ビッダーズ,オークションの成約手数料を2.5%に値下げ

【国内記事】2002.4.01

 ネットオークションサイト「ビッダーズ」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)は4月1日,オークションでの商品落札の際にユーザーにかかる成約手数料を,現状の5%から2.5%に値下げすると発表した。4月2日から値下げを開始する。また,自動車とバイクについては,9月30日まで成約手数料の無料キャンペーンを行う。一方,BIGLOBEや@nifty,OCN,So-netなどの大手サービスプロバイダー11社は,それぞれの会員向けオークションサービスとして,4月からビッダーズの利用をユーザーに推進していくことも明らかにしている。

「値下げの決意は勇気のいることだった」と話す南場社長

 冒頭,DeNAの南場智子社長は,ネットオークション市場について,「2006年には1兆円規模になる」と話す。同社の調べで,2001年の同市場はB2CとC2Cを合わせて2300億円。ネットオークションを「インターネット(向けコンテンツ)の本命」と話す同氏は,同市場の成長力の高さを強調している。また,この日同席したOCNの代表者も,「ブロードバンドにおけるキラーコンテンツになる」とネットオークション市場の将来性についてコメントしている。

 現在のところ,同市場の最大手はヤフーの「Yahoo!オークション」。それにビッダーズやイーべイジャパン,「楽天フリーマーケット」などが続く。現状ビッダーズは,会員数98万人,出品数は16万品となっている。

 今回の値下げにより,ビッダーズはYahoo!オークションと比較して,無料の月額参加費(Yahoo!オークションは280円),写真掲載料(同無料),出品料無料(同1品につき10円),成約手数料2.5%(同3%)など,ユーザーに掛かるコスト面で,Yahoo!オークションに対して優位に立つ。

 オークションにおける詐欺被害に備え,損害を補償する保険を買い手に自動付与するなど,同社は取引における安全性と信頼性に関しては高い評価を受けている。対照的に,Yahoo!オークションは「実際に売られた商品に関するいかなるクレーム,請求,損害賠償からも免責することに(ユーザーが)同意するものとします」と利用規約に定めている。

 手数料値下げをはじめとするコストの優位性と,大手プロバイダーによる支援,安全性への評価,また3月に出品数が急増したことなどからも,オークション市場においてビッダーズが存在感を強くする準備が出来つつある。最大手のYahoo!オークションも,ライバルの出現を横目に,一手を打っておく必要があるかもしれない。

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▼ビッダーズ

[怒賀新也 ,ITmedia]