エンタープライズ:ニュース | 2002/07/05 21:13:00 更新 |
Keynote:「すべての環境でイーサネットが使われる」と述べたファウンドリーCEO
NetWorld+Interop 2002 Tokyo最終日の基調講演に登壇した米ファウンドリーの社長兼CEO、ボビー・ジョンソン氏は、イーサネット、中でも先日標準化が完了したばかりの10GbEについて取り上げた。
たびたびレポートの中で触れてきたとおり、NetWorld+Interop 2002 Tokyoのネットワークインフラ、ShowNetでは、バックボーンに10ギガビットイーサネット(10GbE)を利用している。他の多くのベンダーとともに、このShowNet構築に協力したのがファウンドリーネットワークス(ファウンドリー)だ。
NetWorld+Interop 2002 Tokyo最終日の基調講演に登壇した米ファウンドリーの社長兼CEO、ボビー・ジョンソン氏は、イーサネット、中でも先日標準化が完了したばかりの10GbEについて取り上げた。
かつてギガビットイーサネット(GbE)が登場したとき、ネットワークの世界には他にもATMやFDDIといった対抗技術が存在した。しかしイーサネットは他の技術に比べ、パフォーマンスに優れるだけでなく、コスト面でも優位に立っていた。さらにイーサネットならではの使いやすさも大きな要因だ。こうした数々の理由によって、イーサネットは市場の主流を占めるに至ったという。
そして今度は、SONETと10GbEとの間でも同じことが言えるという。
「なぜ10GbEなのだろうか? コストパフォーマンスが高く、イーサネットゆえに使いやすく、IPが利用できるからだ。中でも重要なのは、OC-192に比べて、コストの点で大きく優位に立っていることだ。10GbEはSONETの5分の1のコストで同等のスピードを実現する」(ジョンソン氏)
「イーサネットはイーサネットであるがゆえに普及してきた」と語るジョンソン氏
そして実際に、VoIPや並列コンピューティングを利用しているエンタープライズのバックボーンや、キャンパスバックボーン、大容量のデータをやり取りする必要がある医療機関や映像製作企業、さらにデータのアベイラビリティが求められる官公庁、金融業界など、さまざまなエリアでGbEとそのバックボーンとなる10GbEへの需要が高まっているという。
一方、メトロエリアも例外ではない。「MANでも急速にギガビットイーサネットが普及し始めている」(ジョンソン氏)
ただしメトロエリアの場合は、VLANやトランキングといった拡張機能を搭載した拡張型レイヤ2ネットワークという手段のほかに、MPLSという選択肢もある。ジョンソン氏は、イーサネットベースのレイヤ2ネットワークでは、VLANや冗長性、フェイルオーバーを実現しながら、低コストが魅力になる一方で、MPLSならばルーティングの負荷を軽減し、優れたQoSを実現できると、双方にメリットがあるとした。
MANの次は、SAN(ストレージエリアネットワーク)だ。「10GbEはファイバチャネルが実現できないメリットを提供する。今後GbEや10GbEがディザスタリカバリという重要な役割を果たすようになるだろう」(ジョンソン氏)
そして、その次はWANだ。「WANにおいても今後、10GbEはOC-192に代わる技術として評価されていくだろう」。つまり「LAN、MAN、WAN、そしてSAN、すべての環境においてイーサネットが利用されるようになるだろう」という。
ジョンソン氏は講演の中で、イーサネットの次なる挑戦にも触れた。「次はOC-768相当の40Gbpsで、2年以内に実現できるだろう。その次は100Gbpsだ。これはおそらく3〜4年以内に到達できると私自身は考えている」(同氏)
つまるところ、ジョンソン氏の主張は次の一言に尽きるようだ。「イーサネットこそがネットワーキングテクノロジーだ」
関連リンクNetWorld+Interop 2002 Tokyo オフィシャルサイト
ファウンドリーネットワークス
[高橋睦美,ITmedia]