エンタープライズ:ニュース 2002/07/06 02:08:00 更新


どう実現する? マルチホーミングと経路制御の最適化

回線価格の下落にともない、負荷分散や回線の障害発生への備えを目的に、複数の回線/ISPと契約してインターネットへの接続を二重化する「マルチホーミング」を採用する企業も増えてきた。ただこの場合、経路制御が負担となる。NetWorld+Interop 2002 Tokyoの展示会では、この部分を手助けする製品が紹介された。

 回線価格の下落にともない、負荷分散や回線の障害発生への備えを目的に、複数の回線/ISPと契約してインターネットへの接続を二重化する「マルチホーミング」を採用する企業も増えてきた。ただこの場合、通常はBGPなどを用いて適切に経路を管理する必要がある。これは企業にとって、管理・メンテナンスの点で負担となっていた。

 ラドウェアの「Linkproof」は、この問題を解決するためのアプライアンス製品で、ルータとLANとの間に配置する。Linkproofを導入すれば、BGPを用いる必要はない。インバウンド/アウトバウンドの両方にわたって、Linkproofが自動的に最適な経路を選択してくれる。特にインバウンドの経路制御については、ラドウェアの独自技術を用いているという。価格は450万円からとなっており、代理店のマクニカによると、国内で既に50システムほどの導入例があるということだ。

 また、米ネットVmgも、やはり経路制御を実現する「Flow Controle Platform」(FCP)を伊藤忠テクノサイエンスのブースで参考展示した。マルチホーミング環境でトラフィックフローをほぼリアルタイムに計測し、iBGPを用いて経路制御を実現する。また、価格を重視するのか、あるいはパフォーマンスを重視するのかといったポリシーに沿って、接続先ISPを選択することも可能だ。この製品はまた、スタティックな接続はもちろん、BGPやハイブリッド環境でも利用可能という。

 これら2つの製品とはちょっと異なる意味で経路制御の効率化を実現する製品が、古河電工のルートリフレクタ「FITELnet-R10」(R10)だ。自社のネットワーク内で多数のルータを運用しているキャリアやサービスプロバイダー向けの製品である。

r10.jpg

 R10は網内のルータから経路をiBGPで受信し、それをまたiBGPで再配布することにより、経路の収束時間を大幅に短縮するという。BGPで100万ルートまで対応しており、同時接続ピア数は最大128というから、大規模なネットワークでも対応可能だ。また将来のエンハンスでは、BGP4+やRIPng、OSPFv3をサポートする計画という。

関連リンク
▼NetWorld+Interop 2002 Tokyo オフィシャルサイト

[高橋睦美,ITmedia]