“直感”と何が違うのか――良質パズルゲーム「通勤ヒトフデ」は電車のお供にレビュー(3/3 ページ)

» 2005年10月17日 15時18分 公開
[篠崎薫,ITmedia]
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前作をやり込んだ人は、違和感を感じるかも?

 代わりに、前作にあったいくつかのおもしろさを失ったのも、また事実であろう。収録されている問題は、そのどれもが必ず一筆書きでクリアできるようになっている。つまり、当たり前ながら2回に分けてなぞることはできないのだ。前作のチャレンジモードであれば、次々とピースが落ちてくるため一筆で書くことはできない。そのため、何度なぞっても良いルールになっていた。つまり時間さえ許せば、市松模様になっている部分を1ピースずつひっくり返していき、横一列を同じ色に揃えることも可能だったわけだ。しかし、今作は一発でクリアしなければならないため、それができなくなってしまった。パズルゲームなのだから当たり前、と言われるのは十分承知している。それでも、前作が体に染み込んでいる人にとっては、分かっていても慣れないのが悲しいところ……。

どんな難問でも、一筆書きで解かなければならない。途中、頭がオーバーヒートしそうに……。ちなみに、ピースの色はオプションで変更が可能

 それに加え、上からピースがドンドン落ちてきて、フィールドがじわじわ埋まっていく緊張感を味わえないのも、残念で仕方がない。インタフェースが違うのだから、きちんと割り切るべきなのは分かっているが、同じヒトフデシリーズなのだからと、つい思ってしまった。

 そんな人に向けて、というわけでないのだろうけれど、ちょっぴり前作の雰囲気が残っているのがタイムアタックだ。これは、いかに早く指定された面数をクリアできるかを競うモードで、5位以内に入ればネームエントリも出来てしまう。じっくり考えて、一発で正解ルートを通れれば問題ないが、ミスしてラインを残してしまうと、1ラインにつき30秒ものペナルティを課せられてしまうのだ。よほどの手練れでなければ、1位に食い込むのは難しいだろう。素早く考えて結論を出すという、前作のチャレンジモードに近い雰囲気を味わえるので、のんびりした毎日ヒトフデに飽きたら、挑戦してみるといいかもしれない。

難易度はイージーとハードの2つ。どちらも十分に手強いので、頭をヒトフデモードに変更して、ある程度慣らしてからチャレンジ!
5位以内に入れば、前作と同じく絵文字を書ける。ちょっと嬉しくなれる瞬間

良作パズルゲームを見逃すな!

 前作から比べると、個人的にはアクション要素が消えてしまったことが悔やまれる。前作をやり込み、チャレンジモードの虜になってしまった人には、本作はのんびりしすぎて合わないかもしれない。しかし、ヒトフデシリーズの共通した考え方である“一筆書きでピースを同色にして消す”というコンセプトに共感できる人であれば、前作と同じぐらい楽しめるだろう。また、何か良質なパズルゲームがないか……と探していた人にも、文句なしにお勧めできる。バランスの取れた難易度や単純なルールなど、パズルゲームとしては久々の良作と言える作品だけに、大勢の人にこのおもしろさを味わってもらいたい。そして、慣れたら是非「直感ヒトフデ」の世界に来てほしい。

最後に出題。頭の中で考えて、このステージを一筆書きでクリアしてみよう。黒が3列に白1列に出来るルートを見つければOK
通勤ヒトフデ
対応機種ゲームボーイアドバンス
メーカー任天堂
ジャンルパズルゲーム
発売日2005年10月13日予定
価格2800円(税込)
(C)2005 Nintendo / MITCHELL


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