FPSを食わず嫌いの人も食指が動く?――「メダル オブ オナー ヨーロッパ強襲」(1/2 ページ)

今や1ジャンルとして定着したFPS。その中でも、第二次世界大戦に焦点を合わせたのが本作“メダル オブ オナー”シリーズだ。今回は、その最新作となる“ヨーロッパ強襲”をプレイしてみた。

» 2005年08月11日 09時43分 公開
[J.O.宍戸,ITmedia]

撃ちまくるか、テクニックで制するか?

 ウルフェンシュタイン3Dをきっかけとして広まったFPS(ファーストパーソン−1人称−シューティング)と呼ばれるゲームは、大別すると2つのケースに分けられる、と考えられている。1つは、大量に出現する敵を目の前にして、撃って撃って撃ちまくるタイプ。もう1つは、なるべく敵と正面から戦わずに、テクニックを利用して倒すパターンだ。

 FPSを代表するゲーム「DOOM」などは、前者の典型例といえるだろう。次々と現れる敵を強力な武器で攻撃し、なぎ倒していくのは、非常に爽快。溜まったストレスがどこかに飛んでいってしまうほどだ。弱点として、どうしてもプレイがおおざっぱになってしまうため、若干緊張感に欠けるという部分がありはするが……。

 反対に、テクニックを重視したFPSの場合は、1回の行動やショットのたびに緊張感が訪れるため、ギリギリの戦いを堪能できる。その分、派手さや爽快感からは遠くなってしまうので、地味な印象が強くなってしまう。

 どちらも特徴的な面を持っているが、今回取り上げた本作は、どちらかというと後者の、テクニックを重視したFPSと言える。早速、詳しい内容をチェックしてみよう。

第二次世界大戦当時の戦場を再現した、緊張感のあるFPS

 第二次世界大戦にて、ドイツ軍と連合軍が激しい戦いを繰り広げたヨーロッパ戦線だが、そのターニングポイントとなった4つの戦いを、徹底した取材と検証により戦場を完全再現。そんな戦場へ身を投じる1兵士として戦っていくFPSが本作「メダル オブ オナー ヨーロッパ強襲」(PS2版GC版)だ。プレイヤーは主人公であるウィリアム・ホルトとなり、ヨーロッパ戦線を駆けめぐり、戦いを繰り広げていく。使用できる武器はピストルやライフル、ショットガンに手榴弾と様々で、これらを駆使して敵を倒していくことになる。

各エリア開始前には、当時の映像などを交えたデモ画面が挿入される

 通常の移動は左スティックで行い旋回や視点移動は右スティック、となっているのだが、一般的なFPSと違っているのは、主人公の姿勢を変更できるのと、障害物から身を乗り出すことができる点だろう。普段は立っている主人公だが、□ボタンを押すと片膝を付いた状態になる。

 もちろん、この体制のままの移動も可能で、さらに□ボタンを押すと伏せの姿勢を取り、匍匐前進での移動になるのだ。もう一つが、遮蔽物から身を乗り出しての射撃。障害物の陰に隠れ、L1ボタンを押して照準モードにすると、左スティックで障害物から身を乗り出すことができるのだ。

画面左下に描かれている人物が、主人公の状態を示す。今は片膝を付いているが、□ボタンを押すごとに姿勢が変わる。
こちらが障害物に隠れている状態で、下が乗りだしているところ。わずかな差ではあるが、実際に戦うとこの違いが分かる

 その他の操作方法としては、R1で弾を撃ち、R2が手榴弾への切り替え。△を押すと伏せ→片膝→立ちとなり、立っているときはジャンプする。さらに、敵を倒すと主人公のアドレナリンメーターがアップしていき、満タン時に使用するとアドレナリンを解放して、戦いを有利に進められる。

 敵から攻撃を受けるとHPゲージが減り、0になるとゲームオーバー。その前に、方向キーを下に入力してストックしている医療キットを使えば、体力を50%程度回復させられる。さらに、シューティングゲームの残機と同じ役割を果たす“リバイブ”アイテムのストックがあれば、その場での復活も可能だ。

アドレナリンを解放すると、画面の周囲が赤くなると同時に、敵の動きも遅くなる。通常の重火器なら残弾数が減らないので、撃ちまくれる

 なお、各面の最初にはミッションが与えられ、それを遂行するとステージクリアとなる。また、メインの任務以外にも途中で追加されるサブミッションもあり、これをクリアするとリバイブがゲットできるのだ。残り体力や残段数と相談して、サブミッションに挑戦するかどうかを決めよう。

最初にミッションが表示されるので、しっかり確認しておこう
サブミッションは、クリアしてもしなくてもOK。体力的に辛いと思ったら、スルーするのもアリだ

 ミッションクリアは仲間数名と共に目指すことになるのだが、彼らと共に行動するのも良いし、単独で突っ込むこともできる。味方と連携するか、自らの手だけで任務を遂行するか、それはプレイヤー次第だ。

傷ついた仲間は、医療キットを使うとHPを回復させられる。時々、敵の中に突っ込んで手榴弾を投げてくれる頼りになるヤツもいるので、なるべく見捨てないようにしたい

各所でテクニックが要求されるが、ストレス発散要素もアリ

 本作は最初に述べたとおり、テクニックを重視するFPSに属するタイトルであり、プレイ中はまさに緊迫した戦いとなっていく。序盤のうちはわかりやすい場所に潜んでいる敵も、ゲームが進むと見づらい場所に隠れていたりするため、1歩進むごとに冷や汗が全身を流れていく。この緊張感は半端ではなく、集中してプレイすると、かなり神経をすり減らすのだ(もちろん良い意味で、だ)。それだけに、クリアしたときの満足度も大きく、非常にやりがいのあるゲームに仕上がっていると言えるだろう。

 また、操作方法のところで述べた主人公の高さ切り替えも、リアルな戦いに近く、地味ながらナイスアイデアと言える。通常は立った状態で移動するが、これでは敵に見つかったときに狙い撃ちにされてしまう。そこで、片膝を付いた状態に姿勢を変えると、攻撃しやすくなるだけでなく、敵の攻撃も当たりづらくなるのだ。プレイすると分かるのだが、限られた狭い空間での戦いなどで、その恩恵を身をもって感じるだろう。伏せ状態では、敵に見つかりづらくなるだけでなく、さらに攻撃にも当たりにくくなる。ただし、移動速度が極端に遅いので、この3つの姿勢を使い分け、ミッションクリアを目指そう。

このような狭い場所では、中腰状態で歩き回るのがいい

 もう1つ、リアルに近い戦い方として、障害物から身を乗り出して攻撃するというのがある。物陰に隠れてL1ボタンを押すと障害物から身を乗り出せ、その状態で銃を構えることも可能なので、少ないリスクで敵を攻撃できるのだ。これは、本作をプレイする上での必須テクニックで、まともに戦っていたら命がいくつあっても足りない。多勢の敵の中に、少ない味方だけで飛び込んでいくのだから、当たり前といえば当たり前なのだが……。とはいえ、よくある1人の超人が大勢の敵と戦うFPSと比べても、より現実に近いと言えるだろう。

多人数の中に一人で飛び込んでいっても、受けるダメージが大きいので無理はしないこと

(次ページへ続く→)

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