業務利用の多様化が進むスマートフォンモバイル機器からのネットワーク快適利用術(2/2 ページ)

» 2007年09月03日 10時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]
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 もう1つの機能は、スマートフォン端末をリモートデスクトップ機能のように社内から遠隔で操作するものだ。この機能では、管理者が社外にいるユーザーのスマートフォンを操作できるため、例えばヘルプデスク対応のようなシーンに活用できる。

 スマートフォン端末ではPCとの親和性を考慮されているが、それでも入力や操作方法を中心にPCとは異なる部分も多い。PC操作に慣れたユーザーでもスマートフォンの習熟にはある程度の時間を要する場合があり、PC操作の苦手なユーザーにとってスマートフォンに慣れるまではさらに時間を必要とする場合が珍しくない(関連記事)。

 この機能により、管理者はPC上でスマートフォン端末の画面を見ながらユーザーに対してアプリケーションの操作方法などを的確に伝えることができるという。社外いるユーザーに対して電話で不明な点を聞き、正しい操作方法を伝えるのは容易ではないだけに、視覚的に対応できるメリットは大きい。

シンクされるデータは、プッシュメール、デバイス管理、ファイル、アプリケーションの4つが基本となるが、年々多様化している

 「スマートフォンにさまざまなアプリケーションが搭載され、利用シーンが広がっていることで、ユーザーのリテラシーにも差が生じるようになってきた。こうした課題の解消も求められるようになってきた」(高久氏)

 セキュリティ面でも、企業がスマートフォンに求めるものは従来以上に広がりつつあるという。

 小型なスマートフォンは紛失のリスクが高いことから、従来は遠隔操作で端末の操作をロックしたり、データを消去するというセキュリティ機能が重視されてきた。最近では、デバイス管理の観点からもポリシー/ルールが変更されていないかどうか、アンチウイルスソフトの定義ファイルが更新されているのかどうかといった要素も求められ、シンクサービスでは順次対応してきた。

 このほかにも、詳細なログ(ユーザー名、アクセス時間、シンクしたデータ内容、オンラインの有無など)の収集と管理も可能になっている。「モバイル利用ではサーバ、端末、ネットワークそれぞれにセキュリティが必須なだけに、各所において暗号化や認証、防犯対策を取り、それらが連携して情報を保護する」(高久氏)。

 初代W-ZERO3以降、携帯電話事業者や端末メーカーからリリースされるスマートフォンのラインアップは、年を追うごとに増えつつある。「われわれの予想ではアプリケーションやファイルのシンク利用が広がるまでに、さらに1年以上はかかると想定していたが、それ以上に市場でのモバイル機器の利用が加速している」と高久氏は話している。

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