たときは、走るゾンビに衝撃を受けたが、そういった意味では新鮮味は感じられない。展開も驚くものではないが、面白い。彼らが壁をよじのぼって大挙して出現するシーンはまるで地獄絵図のようだし、何よりパニックで無人となったNYの映像の凄さだけでも一見の価値あり。

 人類滅亡系ホラーであったり、ゾンビ映画であったり、SF映画であったりと様々な受け止め方が可能であろう本作。究極の孤独と対峙する恐怖感や、人が生きる意味なども考えさせてくれ、緩急ある展開に引き込まれていく。100分という短さもうれしい。地球最後の男が、いかにして伝説の男になったか、大画面で見守ってください!

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(C) 2007 Warner Bros. Entertainment Inc.

アイ・アム・レジェンド

監督:フランシス・ローレンス/脚本:マーク・プロストビッチ、アキバ・ゴールズマン

出演:ウィル・スミス、アリーシー・ブラガ、ダッシュ・ミホック、チャーリー・ターハーン

12月14日よりサロンパス ルーブル丸の内ほか全国ロードショー



筆者プロフィール

本山由樹子

ビデオ業界誌の編集を経て、現在はフリーランスのエディター&ライターとして、のんべんだらりと奮闘中。アクションからラブコメ、ホラーにゲテモノまで、好き嫌いは特にナシ。映画・DVDベッタリの毎日なので、運動不足が悩みの種。と言いつつ、お酒も甘いものも止められない……。


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