エンタープライズ:ニュース 2002/07/04 02:05:00 更新


Keynote:「PCと.NET Serverがあらゆる分野のビジネスチャンスに」とMS副社長

N+I 2002 Tokyo展示会初日の基調講演に、米マイクロソフトのジャワッド・カーキー副社長が登場。PCと.NET Serverを中核としたコンピューティングがあらゆる分野のビジネスチャンスにつながるとした。

 NetWorld+Interop 2002 Tokyo展示会の初日となる7月3日、基調講演に米マイクロソフトのネットワーキング&コミュニケーションズ担当副社長、ジャワッド・カーキー氏が登場した。同氏は、「Windows .NET Serverで実現する革新のネットワークとコミュニケーション技術」と題した講演で、PCと.NET Serverを中核としたコンピューティングがあらゆる分野のビジネスチャンスにつながるとした。

ms.jpg

米マイクロソフトのジャワッド・カーキー副社長

 カーキー氏は、「ブロードバンド環境の急速な拡大によりデータ通信が既に音声通信を超えた現在、ネットワーク市場で次におきるのはワイヤレス分野の拡大だ」と話す。マイクロソフト社内でも、既に3万5000人の従業員がワイヤレス環境を利用しているという。しかし、「人々の生活を豊かにするのは、技術ではなくアプリケーション」と同氏。XMLが牽引するWebサービスやピア・ツー・ピア(P2P)による新たなシナリオが利用者により高い価値を与えるとした。

 中でも重要となるのが、リアルタイムコミュニケーションとカーキー氏。「現在、チャットやインスタント・メッセージング(IM)により行われているテキストベースのコミュニケーションは、今後音声やビデオ、アプリケーション共有など、さまざまなデータに対応されることになる」と加えた。

 カーキー氏はまた、ネットワークセキュリティとIPv6も重要と話す。ネットワークセキュリティでは、「いつでも、どこでも、どんなデバイスからでも、ネットワークの複雑さを気にすることなく利用可能なセキュリティが必要」とし、「有線、無線に関わらず、容易に拡張可能なスタンダードベースのセキュリティが必要になる」とした。

 さらに、IPv6への取り組みについて同氏は、「われわれは、Windows 2000、Windows XP、Windows CE .NETで、既にIPv6をサポートしている。IPv6のサポートにより、広大なネットワークアドレス空間が利用できるようになる」と話している。マイクロソフトのIPv6への取り組みについては、慶応大学環境情報学部教授の村井純氏がビデオで同社のIPv6への取り組みについて評価するコメントを寄せている。同ビデオは、展示会場のマイクロソフトブース(ブース番号:2B20)でも紹介されている。

 このようなさまざまな取り組みの中核となるプラットフォームが、PCと.NET Serverだというのがマイクロソフトの最大のメッセージだ。カーキー氏は、クライアント環境では「今後10年以内にPCがすべてのデジタルデバイスの中核になる」とし、一方のサーバ環境では「.NET Serverが、IPv6を協力にサポートし、Webサービスを実現する最強のプラットフォームになる」と強調した。

関連記事
▼マイクロソフト、.NET ServerでIPv6サポートをアピール

関連リンク
▼マイクロソフト

[山下竜大,ITmedia]