トリセツ読まなきゃ……。悲しき女子ヘルプデスク物語(1/4 ページ)

いくら面倒だからって、ちゃんとトリセツを読まないと、一生知らないままの機能だってあるのよね。わたしも立場上、ヒトに教えなきゃいけないこともあるし。ああ、説明書から逃れたい……。

» 2009年04月17日 08時00分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

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本橋ゆうこ イラスト:本橋ゆうこ

 「うふふ♪ 買っちゃったー♪」

 ついつい、ひとり言が出る。会社の帰り道にふらっと立ち寄った家電量販店で、新しいケータイを衝動買いしてしまったわたし。もちろん、最新機種である。なにせ、ここ2年ほど機種変更していなかったから、わたしのケータイには目新しい機能が一切付いていない。わずか2年前の機種なのに、ワンセグも、おサイフケータイも、GPSナビもない。友人や仕事仲間のケータイにはいろんな機能がついていて、何かあるたびに取り残された気分だったのだが、これで一気に解消されるはず。帰り道に立ち止まっては、あれこれと触りまくっていた(子供だね、まるで)。

 なにせ、購入したケータイはまさに「全部入り」の、機能てんこ盛りなヤツなのだ。ワンセグ、おサイフケータイ、GPSナビはもちろんのこと、500万画素のオートフォーカスカメラも付いている。ケータイをなくしても位置を検索できるなんて機能もあるらしい。PCメールを直接受信することも、メールに添付されているファイルを開くこともできるのだ! なんと、時代はここまで進化していたのか(ケータイの機能を良くご存知の方には笑われてしまいそうですね)。

 特に気に入ったのが、万歩計。ことあるごとにチェックしてしまう。そして「ああ、あそこからここまで、300歩しかないんだ……」などと確認しては喜んでいるわたしがいる。しかも、この万歩計はとても賢く、手にケータイを持って上下に激しく振っても歩数はカウントされない。思わず「すごぉーい」と声に出してしまうほど感心したわたし。その夜は足どりも軽やかに(?)ご機嫌で自宅へ帰ったのだった――。

 「早けりゃいいってもんじゃない」のだけれど、やはり新しいものを手に入れるとうれしいもの。あとはどこまで使いこなすか、ということだけ。これはケータイに限らず仕事で使っているツールやネットワーク、ハードウェアなどについても同じことよね。しかし、わたしは何をかくそう、あの「取り扱い説明書」、いわゆる「トリセツ」とか「マニュアル」とか呼ばれるシロモノが大嫌いである。いや、立場上こんなことではいけないのだけれど、仕事に関係しないモノについては、まずトリセツを読むことはない

 トリセツを読まないということは、知らない機能を一生知らないままで終わらせてしまうことも多いってことよね。そういえば、2年以上使っていたケータイも、クイックダイヤル(例えば「1」のキーを長押しすれば、あらかじめ登録しておいた番号に自動的にかけてくれる)という便利な機能があるなんてこと、つい最近まで知らなかった。これもトリセツをちゃんと読んでいればもっと有効活用できたのかしら……。

 とはいうものの、生活習慣はそう簡単には変わらない。この新しいケータイのトリセツも、よほど困ったことがない限り読まないだろう。たまに利用するのはケータイ自体のガイド機能。これをヘルプ代わりにしていることのほうが多い。そしてこれが、時々わたしの首を絞めることつながる。こいつも、一度も使われないまま機種変更されてしまう機能があるんだろうなぁ。気の毒に(あれ?)。

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