3画面マルチ環境の「GT4」で感じる次世代ゲームの方向性ゲームレビュー(4/5 ページ)

» 2005年02月02日 12時37分 公開
[小林仁,ITmedia]

アスペクト比はなんと1:5.3! その凄まじい臨場感

 こうしてついに3台のマルチワイドモニタが実現できた。そのドライビング感覚はと言えば、もう写真を見てもらえばわかるように「強烈」の一言だ。GT4は画面全体をスクゥィーズすることでワイド画面に対応しており、通常ならこれでも臨場感のあるドライビングを楽しむことができる。が、このスタンダードサイズの4倍にもなる画面情報量が生むプレイ感覚を味わうと「今まで自分が体験していたドライビングゲームとは何だったのか」とカルチャーショックを受けるだろう。

これが画面の縦横比率で見る情報量の違い。上からスタンダード(4:3)、ワイド(16:9)、スタンダードマルチ(12:3=4:1)、ワイドマルチ(48:9=16:3)。スタンダードとワイドマルチを比べると、画面から得られる情報量は4倍もの差があることがわかる

 一般に人間の視野角は左右方向に110度、左右合わせると150度前後が限界と言われているが、このワイドマルチはその人間の肉眼で限界を超える150度を超えて160度近くまで視野が確保されてしまう。一見、無駄に思えるが、ここまで広がると実際のクルマとほぼ同じ視野角」となり、今まで見えなかったコースの先が見渡せるため、結果的にドライビングしやすくなることに気付くだろう。

 人間はクルマを運転している時、目に見える全体の雰囲気を見て曲がる場所を確認し、距離や位置関係を補正している。マルチモニタ環境を体験すると、このちょっとした“リッチな情報”がドライビングの質に大きな影響を及ぼす。

 実際にクルマを運転したことがある人なら分かると思うが、シケインや大きなRがついたカーブを曲がる時、人は自然と自分が進む先の状況を知ろうと、無意識にフロントウインドーより左右に位置するサイドウインドーから見える風景に焦点を合わせることがある。通常のプレイでは視野の左右にぼんやり見えているにすぎない背景も、状況によって人間は利用しているわけだ。

マルチモニタプレイでは、カメラビューの切り替えで見られる全体視点の印象がまったく変わってしまう。こちらはアマルフィ・サーキット後半のヘアピンコーナーの一場面だが、実際のクルマ視点に一番近いのはボンネットビューであることが分かるだろう。3画面になるとコース全体のRや高低差がよく分かるだけでなく、通常は見切れてしまっている観客達の動き、また周囲の風景まで写し出され迫力あるドライビング体験を得られる。なお画面の左右は真横の視点に近くなりパースがかかるので、左右のモニタは並行に並べるよりやや中央側に傾けドライバーを包み込むように設置するといいだろう
今年オープンする富士サーキット2005Fのマルチモニタプレイの一場面。人間の視野角を超える表示が行なわれるワイドマルチ画面だが、右→左に折れ曲がる直角のこのシケイン手前では中央モニタに映し出された右コーナーのクリッピングポイントと、右モニタに映る左コーナーの位置関係がドライバーが必要とする情報になる。実際にこの場所を3画面でドライブすると、最初のコーナーに差し掛かるポイントで次のコーナーの体制を整えるために目線が明らかに右モニタ側に寄る=必要な画面情報は右モニタ側にもあることに気付いてしまうはずだ
マルチモニタプレイで真価を発揮するのは、ミューの低いオフロード走行だろう。180度ヘアピンなどでは車体を真横に傾けながらコースにドリフト進入することもあるため、モニタ1画面だとコース全体が見切れてしまい状況把握がしづらいことがよく分かる。路面の片側が絶壁となるこのグランドキャニオンでは、谷底との距離感がつかめるマルチモニタでなければ真の自然の雄大さが分からない

リッチな画面情報が生み出す強烈なゲーム体験

(C)Sony Computer Entertainment Inc.
All manufacturers, cars, names, brands and associated imagery featured in this game are trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. All rights reserved.
Any depiction or recreation of real world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship or endorsement of this game by such party or parties.

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  2. /nl/articles/2404/18/news025.jpg 生後5日の赤ちゃん、7歳のお姉ちゃんから初めてミルクをもらうと…… 姉も驚きの反応がかわいい
  3. /nl/articles/2404/18/news057.jpg 9カ月の赤ちゃん、バスで外国人の女の子赤ちゃんと隣り合い…… 人生初のガールズトークに「これは通じあってますね!」「ベビ同士の会話、とろけます」
  4. /nl/articles/2404/17/news037.jpg 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/17/news034.jpg 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
  6. /nl/articles/2404/18/news155.jpg 大谷翔平選手、ハワイに約26億円の別荘を購入 真美子夫人とデコピンとで過ごすかもしれないオフシーズンの拠点に「もうすぐ我が家となる場所」
  7. /nl/articles/2404/17/news179.jpg 「ケンタッキー」新アプリに不満殺到 「酷すぎる」「改悪」の声…… 運営元「大変ご迷惑をおかけした」と謝罪
  8. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  9. /nl/articles/2404/17/news129.jpg 「ハーゲンダッツ硬すぎ!」と力を入れたら……! “目を疑う事態”になった1枚がパワー過ぎて約8万いいね
  10. /nl/articles/2404/16/news175.jpg 「そうはならんやろ」をそのまま再現!? 「ガンダムSEED FREEDOM」のズゴックを完全再現したガンプラがすごすぎる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」