エンタープライズ:ニュース 2002/07/02 19:30:00 更新


N+I 2002 Tokyoの展示会がいよいよ明日開幕

明日、7月3日より幕張メッセにて、NetWorld+Interop 2002 Tokyoの展示会がスタートする。9回目を迎える今年のコンセプトは、「ブロードバンド&ユビキタス」だ。

 明日、7月3日より幕張メッセにて、NetWorld+Interop 2002 Tokyoの展示会がスタートする。9回目を迎える今年のコンセプトは、「ブロードバンド&ユビキタス」だ。

 かつてのNetWorld+Interopでは、相互接続性を維持しながら高速なネットワークインフラを構築すること自体が主要なテーマとなっていた。今となってはそれはもう当たり前のこと。その上でどういったサービスやアプリケーションを実現するか、またこれらネットワークシステム運用をいかに効率よく行うか、そしてユーザーの置かれた環境やデバイス、状況に応じた設定やコンテンツ、セキュリティレベルを提供していくかが焦点となる。

当たり前になった「ブロードバンド」

 1つめのブロードバンドについては、今さら言うまでもないだろう。昨年の流行語大賞にもなった「ブロードバンド」だが、その普及は今年に入って、ますます勢いを増している。特に、第1世代のブロードバンドともいえるADSLやCATVだけでなく、最大100Mbspという高速接続を実現するFTTHも、じわりじわりと普及してきた。

 一時は自宅とオフィスで帯域が逆転するという状況も見られたが、最近では中小規模のオフィスを含めて、こうしたブロードバンド接続を利用するケースも多い。中には企業向けに固定グローバルIPアドレスや帯域保証の設定を提供するADSL/SDSLサービスも登場している。さらに、ウイルスチェックやVPNゲートウェイの運用・管理に代表されるセキュリティサービスやホスティングサービスといった付加価値サービスを組み合わせるケースもある。

 各地の拠点が高速化すれば、今度は企業の本社側も高速化せざるを得ない。より高速な接続を求めるニーズにこたえ、イーサネットインタフェースを利用したメトロエリアのイーサネットサービスや、広域LANサービスも、コストパフォーマンスの高さを求める企業にとっては一般的な選択肢になりつつある。

 次の問題は、こうした広帯域のインフラ上でどういったアプリケーションやサービスを実現し、利用するかだ。ブロードバンドのキラーコンテンツは、動画や音声に代表される「リッチアプリケーション」だといわれながらも、なかなか現実になっていない。

 この問題に対する1つの解として、NetWorld+Interop 2002 Tokyoでは、ShowNet TVが行われる。一昨年にも同様にShowNet TVが行われ、リアルタイムにストリーミングコンテンツを配信したが、今年は会場内の空いているPCすべてに配信するという大規模な試みがなされる。

 他にも、出展企業の中には、ShowNetの外部接続回線を用いて自社オフィスと会場とを結び、VoIPやテレビ会議などのデモンストレーションを行う企業も登場する予定だ。

 ちなみに、NetWorld+Interop 2002 TokyoのインフラとなるShowNetでは、複数のベンダーが提供する機器を組み合わせ、すべて10ギガビットイーサネットでバックボーンを構築する。しかもIPv4とIPv6とを全く同じトポロジで構成される。

 さらに今年初の試みとして、「Security Operation Center」(SOC)が設置される。出展各社が提供するものも含め、さまざまなモニタリングや不正侵入検知システム(IDS)、トラップ的な仕組みを設置し、ShowNetに対してセキュリティサービスを提供する予定だ。各種サービスプロバイダーなどの第三者が、企業にセキュリティサービスを提供するという、現実のサービスの形にも近いものといえる。

来るべきユビキタスの姿をデモで

 もう1つのコンセプトである「ユビキタス」は、この半年ほどでずいぶん見かけるようになった言葉だ。単語をそのまま日本語に直せば「偏在的」といった意だが、その目指すところは、ユーザーがどこにいようと、何を使っていようと、あたかも空気のように自然にネットワークにアクセスし、必要な情報を引き出したり作業を行えるような環境の実現である。

 といってもユビキタスというコンセプト自体は、ずいぶん前から存在していた。最近になって改めて注目を集めるようになった理由は、ユビキタスを実現するための要素――急速なモーバイル機器の普及、IPv6に対する認知度の高まりやMobile IP――が整ってきたことにあるだろう。

 もちろん、真にユビキタスな環境が実現されるのはまだしばらく先のことになるはずだ。現実には接続作業やセキュリティ設定、サービス間のローミングなど、解決すべき事柄が多数存在している。しかしNetWorld+Interop 2002 Tokyoの展示会では、「IPv6 ShowCase」をはじめ、われわれが目指すユビキタス社会の姿を示すデモンストレーションが行われる予定だ。

 モーバイルという切り口からは、携帯電話のほかに無線LAN製品も登場する。昨年は802.11b準拠の製品が披露されたが、今年は「Wi-Fi ZONE」にて、54Mbps接続に対応した802.11a製品が登場する予定だ。合わせて、発表が相次いでいるホットスポットサービス(公衆無線LANサービス)が紹介されるほか、エンタープライズ向けには無線LAN環境の管理ツールやセキュリティを確保するための製品が登場する見込みである。

関連リンク
▼NetWorld+Interop 2002 Tokyo オフィシャルサイト

[ITmedia]