頼みは己の腕前のみ――ようこそ、狩って狩って狩りまくるハンティングアクションの世界へ「モンスターハンター2(ドス)」レビュー(1/3 ページ)

「モンスターハンター ポータブル」のヒットも冷めやらぬなか、ついにシリーズ最新作が姿を現した。まだ見ぬ狩り場、まだ見ぬ武器、そしてまだ見ぬ強大なモンスターたち……。ようやく“解禁”となったドスの世界を、さっそくのぞいてみることにしよう。

» 2006年03月06日 17時48分 公開
[池谷勇人,ITmedia]
photo MHの目玉、オンラインモード。力を合わせて強敵に挑め!

「モンスターハンター」(以下、MH)は、2004年にカプコンから発売されたオンラインハンティングアクションゲーム。巨大な飛竜と戦うハンターとなって、文字どおり狩るか、狩られるかの狩猟生活を楽しむという、一風変わったオンラインゲームだ。

 ゲームの目的はただ1つ、フィールドを闊歩(かっぽ)する巨大な飛竜たちを、あらゆる知恵と技術を絞って、とにかく狩って狩って狩りまくること。倒した飛竜からは骨や皮などさまざまな素材を剥ぎ取ることができ、これらを加工することでできる装備品をそろえながら、さらに強力な飛竜へと挑んでいく。オフラインでも楽しめるが、ネットワークに接続することで最大4人までのパーティを組んで遊べるのも大きな魅力だ。

photo 討伐したモンスターから素材をはぎ取る。この瞬間のワクワク感がたまらない

 しかし、最大の特徴はやはり、“オンラインゲームでありながら高いアクション性を実現している点”だろう。通常、オンラインゲームではラグや同期の問題がつきまとうため、本格的なアクションゲームは難しいと言われてきた。しかし本作の場合、クエストを受け、一歩フィールドへと出れば、そこはもう完全なアクションゲームの世界。レベルや経験値といった甘っちょろい救済は一切なく、プレーヤーは己の腕前のみを頼りに、自分の何倍もの大きさの飛竜に立ち向かっていかねばならない。

 どれだけ装備にお金をかけても、実力が伴わなければあっさり死ぬストイックさ。しかし、それゆえ試行錯誤を重ね、ようやく強敵を討ち果たした時の達成感、充実感はひとしおだ。かくいう筆者もそんな魅力に取りつかれ、気付けば累計プレイ時間は1000時間を突破……。今回の“狩猟解禁”を、首をながぁーくして待っていた1人であったりする。

何もかもがまぶしく、目新しいドスの世界

 前置きが長くなってしまったが、「モンスターハンター2(ドス)」(以下、MH2)である。前作「モンスターハンターG」(以下、MHG)が、あくまで初代をベースにした拡張版であったのに対し、今作は正真正銘「2」のナンバーを与えられた続編だ。村やフィールドのマップはすべて一新され、新たな装備品、新たなモンスターも大量投入されている。まったく新しい世界を舞台に、まったく新しい狩りが繰り広げられることになるのである。

photo マップはすべて一新。つながりを憶えてしまえば、前作よりも移動はしやすい

 今回のフィールドは「密林」、「砂漠」、「沼地」、「雪山」、「火山」の5カ所。新しく雪山が加わった形となっているが、ほかの4つもまったく新しいマップへと生まれ変わっている。2年近く慣れ親しんだ前作のフィールドを離れるのはちょっと残念だが、やはり新しいフィールドでの狩りは新鮮で、何もかもがまぶしく映る。最初は前作までの知識がほとんど通用しないことに戸惑いもしたが、思えばこの手探り感もまた本作の楽しさだろう。崖のてっぺんから遠方を眺めてため息をついてみたり、エリアの隅々まで調べまくって“こんなところに採掘ポイントが!”などとはしゃいでみたり……気付けばすっかり初心者気分で、フィールド探索を満喫している自分がいた。

photo 思わずため息が出るほど美しい、雪山のオーロラ

 加えて、新たに今回は時間の流れが導入されており、同じフィールドでも「温暖期」、「寒冷期」、「繁殖期」の3つの季節や、昼と夜の時間の組み合わせで微妙にその姿が変わる。季節ごとにアイテムやモンスターの配置が変わるのはもちろん、中には昼間しか入れない孤島や、夜になると水没してしまう地底湖などもあり、プレーヤーを飽きさせない工夫が随所に見られる。特に、無数の流れ星が降り注ぐ夜の砂漠や、オーロラに覆われた夜の雪山など、幻想的な光景が多く見られる夜のマップはいずれも必見だ。

より強大&多彩になったモンスターたち

 新しくなったフィールドの探索も楽しいが、最大の見どころはやはり、より強力に、より多彩になったモンスターたちだろう。前作までは登場するモンスターのほとんどが「飛竜」であったことから「ドラゴンハンター」などと冷やかされることもあったが、今回はその汚名を返上するかのように「牙獣種」、「甲殻種」、「古龍種」といった新たなモンスターが大量に追加されている。

 敵の行動パターンも、飛竜種共通パターンであった「突進+尻尾回転+ブレス」一辺倒ではなくなり、相手の種族に応じて、より幅広い戦法が求められるようになった。特にモノブロスの頭骨を背負った甲殻種の「ダイミョウザザミ」や、オナラや糞で攻撃してくる牙獣種の「ババコンガ」など、新たに追加されたモンスターはいずれもユニークなものが多く、前作までの常識がまったく通用しない。しかし、それだけに対峙した時の緊張感と、見事倒したときの達成感はたえられないものがある。

photo 食らうと悲惨な目に合うババコンガの「オナラ」。消臭玉をお忘れなく
photo アイデアの勝利を感じるダイミョウザザミ。ちなみにこっちがお尻です

 そして、新モンスターの中でも花形と言えるのが、新登場の「古龍種」だ。これは言わば前作の「ラオシャンロン」などの最上級モンスターに相当し、嵐や竜巻といった天候さえも操る力を持ち、人々からはもはや「天災」として恐れられているという種族となる。パッケージに描かれている、風翔龍「クシャルダオラ」もその一種。嵐とともに出現し、常に風をまといプレーヤーを寄せ付けないその姿は存在感バツグンだ。初めて討伐クエストにおもむいた時は、MHで初めて飛龍「リオレウス」と戦った時のドキドキを思い出し、思わずコントローラを持つ手が震えてしまった。

photo 古龍は人々にとって言わば災害のような存在だ
photo その姿は威圧感たっぷり。果たして勝つ術はあるのか……

 結局、その時は風に阻まれ、近づくこともできずに敗退した。“普通のRPGなら、どんなにデカくて強そうなボスでも、それなりに戦っていれば勝てちゃったりするのに、本作の場合、そういう「お約束」が通じないから本気で困るわけですよ! ”――などとつい愚痴をこぼしたくなるほど、初戦の“こんなのムリ!”感はすさまじかった。しかし、その後再チャレンジを繰り返し、試行錯誤の末ついに撃退に成功する。この時のうれしさと安堵(あんど)感といったらもう、これまでの苦労とイライラをすべて補ってなおお釣りがくるほどだった。“ああ、あきらめないで挑戦してよかった”と思える瞬間だ。

 ほかにもすでに公式発表されている陽炎龍「テオ・テスカトル」をはじめ、さまざまな古龍がすでにその存在を確認されている。こいつらとの死闘が、本作最大の華になることは間違いないだろう。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/17/news023.jpg 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  2. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  3. /nl/articles/2404/17/news136.jpg もう別人じゃん! miwa、大胆イメチェンで面影ゼロに「まさかのこんな色になってるとは」「だれー!?」
  4. /nl/articles/2404/17/news111.jpg 「ぶち抜きたいです」 辻希美、懇願拒否された13歳長男が“荒くれ反抗”……息子の室内破壊に嫌悪あらわ「言葉が出ない」
  5. /nl/articles/2404/16/news185.jpg 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  6. /nl/articles/2404/17/news029.jpg 「キュウリが冷凍できるとは76年も生きて来て知らんかったなあ」 野菜ソムリエプロが教える冷凍&活用アイデアが328万再生
  7. /nl/articles/2404/17/news117.jpg 「虎に翼」、壮絶過去演じた16歳俳優に注目の声「違国日記の子か!」 「ブラッシュアップライフ」にも出演
  8. /nl/articles/2404/17/news025.jpg 築36年物件の暗くてボロいトイレをリメイク→ぐーんと垢抜け! 驚きのビフォアフに「すごいですね!」「天才」の声
  9. /nl/articles/2404/15/news081.jpg 【今日の計算】「13+8×2−11」を計算せよ
  10. /nl/articles/2211/26/news054.jpg 辻希美&杉浦太陽、15歳迎えた長女のレアな“顔出しショット”でお祝い 最近は「恋バナ」で盛り上がることも
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」