RPG要素の導入でよりお手軽に――アクション下手、シリーズファンともにプレイしてみるべし:「新 鬼武者 DAWN OF DREAMS」レビュー(1/4 ページ)
2001年1月のシリーズ第1作発売から満5年。2006年1月に、“新”と銘打たれた「鬼武者」が登場した。シリーズ通算では第4作に該当するが、なぜ、4ではなくて新なのか。いったい、何が変わったのか。そして従来のシリーズとはどんな関係があるのか。さまざまな視点から、それを検証してみよう。
世界観とストーリーは、これまでの流れを継承
前作「鬼武者3」のラストで、織田信長は本能寺にて討たれた。鬼武者シリーズにおける信長は、幻魔と呼ばれる魔性の者の力を借りて、日本を制圧しようとした悪の人物として位置づけられている。いわば、魔王・信長だ。彼の死によって、日本における幻魔の活動は停止を余儀なくされたわけだ。鬼武者シリーズには、幻魔の侵略に対抗する存在として、鬼の一族がいる。古き時代より戦い続ける幻魔VS鬼の一族という構図が、シリーズの基本的な世界観なのである。
さて、「新 鬼武者 DAWN OF DREAMS」(以下、新 鬼武者)は、まがまがしい塔の上で、石田三成と南光坊天海が戦いを繰り広げるムービーで幕を開ける。ここで三成が邪悪な陰謀を進めており、天海がそれを食い止めようとしていることが示される。史実の天海は徳川家康のブレーンとして江戸幕府初期に活躍した妖僧だが、鬼武者シリーズでは、2において主人公・柳生十兵衛とともに幻魔と戦っている人物。すなわち、鬼のサイドに立つ者だ。一方の三成は、言うまでもなく秀吉子飼いの直臣となる。この2人の戦いは何を意味するのだろうか?
もはや、言わずとも容易に予想がつくだろう。そう、幻魔たちは信長亡き後、今度は秀吉と手を組んだのである。幻魔の力を得て大陸の制覇をもくろむ秀吉と、それを推進する懐刀の三成。これが鬼の力を授けられた者たちの新たな敵なのだ。
とはいえ、過去において3度も鬼に煮え湯を飲まされただけに、今度は幻魔たちの準備も周到である。彼らを破るには、今までに勝る鬼武者の存在が必要となる。それが“黒き鬼”と呼ばれる最強最悪の鬼武者。そして、黒き鬼の力を引き継ぐ者こそ、今回の主人公であり、プレーヤーキャラクターでもある結城秀康なのだ。
黒き鬼の力を継いだ秀康が、志を同じくする仲間とともに、秀吉の野望を阻止するために、幻魔たちと戦っていく。これが新 鬼武者のストーリーとなる。独立した話になっているので新規のプレーヤーでも大丈夫だが、内容的には前作から繋がっていると言っていいだろう。
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