遭遇すると幸せに? “ホメパトGT-R”首都高を巡航+D Style News

» 2008年04月21日 15時32分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 首都高速道路は4月21日、良い運転を“ほめる”ことで、首都高速道路(首都高)での交通事故削減を目指す、新コンセプトの交通安全キャンペーン「ホメドライブ」を開始した。日産自動車が協力し、オリジナルデザインの「NISSAN GT-R」を提供する。

photo 左から、放送作家で東京スマートドライバー発起人の小山薫堂さん、日産自動車の志賀俊之COO、首都高速道路の長谷川康司会長

 今回のキャンペーンは、コミュニケーションの力で首都高の交通事故削減を目指す「東京スマートドライバー」の一環として行われる。首都高では年間1万2000件以上の交通事故が発生(平成18年)しており、その8割以上が渋滞時の強引な割り込みや脇見運転といったドライバーの小さな不注意が原因だという。そうした背景のもと、ドライバーの気配りや思いやりを喚起する目的で2007年の8月にスタートしたのが東京スマートドライバーだ。

photo 「ホメドライブは、従来の“取り締まり”とは違う、良い運転を“ほめる”方法で事故を減らすのが目標」(小山さん)。事故1件の削減につき、2キロの事故渋滞緩和と、3トンのCO2排出量削減ができるという試算もあるという

 放送作家で発起人の小山薫堂さんは「最初は身近なクリエイターに参加してもらって、そのうちにいろいろな企業が賛同してくれた。2007年は(前年比で)約600件の事故が削減できた。もちろんキャンペーンだけでなく、交通事故を減らすさまざまな取り組みの結果だと思う」とこれまでの取り組みを振り返る。

 また新キャンペーンについては、「ホメパト」「ホメ玉」「ホメール」という3つの計画が展開されると説明した。目玉となるホメパト計画は、キャンペーン用にデザインされた世界に1台だけのNISSAN GT-Rが首都高を巡回するもので、4月26日〜8月31まで行われる。「このクルマを見ることでキャンペーンを思い出し、やさしい気持ちになってもらいたい。首都高は1日に110万台の交通があり、遭遇できる確率は110万分の1」(小山さん)。

photophoto 首都高速道路の長谷川康司会長(左)は、「車を運転するのは人間であり、事故を減らすのにドライバーの協力は欠かせない。取り組みのスタートから約半年で600件の事故が削減できた。1年で1000件の削減も夢ではない」とコメント。日産自動車の志賀俊之COOは、「安全と環境は自動車会社にとっても永遠に追求しなければいけないテーマ」とし、ホメパトに選ばれたGT-Rについて「車としての楽しさだけでなく、安全性能や環境性能も十分に考えられた車だ」と話した
photophotophoto ホメパト仕様の新型GT-R。発表会では“見つけると幸せになる”といった都市伝説めいた説明も飛び出した。ボンネットには「TOKYO SMART DRIVER」のロゴが逆さまにデザインされているが、これはバックミラーに写ったときに、ロゴが正しく見えるようにするため
photo こちらが「ホメ玉」。パッケージには全8種類の“ホメ言葉”がプリントされている。全部集めるころには“ホメドライブ通”になれるかも

 ホメ玉計画では、料金所や主要パーキングエリアを始め、さまざまなエリアで、他人をほめるメッセージが書かれたあめ玉を配布する。「アメとムチという言葉があるが、これまでの交通安全キャンペーンはムチが多かった。あめ玉ならぬホメ玉で、イライラを抑えてほしい」と小山さんは話す。ホメール計画では東京スマートドライバーのウェブサイトで、ユーザーから“ホメ言葉”を募集し、投稿された言葉をサイト上に反映していく。「日ごろから人をほめようというテーマのもとに、思いやりの輪を広げたい」(小山さん)。

 発表会の中盤には、レース界でも活躍する歌手・俳優の近藤真彦さんがホメパトを運転して登場。「GT-Rは普段も乗っているけど、ホメパトの運転は、みんなの安全の手本にならなければと緊張しました」とコメントした。


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