プロダクション I.Gのビジュアルアーツあるいはプロデュースとは何か :CEDEC 2005リポート
2005年8月29日から31日の3日間、明治学院大学にて開催された「CEDEC 2005」において、プロダクション I.Gの石川光久氏によるセッションが開催された。
プロダクション・アイジー代表取締役 石川光久氏によるセッションでは、まず「サクラ大戦」シリーズや「テールズ」シリーズなど、過去どのような作品にプロダクション I.Gが関わってきたかの紹介からはじまった。
シリーズ通しての感想として石川氏は、ハードの移り変わりや昨今のゲーム会社の合併などを見るに、ゲーム業界は“急成長”から“補完”の時代になったのだと感じているという。このような時代に常に心にとめていることは、“継続すること”と語る。
ビジネスにおいて、人材確保や会社の基盤作りは大事な要素であるが、そればかりにとらわれてはならないのではないかと提唱する――会社としては利益を優先しなくては立ちゆかなくなることは道理。基盤作りは大事だが、大事にしすぎなくていいのではないか――と。利益が出せれば基盤はおのずと生まれ、人材は育っていく体制に持っていくことだってできるとのこと。
前途した「サクラ」シリーズや「テイルズ」シリーズは、アニメパートのみの担当だったが、「サーヴィランス」や「攻殻機動隊」などは、プロダクションIGは企画から参加しゲーム製作そのものに関わっている。ゲーム製作に関わったきっかけは、1990年代後半にゲーム業界が隆盛を極めていたことに起因すると石川氏は続ける。才能はお金があるところに集まるもので、その人の流れと金の流れをこちらに向かわせることはできないかと考えたのだ。
「攻殻」や「やるドラ」シリーズなど、チャンスが身を結び、ある程度の成功をおさめると、その実績で企画はさらに通りやすくなり、ビジネスチャンスは広がっていく。しかし、チャンスを切望していても、来ない時は来ないものである。チャンスの女神は気まぐれで、いじわるをよくするのだという。しかし、必ず継続していれば、ちょっとだけこちらに振り向いてくれる時がある。女性と一緒で、その隙を逃してはならないとのこと。
石川氏は「デジタル化の行き着くところは、アナログではないか」と続ける。先のPSP「ミニパト」発表会でのことを例に挙げ、この製作発表会の目的は作品のお披露目もさることながら、バンダイにあと3本作ると明言させるための席だったと明かす。真偽のほどはわからないが、こうして大人の世界では企画が決まっていくのだそうだ。ゲームの世界以外でも企画とはこういうものらしく、企画書を提出してその計画が走り出すことはほとんどないのだそうだ。やることが決まってから企画書を作成する……。なるほど、思い当たる節もある。
こうしたアナログな関係性(絆)で企画が動きだし、ヒットすることによりお金がリターンしていく。社会人になるとそういうアナログな事象が多々あるものなのだ。だからといってぬるま湯ばかりではなく、最終決定の契約の際はやけにドライに厳しい条件を突きつけられるのも常なのだと、大人の世界の矛盾を改めて説明。石川氏も「キル・ビル」でのアニメ制作の際、そういう厳しい契約内容を目の当たりにしたのだという。
チャンスがいつ振り向いてくれるのか、いつまで継続していけばいいのかという壁にぶつかるかもしれないと話を戻し、石川氏は「人を楽しませたい気持ち」が一番であると言いきる。そういう意味でも結局のところ、気持ちや人間関係という実にアナログな基本的な部分で、チャンスはやってくるものなのだと語る。
最後に石川氏は、ビル・ゲイツ氏と押井守氏を例に挙げ、「ビル・ゲイツは社員1000人分稼いでくれるが、ウチは社員200人で押井を稼がせている」と会場を笑わせながらも、「そのうち押井が社員数百人分を1人で稼いでくれる」とその価値を誇ってみせた。
かみ砕いた内容だったとはいえ、はたして一般の学生や開発者に、会社経営のこぼれ話などどこまで必要だったのかは分からないが、プロデュースとはどういったものなのか、企画を通すことのいい意味での“いい加減さ”を学べる、有意義なセッションだったのではないだろうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
-
0歳双子を19時15分に寝かせ続けたママ→1年後…… メリットだらけの挑戦記録に「偉い&すごい!」「寝る子は育つ、その通りですね」
-
【今日の計算】「101×99」を計算せよ
-
中古軽自動車をキャンピングカー仕様にして日本一周するカップル 車内で料理中、思わぬアクシデントが…… その後の姿に「すごい」「尊敬します」
-
「あの頃の橋本環奈すぎる」21歳の無名アイドル、幼少期ショット公開で再びどよめき「凄い完成してる」「美少女の片鱗が見えすぎてる」
-
ご機嫌でルンルンステップを踏む柴犬、それをパパがまねすると…… ルンルンはひとりで楽しみたい派の塩対応に「めっちゃ可愛い」と100万表示
-
庭の草刈り中に小さな卵を発見、孵化させてみたら…… 命の誕生の記録に「すごい可愛い!」「すてきな家族」
-
飼い主を引っかいてしまった黒猫“自分の犯した過ち”に気が付いて…… いつもと違う行動に「反省してるのが分かる〜!」と190万再生
-
「飼い主ビビる」猫たちに猫草をあげたら……“ちがうもの”を食う1匹の姿が182万表示! 予想外の展開に「ちょっww」「狂気を見た」
- 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
- 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
- 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
- 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
- “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
- 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
- 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
- お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
- 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
- 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」