バンダイ「.hack//G.U.」プロジェクト発表会で壮大なメディアミックスを語る(3/4 ページ)

» 2006年02月06日 22時30分 公開
[加藤亘,ITmedia]

 物語は西暦2017年。前作の7年後の世界を舞台としており、近い未来ということで、それほど今と変わらない将来が描かれている。現実世界と仮想世界である世界最大のネットゲーム「The World(R:2)」の両面で事件は進んで行く。「The World(R:2)」は極めて自由度が高いことが裏目に出たのか、現実世界の鬱憤をゲーム世界ではらそうという“殺伐”とした“荒廃”した世界が広がっていた。本作は17歳の主人公「ハセヲ」を通して、現実世界と仮想世界両方で起きる不可解な事件の顛末が語られる。

「The World(R:2)」はMMORPGであり、この世界で活動しているキャラクターはすべて現実世界で誰かがプレイしているという設定。彼らは冒険したり、トレードしたり、ギルドを組んで世界を楽しんでいる
登場キャラクターは主人公ハセヲやオーヴァン、アトリを中心に総勢50人以上が登場。ストーリーは前作換算で8巻分に相当する。イラストは、ハセヲとアトリ。そしてハセヲが追う三爪痕(トライエッジ)と呼ばれる双剣士。前作のカイトに似ているが……?
バトルは簡単にボタンひとつで攻撃が繰り出せるようになっている。武器にはそれぞれ攻撃特性があり、“ため押し”と“連打”の2タイプに分類されるという。スキルトリガーを使えば攻撃中隙なく発動でき、強力な攻撃となるなど「触って気持ちのいいアクション」を目指している

 バトルでは、特異の能力を持った8人につき、憑神(アバター)というシステムが使用できるらしい。データの裏側で行われるバトルとして、通常のものとは違う位置づけだ。アバターを使うとキャラクターの容姿は変身を遂げ、一般のプレーヤーには見えない戦いへと誘うという。作中ではスーパーフェイシャルと名付けられた表情豊かなアニメ的表現を実現しているなど、前作とは格段にパワーアップした新シリーズらしい内容となっている。

 メディアミックスを「ゲームを楽しむための提案」としたいと語るゲームプロデューサーの原田真史氏は、それを実現するためには“プロジェクトの核となるべくゲームの圧倒的なクオリティとボリューム”と、“主人公「ハセヲ」を軸に、綿密にくみ上げられたユーザー視点のクロスメディア”でなくてはならないと心がけているという。

 「.hack//G.U.」がVol.1〜3「再誕」「君想フ声」「歩くような速さで」の全3巻構成となっているのも、アニメやコミックなどの商品がリリースされるタイミングに則しているためであり、無駄に分割したものではないと計画的であることを強調する。それら計画されたメディアミックスは以下のような構成となっている。

TVアニメ:「.hack//Roots」

 4月5日(水)深夜1時30分よりテレビ東京系全国5局にて毎週放送予定のTVアニメ「.hack//Roots」は、前シリーズとは異なり、ゲームと完全にリンクしている。主人公がゲームと同様「ハセヲ」であることからも、「.hack//G.U.」へとつながる“根っこ”の部分が描かれるという。

 監督は「.hack//SIGN」に引き続き真下耕一氏が担当。シリーズ構成・脚本は川崎美羽氏、キャラクターデザインを同じく「.hack//SIGN」から続投の大澤聡氏、キャラクター監修を貞本義行氏が務める。またオープニングテーマにはFictionJunction YUUKAの「Silly-Go-Round」が、エンディングテーマにはALI PROJECTの「亡國覚醒カタルシス」が決定している。

テレビ東京の番組担当プロデューサー東不可止氏(写真左)は、「クロスメディアの最新形を常に実現していくプロジェクトである本シリーズでは、リアルなプレーヤーと仮想世界のプレーヤーという二重構造が織りなす世界観の深さももちろんのこと、視聴者の心をつかむ現実感がいっぱい詰まったものになっている。ゲームもアニメも楽しめる1年間にしていきたい」と豊富を語る。また、角川書店「.hack//G.U. The world」編集担当デスクの田村淳一郎氏(写真右)は、昨年から先行して雑誌を発行。多くの解釈を元にコミックと小説を手がけている。

コミック&ノベル:「.hack//G.U. The world」

 「.hack//G.U. The world」では、ゲームの同時代のハセヲを描く「.hack//G.U.+」(漫画:森田柚花/原作:浜崎達也)や、殺伐としていない世界がウリの「.hack//Gnu」(漫画:河南あすか/原作:種子島貴)、シリーズキャラクター総出演の4コマ漫画「.hack//4koma」(漫画:墨丸こいち)のほか、美貌の剣士と今作謎の人物として描かれる三爪痕との話が描かれる小説「.hack//CELL」(著:涼風涼/イラスト:睦月アキラ)が連載されている。また、2巻目からは前作での主人公カイトを描く「.hack//XXXX」(漫画:喜久屋めがね/原案:松山洋/原作:正倉ヒロタ)の連載がはじまっている。

ラジオ:「.hack//G.U.」Radio(仮)

 2006年4月から文化放送で毎週日曜A&Gゾーンで放送決定。「.hack」の総合情報番組としてハセヲ役でもある櫻井孝宏さんと榎本温子さんをキャストにお届けする予定。

カードゲーム:「.hack//G.U.」CardGame

 2017年に全世界で流行しているカードゲームという設定で、2006年6月・9月・12月に発売予定。ゲームとの連動も考慮されているという。

ショップ:「.hack//G.U.」SHOP

 ショップもひとつのメディアであるとして、全国のゲームショップに応援店となってもらい、ここでしか手に入らない情報や最新映像、フリーペーパーなどの配布を行っていく。「.hack//AccessPoint」として全国展開。

フリーペーパー:「.hack//G.U.」Free Paper

 上記の「.hack//AccessPoint」でしか手に入らない情報誌として最新情報を掲載。4月から全国で配布が開始される。誌名は「.hackey」。

ネット&モバイル:「.hack//G.U.」Net&Mobile

 「.hack」世界の情報をネットやモバイルから入手するポータルとして活用していくことはもちろんのこと、プレーヤー同士のコミュニティーの場としての活用を視野に展開していく。こちら

今明かす仕掛け

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/07/news109.jpg 「ロッチ」中岡、顔にたっぷり肉を蓄えた激変ショットに驚きの声 「これ…ヤバいって」「すごい変身っぷり」
  2. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  3. /nl/articles/2405/06/news040.jpg 「東京チカラめし」約2年ぶりに東京で“復活” まさかの出店場所に驚き「脳がフリーズしそうに」
  4. /nl/articles/2405/03/news025.jpg 「今までなんで使わなかったのか」 ワークマンの「アルミ帽子」が暑さ対策に最強だった 「めっちゃ涼しー」
  5. /nl/articles/1611/04/news117.jpg 「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
  6. /nl/articles/2405/07/news114.jpg 大谷翔平がエスコート 真美子さん「ドジャース奥様会」に再び登場で頭ひとつ抜き出る
  7. /nl/articles/2405/08/news030.jpg 「新紙幣出てきたんだけど」 レジで“千円札”見た若者がポツリ→まさかの正体にショック広がる 「そうだよねえぇ」
  8. /nl/articles/2405/07/news043.jpg 16歳お姉ちゃんと0歳弟、赤ちゃんが泣くとすぐに抱っこして…… 愛をそそぐ姿に「愛しさ溢れてて号泣」「いいね1万回押したい」
  9. /nl/articles/2405/05/news018.jpg 地元民向け“バリカタ仕様”の袋麺だと思ったら……思わぬ落とし穴に「トラップ仕掛けられてる」「自分も引っかかった」
  10. /nl/articles/2405/06/news001.jpg 川をせき止めるほどのゴミ→ボランティアがを徹底的に掃除したら…… 見違える変化に驚き
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評