想像以上に本格的なRPGとして仕上がりつつある――「エム 〜エンチャント・アーム〜」:東京ゲームショウ2005――マイクロソフトブース
フロムソフトウェアが開発している、Xbox 360向け本格ファンタジーRPGとして期待の「エム 〜エンチャント・アーム〜」。プレイアブルデモでは、街で他のキャラクターと会話を楽しんだり、敵との戦闘を体験できた。
フロムソフトウェアといえば、アーマード・コアシリーズなどの硬派なロボット系アクションを数多く送り出しているメーカーとしておなじみだが、Xbox 360参入第一弾となるタイトルは、なんと本格的なファンタジーRPGだ。
「エム 〜エンチャント・アーム〜」(eM)は、奇をてらったものではなく、まさしく正統派のRPGである。Xbox 360ではローンチタイトルとしていきなり本格的なRPGが登場することになるわけだが、マイクロソフトブースでゲーム序盤部分を楽しめるプレイアブルデモが出展されていた。
プレイアブルデモ版では、ゲーム開始時に「お祭り編」と「封鎖区画編」という2つのストーリーが選択できるようになっていた。お祭り編は、ゲーム中に登場する都市「ヨコハマシティ」内を探索し、他のキャラとの会話シーンを中心に楽しめる。また、封鎖区画編では、遺跡ふうのダンジョンを移動しつつ、敵との戦闘を楽しめる。つまり、RPGの2大要素である、街での探索や会話による情報収集と、敵との戦闘を独立して楽しめるように工夫されていた。
まずはじめに「お祭り編」をプレイ。ヨコハマシティではお祭りが開催されており、主人公の「アツマ」達が大学を抜け出して遊びに出てきている、という状況でプレイが開始された。街には大人や子供など、たくさんのキャラクターでにぎわっている。それらキャラクターに近づきボタンを押すと会話が可能。会話シーンでは、画面内に会話中のキャラクターが大写しになり、会話内容が文字で表示されるとともに、音声でもしゃべってくれる。
音声でしゃべるキャラクターは、主要キャラクターだけにとどまらず、街の中にいるストーリーとは直接関係のないキャラクターもしっかりとしゃべる。今回のデモ版では、ヨコハマシティの他の地区には移動できないようになっていたため、それほど多くのキャラクターと会話できたわけではないが、少なくともデモ版に出てくるキャラクター全てがしゃべっていたので、基本的に登場するキャラクターは全てしゃべると考えていいだろう。
次に「封鎖区画編」、こちらは遺跡ふうの建造物内の通路からプレイ開始となる。まっすぐ進みはじめたら、さっそく敵とエンカウント。戦闘モード突入だ。
戦闘モードは、一般的なRPG同様、コマンド選択式のターン制となっている。「キャラクター選択」→「移動先決定」→「戦闘コマンド選択」の順に選択していき、パーティ全員のコマンドを選択した段階で戦闘シーンとなる。ちなみに今回のデモ版では4人パーティとなっていた。
戦闘シーンは、コマンドを入力した順に敵に攻撃を加えていき、その後敵の攻撃となってターン終了。あとは、敵を全員倒す(か、パーティが全員やられる)まで繰り返しとなる。このあたりは、一般的なRPGと大きく変わらない。ただ、「移動」という点に関しては、コマンド入力タイプのRPGではあまり見かけないかもしれない。
eMの戦闘では距離の概念があり、キャラクターが繰り出すスキル(物理攻撃や魔法のようなもの)は、基本的に届く範囲が限定されている。敵および味方パーティが立っている部分に4×4のマス目が表示され、敵および味方パーティはそれぞれのフィールド内で移動できる。また、敵への攻撃や魔法などもフィールドに有効範囲が表示され、その有効範囲内にいるキャラクターに対してのみ効果が及ぶ。つまり、敵に攻撃が届く範囲に移動して攻撃を仕掛ける、という戦術になるわけだ。
ただし、敵に近づけば近づくほど大きなダメージを与えられるが、逆に敵の攻撃によるダメージも大きくなるため、むやみに近づくのも危険。もちろん、味方が味方にかける魔法(回復魔法など)も有効範囲があるし、当然ながら敵の攻撃にも有効範囲がある。そのため、パーティメンバーをどう配置するか、という部分も重要な戦略的要素となっている。このあたりが、一般的なRPGとはやや異なる部分だろう。ちなみに、戦闘の進行は、ターン制の戦略シミュレーションに近いと言えばわかりやすいかもしれない。
その後、ちょっとした謎解きや数度の敵との戦闘の後、ボスキャラを倒した段階で封鎖区画編は終了となる。
今回プレイできたのは、街の中の限られた場所のみでの探索や会話、そしてかなり狭い範囲での戦闘のみで、全体的なストーリーを感じ取ることは難しかった。しかし、ほんの少しのプレイでも、eMが本格的なRPGとしてしっかり作り込まれていることは十分感じ取れた。また、これまで明らかになっていなかった戦闘シーンの詳細や、各キャラクターの会話シーンでのしゃべり声などはしっかりと確認できる。Xbox 360でなければ実現できない美しいグラフィックも見逃せない部分だろう。
ちなみに製品版では、クリアまでのプレイ時間が平均40時間ほどを想定したボリュームとなる予定だそうだ。また、基本的には1人プレイのRPGだが、Xbox Liveを利用して、カジノや闘技場といったマルチプレイで楽しめる要素も盛り込まれることになるそうだ。
個人的な感想だが、このままいけば期待以上のクオリティを持ったタイトルとして完成されそうな印象を受けた。とにかく、このようなしっかりとしたRPGがXbox 360のローンチタイトルとして登場することは嬉しい限りである。
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