海外でも注目度抜群、「ワンダと巨像」プレイアブル版レポートSCEブース:

次世代ハードではなくプレステーション2タイトルだが、アクションアドベンチャーの名作「ICO」を手掛けた上田氏、海道氏が現在開発中の「ワンダと巨像」(洋題:SHADOW OF THE COLOSSUS)がSCEブースにてプレイアブル出展されている。

» 2005年05月20日 12時18分 公開
[小林仁,ITmedia]

 「ワンダと巨像」は身の丈数十メートルもある巨像との戦いを描いたアクション性の強いアドベンチャーで、その新しいゲーム性から国内外からの注目は非常に高い。今回の出展でそのゲームシステムがある程度判明したので、まずはその内容からお届けしていこう。

 ゲームの冒頭は、巨大な神殿内で主人公ワンダが目覚めるところから始まる。神殿には“魂を失った少女”が祭壇に横たえられているが、彼女に触れることはできない。プレイヤーはゲームのガイダンスに従い、巨像のいる場所へと向かうことが第一の目的となる。

 ゲームの操作方法は非常にシンプルだ。アナログスティックの左右で移動と視点切替え、LRボタンで武器の切り替え(剣と弓を装備している)を行うほか、各種ボタンは△でジャンプ、□で攻撃、○で剣の振りかざし、×で愛馬アグロの呼び戻し、最後にR1押しっぱなしで(何かを)つかむ、たったこれだけ。このシンプルさは、「ICO」に通じるものがあった。

 神殿の外はひたすら巨大なフィールドが広がっている(スタートボタンで現在地をマップで確認することができる)。剣を振りかざして光が強く反応した方向に進んでいくと倒すべき巨像がいるが、その光の方向に峡谷や崖がある場合は周囲を見渡し、行けそうなルートを探し出さなければならない。場所によっては、愛馬のアグロを残し一人で崖を登らないとたどり着けない場所もあるようだ。

 巨像が潜むエリアに近づくと、巨像との戦闘モードに入る。今回のE3版で戦えるのは、すでに日本でも紹介されている第一の巨像だ。ここでも剣を振りかざして光を当てると巨像の弱点がわかるフィーチャーが用意されていたが、問題なのは弱点部分の頭のてっぺんまで「どうやってたどり着くか」だった。――そして、これが本作における巨像攻略のルート探しの面白味となっている。

 巨像によじ登って弱点へたどり着くには、まず巨像のどの部位をつかみながら進めば振り落とされずに済むか、そして敵の姿勢をどう崩して新たな攻略ルートを築くかといった“手順探し”が重要になる。こうした“試行錯誤しつつ道を切り開く面白さ”は、まさにアクションゲームの攻略そのものだ。巨像のダイナミックな動きもさることながら、斬新なゲーム性でありながら「プレイヤーの検討ぶり」が結果に反映される“わかりやすさ”は、現地でも高い評価を受けていた。現時点での完成度は60%とのことだが、日本でも発表が待たれる期待の一作だ。

神殿の外に出ると美しいフィールドが一面に広がっている。愛馬アグロの乗馬中の操作は、×ボタンでアグロの動きを促すという独特なもの。愛馬の上手く扱うにはプレイヤーの経験も必要なようだ
巨像との戦闘シーンでは、画面左上に巨像の体力、画面の右下にワンダの体力、使用中の武器、攻撃するパワー(タメ押しするほど威力が増加)が表示される。体力は自然に回復していくので、危なくなったら素直に逃げたほうがよい
セリフなどは一切なかったが、プレイ中のコマンド操作やゲームプレイに関する情報はガイダンスとして表示される。フィールド内の移動も謎解きやアクションの要素が入っているため、「ICO」的なゲーム性も色濃く残っている

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