カンフー映画ファンなら誰もが心をときめかす、ジャッキー・チェンとジェット・リー。最近ハリウッドでの活躍が目覚しい2人は以前から親交があったが、これまで一度も共演(対決)することはなかった。今回、その夢がハリウッド映画でようやく実現。それが「ドラゴン・キングダム」である。
ボストンに住む16歳の高校生ジェイソン(マイケル・アンガラーノ)は、カンフー映画が大好きなオタク。心の中ではドラゴン気取りだが、実際は不良グループのイジメに遭うトホホな日々を送っていた。ある日、チャイナタウンにある質屋でいつものようにDVDを物色していると、店の奥に不思議な如意棒を見つける。
ジェイソンは店から帰る途中に不良グループにからまれ、質屋に強盗に入る手引きをさせられてしまう。不良グループのリーダーが質屋の爺さんを銃で撃ち、ジェイソンは爺さんの頼みで如意棒を持って屋上へ逃げ込む。その時、不思議な事が起きる。なんと如意棒の力でジェイソンは地上へ落下し、目覚めると、そこは古代中国の帝国だった。
その帝国は、悪のジェイド将軍(コリン・チョウ)に牛耳られた、平和とは無縁の世界。如意棒の持ち主は孫悟空で、彼はジェイド将軍の呪いにより石にされてしまったという。やがて、酔っ払いのカンフーマスター(ジャッキー・チェン)、寡黙な僧侶(ジェット・リー)、ジェイド将軍に両親を殺された美女ゴールデン・スパロウ(リュウ・イーフェイ)とともに、ジェイソンはカンフーのワザを磨きながら、孫悟空を解放する旅に出る。
監督はディズニー・スタジオ出身で、「ライオン・キング」で長編アニメーション監督デビューを果たし、「スチュアート・リトル」「ホーンテッド マンション」などを手掛けたロブ・ミンコフ。ちょっと畑が違うんじゃないの? と心配にかられたが、酔拳のジャッキー・チェン、棒術のジェット・リー、両雄の過去の作品を反映させたキャラクターを拝めただけでも(しかも激突!)、スクリーンが神々しい光を放っているよう。ジャッキーが質屋の爺さん、ジェットが孫悟空と、それぞれ2役をやっているのも何だかお得な感じ。
アクション監督に「マトリックス」のユエン・ウーピンを迎えていることもあり、2人のワザの応酬は息もピッタリ。ファンにとっては感涙もの、そうでない人も久々にアクションの醍醐味ってヤツを堪能できるだろう。
日本でもお馴染みの「西遊記」をモチーフにしているので親しみやすく、笑いの要素も充実、見せ場もてんこ盛りなので、ぜひ劇場でご覧ください!
監督:ロブ・ミンコフ/脚本:ジョン・フスコ
出演:ジャッキー・チェン、ジェット・リー、マイケル・アンガラーノ
配給:松竹
7月26日より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
本山由樹子
ビデオ業界誌の編集を経て、現在はフリーランスのエディター&ライターとして、のんべんだらりと奮闘中。アクションからラブコメ、ホラーにゲテモノまで、好き嫌いは特にナシ。映画・DVDベッタリの毎日なので、運動不足が悩みの種。と言いつつ、お酒も甘いものも止められない……。
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