一方、今回のランキングではグーグルの勢いを前に一歩引いた感のあるマイクロソフトだが、存在感は依然、健在だ。企業イメージの「安定」では12位、「技術」で3位と、グーグルを上回っている。ただ、「挑戦」の10位を含めてこの企業イメージランキングを見渡せば、今のマイクロソフトがどう見られているか、を物語っているように思う。
それにしても、とまた続けたくなるのは、日本を代表するIT大手の富士通、NECの名前が上位ランキングにないことだ。唯一、上位30社に顔を出しているのは、企業イメージの「技術」でかろうじて27位に入ったNEC。両社の総合ランキングは、NECが64位、富士通が103位。職種別の技術・研究職でも、NECは46位、富士通は69位と振るわなかった。
日本のIT大手では、NTTデータが総合ランキングで26位に入り、職種別の技術・研究職で11位、性別の男性で12位、企業イメージの「安定」で17位、「技術」で19位と、一応の存在感を見せた。また、IT事業も併せ持つ日本の大手電機・機器メーカーでは、ソニー(3位)、松下電器産業(4位)、キヤノン(13位)、シャープ(18位)が、総合ランキング上位30社に名を連ねている。とくにソニーと松下電器は、個別ランキングでもほぼ上位を占めており、あらためて企業ブランドの定着ぶりを感じさせた。
この上位ランキングに、富士通とNECの名前が上がってこないのは、何とも寂しい。
どうした!日本のIT企業。
両社を筆頭に、今後の奮起に期待してあえてこう締めくくっておく。
まつおか・いさお ITジャーナリストとしてビジネス誌やメディアサイトなどに執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などを経てフリーに。2003年10月より3年間、『月刊アイティセレクト』(アイティメディア発行)編集長を務める。(有)松岡編集企画 代表。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。
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