笑ってスロってアップして――「実録鬼嫁日記」執筆のススメ「実録鬼嫁日記 〜仕打ちに耐える夫の理不尽体験アドベンチャー〜」レビュー(1/2 ページ)

2月23日に発売される「実録鬼嫁日記 〜仕打ちに耐える夫の理不尽体験アドベンチャー〜」をひと足早くプレイすることができた。鬼嫁にほんろうされるカズマ氏の姿をいきいきと描く本編も面白いが、何と言っても画期的なのは、オリジナルのエピソードをアップロードできる機能だ。発売後の展開が楽しみなタイトルである。

» 2006年02月09日 00時00分 公開
[仗桐安,ITmedia]

原作はブログ 〜日記をゲーム化するという試み

 会社員カズマ氏が妻と娘との家庭生活を赤裸々に語り人気を博しているブログ「実録鬼嫁日記」。これがPSPでの発売を目前に控えている本作「実録鬼嫁日記 〜仕打ちに耐える夫の理不尽体験アドベンチャー〜」の原作である。

 実録鬼嫁日記は、今や大規模なメディアミックス展開をしている、注目度の高いブログだ。2005年7月にアメーバブックス社より刊行された書籍がヒットし、先日1月31日には続編である「実録鬼嫁日記2」も発売された。集英社発行の漫画雑誌「スーパージャンプ」では漫画化された作品が連載中で、こちらは2月3日に単行本第1巻が発売されたばかり。2005年秋には関西テレビ製作、「鬼嫁日記」というタイトルでドラマ化が実現。また2006年には映画化の予定もあるなど、とにかく話題に事欠かない、旬のコンテンツだといえる。

 カズマ氏の切なくも笑える哀愁ただようエピソードの数々、破天荒な鬼嫁の言動、暴走して壁にぶちあたる娘のかわいさ。彼らのことを好きになり動向を見守っている人は大勢いることと思う。そんな鬼嫁ファンの方にぜひとも遊んでいただきたいのが、本作だ。

 ブログのゲーム化というのはおそらく初めてだろう。そういった意味で極めてチャレンジングなゲームであることは間違いない。小説のゲーム化であれば主人公キャラを動かしつつストーリーをなぞることができるし、漫画であればなおのことゲーム化しやすいはずだ。しかしブログのゲーム化と聞けば「ん?」と思う人は多いのではないだろうか。ブログというのは、形式に差はあれど、日々の事柄を書き記す日記的な要素の強い媒体だ。「ある個人の日記をゲーム化する」ということはいかなることなのか。ゲームをプレイする前は、やはりその点に興味が集中した。そして蓋を開けてみれば、実にライトで遊びやすいテキストアドベンチャーが筆者を待っていたのだった。

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夫婦のやりとりに思わず吹き出す 〜ポータブルブログのススメ

 本作にはいくつかのモードが納められている。メインは「ポータブルブログ」というモード。このモードは「嫁の料理」、「嫁、帰省」などいくつかの章立てで構成されており、その章ごとに複数のエピソードを遊ぶことができる。エピソードの数は66と、なかなかのボリューム。最初は第1章からプレイしなくてはならないが、そのうちに先の章を進まないと読めないエピソードが出てきたりするので、いろんなエピソードを行ったり来たりすることになる。このフラグを立てて進んでいく感じがテキストアドベンチャーらしい面白さを醸し出している。

 エピソードは、絵理すけ☆さん(原作ブログでもイラストを努めているイラストレーター)の描いた愛らしいキャラたちが吹き出しで台詞をかわす、という流れで進んでいく。そこにカズマさんのモノローグが入り、背景には実写画像が絶妙に入ってきて、音楽や効果音が加わる。書籍、漫画、ドラマと数々のメディアに展開していった「実録鬼嫁日記」だが、そのどれとも違った味わいでブログの内容を楽しめるものに仕上がっている。やりとりの間やキャラのリアクションで思わず笑ってしまったところも多く、細かい演出が行き届いているという印象を持った。

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 そうやってブログの内容を独特の視覚効果で楽しませる、というだけならこれは電子書籍ということになってしまうだろう。ゲームであるからには、プレーヤーは能動的に関わっていきたいはずだ。というわけで用意されたのが、エピソード中に何度か現われる「選択肢」。原作を知っている人なら、この場の台詞はこれだよね、と分かってしまうところだろうが、敢えて違う選択をしてみるのも面白いだろう。主人公=カズマ氏の選択が変わることで鬼嫁のリアクションも変わるのが楽しい。もちろん原作をよく知らない人なら、純粋にテキストアドベンチャーとして楽しみながら選択していくこともできる。

 選択肢による違いを楽しみつつプレイを進めていくと、だいたい3分から5分くらいで1エピソードが終了する。1度クリアをすれば、そこから更に遊べるエピソードが追加される場合もあるし、次の章が遊べるようになる場合もある。とにかくやり進めていけばエンディングにはたどり着けるようになっているので、ライトユーザーにも優しい仕様だ。

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 一度クリアしたエピソードには前回選択しなかった別の選択肢が残っている。本作を100%クリアするためには、別の選択肢もすべて選択していくことが必須だ。というわけで以前プレイしたエピソードを再度遊ぶことになる。ここで便利なのがRボタン。以前に読んでしまったから、とりあえず選択肢を選ぶところまで一気に行きたい、という場合はRボタンを押し続けることで見たことのある画面のみ早送りすることができる。多様しすぎると作業的になってしまいがちだが、この機能がなければ何度も同じところを読むことにもなるので、プレーヤーにとっては嬉しい配慮だ。

 「ブログのエピソードをプレイする」という、この何とも新鮮な体験は、前述したが長くても5分くらい。PSPという携帯ゲーム機で遊べるという点を考慮に入れると、通勤の合間とか、ちょっとした時間に軽い読み物を読むような感じでプレイするというのがベストなのかもしれない。もちろん人前でPSPに向かってあまりニヤニヤしすぎないようにご注意を。油断すると鬼嫁のリアクションに笑ってしまうポイントはけっこうあるはずだ。

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