ITmediaのビジネスブログ「オルタナティブ・ブログ」の執筆陣による座談会。後編では、ブログとコミュニケーション、ブログの未来などについて語ってもらった。
参加者 | 執筆ブログ |
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大木 豊成さん | 「走れ!プロジェクトマネージャー!」 |
加藤 恭子さん | きょこ コーリング |
工藤 拓也さん | 一人シリコンバレー男 |
玉川 岳郎さん | ニュータイプになろう! |
林 雅之さん | 『ビジネス2.0』の視点 |
吉田 賢治郎さん | けんじろう と コラボろう! |
関 信浩さん | モデレータ シックス・アパート代表取締役 |
関 ブログを書きはじめて、個人的に変わったことはありますか?
林 講演依頼を多くいただくようになりました。ユーザー視点で語れるのが受けるようです。これは、ブログを書き始めた1年前には全く考えられないことでした。
吉田 ヘッドハンターと出版社からのアクセスが増えましたね(笑)。
加藤 書籍が送られて、書評を書いてほしいという依頼があります。実はこれ、自分が興味のまったくない本だと困ってしまいます。こういうことは、実名で書いていることの弊害かもしれません。
関 「ブロガー=コンシューマ」という先入観が世間にはあるかと思います。しかし、「オルタナティブ・ブログ」のようなB2Bのブログは、B2Cに比べてトラフィックは少ないけれど、ビジネスに対するインパクトが大きいのではないでしょうか。皆さんはどう思われますか。
吉田 例えば、開発ツールのような製品がターゲットとするのは、ビジネスコンシューマの人々で、ここを狙っていくのならば、オルタナティブ・ブログはまさに影響力を持つと思います。自分のことになりますが、ベンダーでは営業担当が顧客に自社の専門家を連れて行くことがあります。ブログを書き始めてからは、社内で私のことを顧客に連れて行きたがる営業担当が増えました。「あのブログを書いている吉田です」と紹介するのです。そういう点では、企業名を出して実名でブログを書くことが、企業にとっても営業効果の高いことと言えると思います。
玉川 私は自分がブロガーになった瞬間に、さまざまなことが理解できました。ブロガーは記者と違って、一個人として興味をもったことしか書かない。ブロガーにいかに興味をもってもらうか、それに対して企業はどうアプローチすればいいのかが大事だ、ということが分かりました。ブログは信用できないという話もありますが、むしろ本音を書いているので信用できる、という考え方もあります。B2Bのブロゴスフィアの中で一定の信頼感を醸し出す。オルタナティブ・ブログは、これに大きく貢献していると感じています。
関 ところで、コメントに対してはどういう印象を持たれていますか?
加藤 ブロガーの中には、コメント1つ1つに丁寧に返答する人もいれば、そのまま放置する人もいて、違いが面白いなぁと思います。私自身は、ブログに書いたことが役立ったかどうかはコメントがないとよく分からないので、探していた答えがありましたといったコメントをもらえると、すごくうれしいです。
吉田 「はてぶ」のコメントが参考になることもありますね。ブログへの直接のコメントよりリアリティがあって、読者の方々の本当の意見なのかなと思うこともあります。
工藤 ブログを書いた本人が知らないところで盛り上がっているなんてこともありますね。
大木 時々ですが、コメント同士で議論になってしまうことがあり、対処すべきかどうか迷います。
玉川 コメントの議論が、言葉の勝ち負けになると困ります。コメントについては、いいモデレータ、ファシリテータがいるかどうかが重要なのではないでしょうか。コメントに対して強い人もいれば弱い人もいる。やっぱり、ネガティブなコメントをもらうとめげてしまいます。それでも果敢にコミュニケーションをしていくことが、相互の理解に必要だと思っています。
関 私は、コメントに強いブロガーを肉食ブロガー、逆にめげてしまう人を草食ブロガーと呼んでいます。
大木 最初のころ、オルタナティブ・ブログ内に知り合いがいなく孤独に感じていました。それが、勉強会や懇親会をやるようになって、直接顔を合わせて話し合う機会が増えると、お互いをサポートしたり、情報交換するような関係になれました。ブログはバーチャルな世界なんですが、やっぱりリアルなつながりも大事だなぁと感じています。
関 ブロガー同士でポジティブなコメントを付け合う。そうすると連帯感が生まれてブログも続けられるというのはあるかもしれませんね。
玉川 ネットで気軽にできることは確かにたくさんありますが、フェース・トゥ・フェースの場があるというのは重要ですね。
林 普段その人のブログを読んでいるので、オフラインで会ってもすぐに相手を理解できて議論も盛り上がりますしね。
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