男子たるもの常に闘いの中で男を磨き、男塾魂をその胸に刻むべし「魁!!男塾」レビュー(2/2 ページ)

» 2005年11月10日 14時24分 公開
[大戸島さんじゅうご,ITmedia]
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闘技場の仕掛けが勝負をアツくさせるに違いない!

 男塾といえば、その闘いの舞台となる闘技場に特徴がある。単に闘うのではなく、その闘技場自体の仕掛けが闘う者の命を奪うことがあることだ。本作でも、そういった男塾の魅力が盛り込まれている。たとえば、驚邏大四凶殺から第三の凶・氷盆炎悶閑が再現されている。この氷盆炎悶閑は、氷洞の中央にある氷のリングで闘うのだが、滑りやすい足場に加え、その下には自然が作り出した氷の刃が待ち構えている。氷の上も地獄なら、そこから落ちても地獄という過酷な闘技場だ。ゲーム内でも下に落ちれば即死となっている。

氷盆炎悶閑での闘い。氷のリングから落ちれば即死だが、ギリギリのところでリングにつかまって落下を免れることもある。そうなったら左スティックを思いっきりガチャ!

 この他にも、さまざまな闘技場が用意されているので、闘っている間は緊張感がある。また、相手の攻撃で吹き飛ばされて舞台から落ちそうになっても、リングつかみでギリギリのところで生き残れる。紙一重で命をつなぎとめ、ホッとする瞬間だ。しかし、相手はそこを狙って落とそうと攻撃をしてくるので、仲間と交代してピンチをしのぐのが得策だろう。

 これら闘技場のギミックは非常におもしろく、男塾らしさを出しているが、贅沢をいえば驚邏大四凶殺は驚邏大四凶殺で、大威震八連制覇は大威震八連制覇としてすべてを再現してほしかった。対戦相手として登場するキャラが特定の場所をのぞいて決まっていないことや、闘いの場がゲームの進行上あまり重要でなかったり、原作のストーリーにはまったくからんでいない部分が非常に残念に感じた。そのあたりがクリアできていれば、この作品はもっと化けたのではないかと思う。

驚邏大四凶殺の第四の凶・頂極大巣火噴関。富士山の火口に張り巡らされたロープの上で闘うのだが、されだけではなく周りに火を放たれる。ゲーム中でも、その炎に触れればダメージになるので、相手を追い込んでダメージを与えろ
大威震八連制覇の最終闘・天雷響針闘場。落雷が周りにある巨像の避雷針に落ちると、地面の穴から針が飛び出してくる危険な闘場だ。ゲーム中では落雷があると針が出てくるので、タイミング良くジャンプで回避しなくてはならない。必殺技を出している最中に落雷があると悲惨……

民明書房に記された格闘技の歴史を熟読すべし!

 もう本当にたまらない。古本屋を巡り民明書房の本を探し、店の人から「はぁ?」なんて言われながらも、武術の歴史を記したそういった本が本当にあると信じ続けていた筆者にとって、閲覧モードにある民明書房の項目は惜しみない讃辞をおくりたい。

 民明書房とは、作中に登場する武術などについて解説している書物を刊行している架空の出版社。その民明書房がゲーム内で再現されているのだ。しかも、各項目を塾長自ら朗読してくれる。なお、この民明書房の項目は、最初から見られるのではなく、ゲームを進めていくなかで次々と登場する隠し要素となっている。まずは、すべての項目を埋めることが最初の目的となるだろう。

 ちなみに、民明書房が存在しないものと知ったのはずっと大人になってからである(現在では、作中に出てきた民明書房をはじめとした解説等を1冊にまとめた本が出ている)。

オマケモードの1つ、民明書房では塾長がその内容を読み上げてくれる。かつて、民明書房が本当にあると信じて疑わなかった人は必見である
こちらもオマケの1つ。闘士のモデルを見られるだけではなく、プロフィールをこちらも塾長が読み上げてくれるありがたい機能つきだ

ノスタルジックな気分に浸るのではなく現在進行形で楽しもう!

 プレイしていると気づくだろうが、キャラによっては組み易い、組み難いというものがある。しかも、ステージによって対戦人数も違ってくるので、その組み合わせによっては難度にかなりの差が生まれてくるのだ。さらにそこに超必殺奥義の破壊力が加わり、ほどよい刺激と緊張感でゲームを盛り上げてくれるので、それなりにやり応えはあるはず。

 とはいえ、アーケードで稼動しているような格闘ゲームと比べてしまうと、確かに各キャラの行動や必殺技、さらにシステムなどで物足りなさを感じてしまうのは否めない。しかし、今読み返してもまったく色あせていない「魁!!男塾」の魅力が、このゲームからも十分伝わってくるのは確かだ。単にノスタルジックな気分に浸るのではなく、続編も連載中であるし、このゲームを現在進行形で楽しんでみてはどうだろうか。

男塾テイストがタップリと盛り込まれた本作。ただ、男塾ファンはこれで満足してはいけない。ぜひとも、続編として驚邏大四凶殺や大威震八連制覇を再現してもらいたい。ミニゲーム的に富士山で鉄球を転がしてみたりするのもおもしろいと思うのだが……

魁!!男塾
対応機種プレイステーション 2
メーカーディースリー・パブリッシャー
ジャンル格闘アクションゲーム
発売日2005年11月10日
価格6090円
人数1〜2人
(C)宮下あきら/集英社・東映アニメーション
(C)2005 D3 PUBLISHER


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