「当事者意識を忘れずに」――情報セキュリティ月間がスタートWANT TO BE SAFE!

今年も2月1日から「情報セキュリティ月間」がスタートする。インターネット利用の多様化で「忘れ去られがちなセキュリティ対策の大切さに目を向けてほしい」と関係者らは話す。

» 2009年01月29日 17時27分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 2月1〜29日に実施される「情報セキュリティ月間」を前に、啓発活動を推進する「情報セキュリティ対策推進コミュニティ」が1月29日、2009年の活動計画を発表した。インターネット利用のメリットと対策の重要性をユーザーに呼び掛ける。

 情報セキュリティ月間は2007年から実施され、今年で3回目。活動には総務省や経済産業省のほか、自治体や企業、教育機関、個人が参加し、2008年は178社の企業が賛同した。

 推進団体の事務局長を務めるマイクロソフトの高橋正和チーフセキュリティーアドバイザーは、「インターネットは利用者の創造性を高めるなど素晴らしい効果がある一方で、その裏側にあるウイルスなどの脅威に対する理解が十分に浸透していない。利用形態がますます多様化しており、セキュリティ対策の大切さを分かりやすく伝えたい」と表明した。

大人から子供までインターネットを使う人々にセキュリティの重要性を訴えていく

 内閣官房情報セキュリティセンターの関啓一郎内閣参事官は、「最近はWebを標的にする傾向が強まり、ボットやファイル交換ソフトウェアによる情報漏えいなど、脅威が複雑化している。事前・事後の対策をユーザーが適切にできる環境作りを支援していく」と話した。

 事務局運営には、マイクロソフトや大手ISP、セキュリティベンダーなどIT関連企業のほか、大成建設やTBSなど13社が参加。今年から参加したTBSの城所賢一郎常務は、「社内には放送内容に関わる機密情報が溢れており、社員の啓発に徹底して取り組んでいる。それでも当社アナウンサーの素顔の画像がネット上に流通して騒ぎになった。コンピュータの利便性と脅威を放送事業者の立場から視聴者に紹介したい」と話した。

 情報セキュリティ月間では、ホームページを通じた活動への参加呼び掛けや全国各地で開催されるセキュリティ啓発イベントの紹介、活動に参加する企業のメッセージなどを公開する。

 例えば、マイクロソフトでは小学生とその親を対象としたインターネット安全教室を実施するほか、企業のシステム部門などでセキュリティ業務に携わる担当者を表彰する「IT Security Award」を実施中だ。「実際のイベントやオンラインサービス、プロダクトにおいてセキュリティの大切さを訴えたい」(堂山昌司副社長)

 また、子供にインターネットセキュリティの大切さと呼び掛ける企画として、「情報セキュリティレンジャーズ」を結成。「WANT TO BE SAFE!〜情報セキュリティの歌」という歌とダンスで、脅威や対策を紹介する。ダンスの振り付けを担当したタレントのラッキィ池田さんは、「仕事のやり取りの大半はメールだが、スパムなど子供に見せたくないものが多い。ネットの怖さと対策の大切さを体で表現した」と話した。

 高橋事務局長は、「インターネットの正しい使い方を子供の時から知るのは非常に大切。大人も“子供には使わせない”というではなく、インターネットを使う当事者意識を持って、親子で考えてほしい」と呼び掛けた。

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