既存システムをモバイル環境に拡張,mbccがプラットフォームを提供

【国内記事】 2001.09.19

 モバイルビジネスコミュニケーションズ(mbcc)は9月19日,PDAや携帯電話端末,ノートパソコンなどを用いたビジネスアプリケーション環境の構築支援を目的にしたプラットフォーム「MBP(Mobile Business Platform) Ver 1.0」を開発したことを発表した。

 同社はH&Qアジアパシフィック,ブロードビジョン,ACCESS,伊藤忠テクノサイエンス,伊藤忠商事の5社により,2000年11月に設立された合弁企業。名称の通り,モバイル環境向けのカスタムアプリケーション,およびその基盤となるサービスプラットフォームサービスの提供を目的としている。

 MBPは,営業支援システムやサービスエンジニア派遣システム,物流管理システムといった既存システムを,モバイル業務向けにも展開するためのプラットフォームだ。

 MBPは,ユーザー認証やサービス利用状況の把握,課金管理,各端末に合わせたコンテンツの変換といった機能を統一アーキテクチャの形で提供し,これらの機能を速やかにモバイル環境でも利用できるようにする。Webアプリケーションをはじめとする既存システムへの影響を極力抑えられること,一方でクライアント端末やユーザー情報に応じて柔軟にコンテンツを生成,管理できることが特徴となる。

 具体的には,認証システム,ログ管理システムを含み,ユーザー認証や端末認証,セッション管理などの処理を行う「MBM(Mobile Business Manager)」と,既存のデータベースやアプリケーションサーバと連携し,属性に応じた情報を生成,変換する「MBA(Mobile Business Accelarator)」という2つのコンポーネントから構成される。

 オブジェクト間通信にはCORBAを,プログラム間通信にはJSP(JavaServer Pages)やEJB(Enterprise JavaBeans)といったJavaベースの技術を利用するほか,データ属性にXMLを採用し,広いシステムとの統合を狙った。

 MBP Ver 1.0ではモバイル機器向けのポータル機能などが実現されるが,同社は12月に予定されているVer 2.0で,ワークフロー管理やEAI(Enterprise Application Integration)アダプタの追加といった機能強化を予定している。また,FOMAやEZwebなど,現時点では未対応のモバイル機器にもサポートを広げる方針だ。

 mbccは10月より,MBPを企業およびASP向けに販売していく。価格は,無制限ユーザーアクセスを前提とするライセンスで1億円前後。また別途,特にASP向けには,月額料金制のライセンスも提供する。

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