エンタープライズ:ニュース 2002/07/05 00:42:00 更新


Keynote:「ブロードバンドのインフラはイーサネット」とエクストリーム

NetWorld+Interop 2002 Tokyoの展示会2日目、基調講演には米エクストリームネットワークスのエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、ハーブ・シュナイダー氏が登場。この中で同氏は、「イーサネットこそ、ブロードバンドネットワークインフラに最適」と語った。

 NetWorld+Interop 2002 Tokyoの展示会2日目、基調講演には米エクストリームネットワークスのエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、ハーブ・シュナイダー氏が登場した。

 エンジニアとして20年以上ネットワーク業界に携わってきた同氏は、その経験を踏まえ、「将来のキャンパスネットワークのプラットフォームは、イーサネットでなくてはならない」と語った。

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イーサネットの進化をつぶさに見てきたというシュナイダー氏

 というのもイーサネットは、「シンプルであり、拡張性を備えており、そして廉価な技術であるから」(シュナイダー氏)だ。

 同氏は、企業のCIOは、ネットワークに関して3つの課題を抱えているとした。1つは、運用コストの削減。2つめは、ネットワークの生産性を高めること、つまりパフォーマンスの強化。もう1つは、将来登場してくる新しいアプリケーションやニーズに対応できるだけの柔軟性だ。

「こうした要求に応えるべく、さまざまなネットワーク技術が開発された。しかしそれらは、(イーサネットを除いて)すべて失敗に終わった」(シュナイダー氏)。これに対しイーサネットは、不足だった点をさまざまに補い、オープンな形で進化してきたというのが同氏の見方だ。

「イーサネットはすべての課題に柔軟に対応し、継続的に進化し、環境適合に成功してきた唯一の技術。このイーサネットこそ、ブロードバンドネットワークインフラに最適である」と同氏は述べる。

 このブロードバンドネットワークインフラには幾つかの要素が不可欠だ。具体的には、大容量の通信であり、拡張性であり、QoSであり、そしてコスト削減効果だという。

「今年のショウにおける最大のニュースの1つが、10ギガビットイーサネット(10GbE)だ。もはやこの技術は概念ではなく、現実のものとなっている。足元を見てみてほしい。会場に張り巡らされたShowNetは10GbEで接続されている。周りを見てみれば、ストリーミングやワイヤレスなど、あらゆるブロードバンドアプリケーションが展示されている」(シュナイダー氏)

 つまりイーサネットは、「大容量」という要件を既に満たしているというわけだ。同氏はさらに、イーサネットは既に、拡張性やQoS、コスト削減といった要求にも応えているとした。

「イーサネットならば、導入やアップグレード、管理・運用などさまざまな側面でコストを下げることができる。つまりイーサネットは、導入時だけでなく、ネットワークのライフサイクル全般に渡ってコストを削減できる。これが、ブロードバンドのインフラとしてイーサネットを利用した場合のメリットだ」(シュナイダー氏)

 さらに同氏は、イーサネットは、現在普及を見せている都市圏以外にも広がり、将来的には企業LANとWANとの境目がなくなるだろうと述べた。「メトロエリアネットワークにおける“融合”は、もはや音声とデータの融合を指すのではない。メトロエリアネットワークとキャンパスやエンタープライズネットワークの融合だ」(同氏)

 最後に同氏は、次のように語った。「未来のキャンパス、未来のサービスプロバイダー、未来のキャリアは、これまでとはまったく異なるモデルを取るだろう。今後ネットワークは、ますますイーサネットにシフトしていく。これ以外の方法はないだろう」。そして、設立当初より「Ethernet Everywhere」を掲げてきたエクストリームは、それを実現するためのテクノロジを提供できるとした。

関連リンク
▼NetWorld+Interop 2002 Tokyo オフィシャルサイト
▼エクストリームネットワークス

[高橋睦美,ITmedia]