文化庁と国立新美術館、CG-ARTS協会が主催するコンテンツの祭典「第11回文化庁メディア芸術祭」が、2月6日から東京・国立新美術館で開幕した。会期は17日までで、入場は無料。
アート・アニメ・マンガ・エンターテイメントの4部門を中心に、国内外の優れたコンテンツを紹介・表彰する文化庁メディア芸術祭――今年は会場を国立新美術館に移し、より大規模な展示を展開するほか、作品の上映やシンポジウムの開催など、会期中にはさまざまなイベントが用意されている。
海外作品が比較的多く見られたアート部門では、イタリアのソニア・チッラリさんの作品「Se Mi Sei Vicino(If you are close to me)」(セ ミ セイ ヴァチーノ/イフ ユー アー クロース トゥ ミー)に注目が集まっていた。装置中央のパフォーマーに人が触れたり近づいたりすることで、背景のグラフィックがさまざまに変化する作品だ。
会場ではプロの作品だけでなく、学生達の若い才能を見ることもできる。「第13回学生CGコンテスト」のインタラクティブ部門最優秀賞を獲得した、関根雅人さんの「ene-geometrix.02」(エネジオメトリクスゼロツー)は、液体を加熱・冷却することで起こる“熱流動”を可視化した作品。正方形の容器に銀色のパウダーが混ざったシリコンオイルを満たし、それを部分ごとに加熱・冷却することで、熱源の周辺や対流の境目などに複雑な模様が浮かび上がる。
海外にもたくさんのファンを持つ日本のマンガ。会場ではマンガ部門最優秀賞に輝いた郷田マモラさんの「モリのアサガオ」や、吉田秋生さんの「海街diary」、武富健治さんの「鈴木先生」などが紹介されている。また、奨励賞に選ばれた白井弓子さんの「天顕祭」は、自主制作マンガ――いわゆる“同人誌”だ。制作にあたっては「夜神楽のにぎわいと闇の濃さに着想を得た」そうで、同人誌と聞いて一般的に想像する“萌え”マンガとは違った雰囲気を放っている。
アニメ部門の展示では、大賞に輝いた原恵一監督の劇場映画「河童のクゥと夏休み」を筆頭に、パステル風のCGで絵本の温かい世界観を見事に再現した高木淳監督の「うっかりペネロペ」や、30代〜40代男性には懐かしいロボットアニメの雰囲気を放つ今石洋之監督の「天元突破グレンラガン」、どこか親近感のわく近未来を舞台にした磯光雄監督の「電脳コイル」といった作品が、貴重な資料や原画とともに紹介されていた。
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