デンマーク、スウェーデンといった「北欧」家具人気に拍車がかかる近年。素朴さを感じる素材やデザイン性から、インテリアの定番として親しまれている。長く厳しい冬が続く北欧には、室内で快適に暮らすためのコツとして、秀逸なインテリアを生み出してきた背景もあるとされている。中でも「イス」という分野には、アルネ・ヤコブセンやハンス・J・ウェングナーといったデザイナーが生まれ、名作と呼ばれるイスの数々を残していった。ソファーもあればダイニングチェアもあり、さらにデスクチェアなどそれぞれのシーンに合うイスが存在する。畳文化の日本であっても、もはやイスは日常に欠かせないものになっている。 北欧に限らず、「イス」には世界中に名作・定番という冠の付く作品がある。例えば1950年代から1960年代ごろアメリカでデザイン・生産された「ミッドセンチュリー」。鮮やかな色使いと近未来的なデザインが特徴的だ。言わずと知れたミッドセンチュリーを代表する「チャールズ&レイ・イームズ」の作品は、今もなお多くの人に愛されている。文化的な影響も計り知れない。 |
イームズ作品の製造権は、1949年にハーマンミラー社が獲得。同社はイームズ以外にもジョージ・ネルソンといった名だたるデザイナーとのコラボレート作品を展開し、ミッドセンチュリー時代をけん引していった。 そのハーマンミラー社は現在、これらの作品を名作シリーズ「ハーマンミラー・フォー・ザ・ホーム」として販売しているが、「オフィスチェア」の生産を重点に展開している。 |
ハーマンミラーは、1976年世界で初めて人間工学的な観点からチェアを開発。この後高機能ワークチェアを重点に開発・販売していき、現在ではオフィスチェアの代名詞ともなった「アーロンチェア」をコアとして、高機能ワークチェア3部作(アーロンチェア・ミラチェア・セラチェア)を展開している。 コンセプトは「身体をイスに合わせるのではなく、イスが姿勢の変化に合わせること」。オフィスでの“座り方”は3つのタイプに分かれるのだという。 |
これらの姿勢の変化をサポートするように設計された同社のワークチェアは、人間工学研究に基づいて作られた。研究を重ね、すべての体型や体重の人に合う製品に仕上げられている。「オーダーメイド感覚」がハーマンミラーの製品の最大のウリと言えるだろう。 アーロンチェアには、クッションが入っていない。その理由は座面と背もたれに独自で開発したぺクリルサスペンションがクッション以上の効果をもたらすためだという。 |
ハーマンミラージャパン 03-3444-7552 |
文/+D Style編集部