近年のグルメ系バーガーの出現によって、れっきとした食事であると見直され始めたハンバーガー。今では名門ホテルのダイニングでもミシュラン東京の星獲得店でも、高級志向のスペシャルバーガーにかぶりつくことができる。中には1万円を超すリュクスなものもあるけれど、どんなに高級になっても、両手で抱えてもなおハミ出す野性的なボリュームが、その魅力のようだ。 日本初のハンバーガー店ができたのは、半世紀ほど前の1950年。マッカーサー元帥の経理を務めていたジョン・S・ウェッツスタインが飯倉片町に「ハンバーガーイン」をオープンさせたのが始まりといわれる。1877年に洋食屋「風月堂」のメニューに初めてカレーが加えられ、1926年に「竹家食堂」で現在のラーメンの原形が完成していたことを考えると、気軽にトライできるグルメながら、ハンバーガーは、カレーやラーメンと比べて日本における歴史がまだまだ浅い。 そんなハンバーガーの歴史の中で、ハンバーガーを食べ続けて4年半、回ったお店は全国200軒以上と語る、ブログ「ハンバーガーストリート」を運営するハンバーガーストリートさんのように、ハンバーガーに魅せられる男性も現れてきた。ハンバーガーの魅力は野性的な豪快さ。そんな“男の本能”を満足させる、本格的なハンバーガーショップを紹介しよう。 |
香りの強いゴツゴツのグラハムバンズに炭火で焼いた分厚いビーフパティを挟み、ケチャップもマスタードも一切かからない、駆け引きなしの直球勝負バーガー。パティの牛肉は豪州産の同じ牧場、同じ飼料を食べた肉牛の、同じ部位のみを指定して、毎夜低温を保った作業場で自ら切り出している。そんな地道な作業に裏打ちされた、味と信頼の店である。 |
自家製ベーコンを挟んだ「ベーコンチーズバーガー」は、ビーフに豚の脂の甘味がたくみに絡み合う一品。「テリヤキバーガー」はフライパンで煮立てたテリヤキソースのほろ苦さが大人の男の味。少し外したい時は、質実剛健な硬派路線のこの店にあって唯一の軟派系メニュー「バーベキューバーガー」がオススメ。アボカドトッピングを追加すれば、甘口バーベキューソースとマヨネーズ、アボカドの融合を堪能できる。 |
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店名の「I-Kousya(アイコウシャ)」は、現店主の曽祖父の代から引き継いだ牛乳屋の屋号「愛光舎」に由来する。時代は変わり、商品が牛乳から牛肉に替わっても、今なおこの地に根づく。 赤いギンガムチェックのテーブルクロスがかかったテーブル。そこに出されるのは、どれもひとくせあるハンバーガーばかり。常にどこかで想像を超えた“ハズし”が用意されていることこそ、この店最大の魅力である。 |
「G.M.マッシュルームバーガー」のマッシュルームはソテーした後、バルサミコソースに漬け込んである。これにスライスオニオンの辛味が加わると奥行きのある甘さが生まれる。「ベーコンバーガー」は安心できるオーソドックスな味わい。カリカリに焼かれたベーコンにチェダーチーズトッピングがオススメ。都内で食べられる最もおいしいBBQソースのひとつとしてオススメしたいのが、こちらの「バーベキューバーガー」。王道を行く自家製ソースはズシリと濃厚。 確かな技術の上に成り立つハズし。とくとご賞味あれ。 |
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ビールと、ビールをおいしく彩る絶品のつまみが楽しめるパブハウス。世界の樽生5種類のおともとして、フィッシュ&チップスや水郷どりの串焼き、今の時期なら宮城産生牡蠣が置いてある。そして一番人気なのが、やや小ぶりのハンバーガー。サイズは小さいが、多めのマヨネーズに粒胡椒ガッツリ、マスタードを強烈に効かせた味はハンバーガーの醍醐味を総結集させたような迫力がある。バスペールエールやギネスに合う、酒場のバーガーだ。 |
「アボカドバーガー」は粗挽き黒胡椒にレリッシュ、マスタードが強烈なアクセントをプラス。「ベーコンチーズバーガー」は脂が溶け出した熱々のベーコンに、迷わずビールが進む優秀アイテム。最後の「テリヤキバーガー」は香ばしい醤油味にマヨネーズ、さらにマスタード、黒胡椒が重なり、めまいを起こしそうな快感を運んでくる。 勝負したい日こそ行くべき、パンチの効いた名店である。 |
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取材協力/ハンバーガーストリート(http://hamburger.jp/)
取材・文/華麗叫子
編集/似鳥陽子
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