若さってなんだ? それは宇宙刑事のことだ「宇宙刑事魂」レビュー(1/2 ページ)

20年以上も前に放映されたにもかかわらず、一部ではまだまだ人気が衰えないメタルヒーローシリーズが、ゲームになって帰ってきた! 店頭デモなどで熱くなった人もいると思うので、気になる中身を見てみよう。

» 2006年06月14日 17時02分 公開
[篠崎薫,ITmedia]

宇宙刑事シリーズとは?

宇宙刑事シリーズは、今から20年以上も前に放映されていた番組。それが現代に復活するとは、驚きの世の中

 1982年から放映が始まった“宇宙刑事シリーズ”。現在ではほかの東映制作特撮ヒーローアクションドラマシリーズの総称としてメタルヒーローシリーズと呼ばれ、一部では熱狂的なファンを持つ。思い入れがある年代というと、現時点で30歳前後の人たちだろう。現に、周りにも宇宙刑事シリーズの話をさせると止まらない人が何人もいることから、特定の人には強烈な印象を与えていたと思われる。残念ながら当方はその当時、TV視聴は1週間に2番組のみしか許可されていなかったという、不幸な目に遭っており、宇宙刑事ギャバンの歌や簡単な内容を覚えているに過ぎない。そこで今回は、宇宙刑事シリーズが大好きだという、知人のプレイ感想を交えて、その内容を伝えていこう。

 タイトルに“宇宙刑事魂”とあるように、本作には宇宙刑事シリーズとして放映された「宇宙刑事ギャバン」、「宇宙刑事シャリバン」、「宇宙刑事シャイダー」の3作品が1本のゲームに収録されている。とはいえ、メインとなっているのは、あくまでも「宇宙刑事ギャバン」。ストーリーモードでは、放映された番組を追っていくようになっている。

最初のデモ画面で、一番おいしいところを流しているセンスはさすが。このあたりからすでに、制作者の愛が伝わってくる

 簡単に宇宙刑事ギャバンのストーリーを解説すると、宇宙犯罪組織マクーの魔の手から地球を守るために、銀河連邦警察より派遣された地球担当の宇宙刑事・ギャバンが、次々と起こされる犯罪活動を防止するために毎回戦う……となっている。宇宙犯罪組織とか、銀河連邦警察とか、地球を狙うわりには日本でばかり活動しているとか、今では色々と突っ込みたくなってしまう部分が多々あるが、そんなことを言ってはいけない。当方のプレイが終了したところで、知人にゲームを渡して遊んでもらうことにした。ディスクをセットしてロードが終わるとオープニングが始まり……「おおぅ、すげえ! いきなり変身シーンが入ってるよ!」と大騒ぎしたと思ったら、オープニングに合わせて歌い始めるというノリノリっぷり。ご機嫌で「若さってなんだ 振り向かないことさ」と歌っている横で1人、そんなのが若さの定義? と言いたくなるのをこらえ、じっと観察。

これだけ似ていれば、迫力もあるというもの。プレイする方としては、こういった細かい部分が気になるものだ

 よく見ると、ムービーに登場しているキャラの顔が、どれもこれも非常に似ているのに気が付く。これは当時の出演者を写真に撮って、そのままポリゴンのテクスチャデータとして貼り付けているから(手作りした人もいる)。実際に放映された映像をしっかり覚えているわけではないものの、このリアルさは一見の価値ありだろう。それにしても、オープニングだけでここまで盛り上がれるすごさというか、ファンを虜にさせた番組の勢いには驚くばかりだ。調べてみたところ、平均視聴率13%台を叩き出していたという話もあるらしく、それを考えると単なる子供向け番組と言い切れないのかもしれない。

すべてがリアルに作られているのに感心

難易度は、最初に変更しておくのが吉。ハードにしても、それほど難しくはないと感じたので、問題ないはず

 オープニングが終わると、モード選択画面へと移る。ここでは最初から出現しているギャバンモードのほかに、3人の宇宙刑事の共演が見られる「宇宙刑事魂モード」、次々と出現する敵を倒していく「サバイバルモード」、ゲーム中に登場するキャラを操作して1回戦のみを戦う「バトルロイヤルモード」が選択可能だ。なお、これら以外に「オプションモード」と「お宝映像モード」があり、オプションでは難易度を変更できる。デフォルトはノーマルだが、ハードにしないと各ステージごとの評価で、最高ランクのAをゲットすることができない。あらかじめ変更しておくのがいいだろう。


確かに冷静に考えるとシャコで怪人とは……と思うのだが、意外にかっこよく見えてしまうから不思議だ

 まずはギャバンモードを選んでスタート。ギャバンが地球へ赴任する課程をムービーで説明してくれるのだが、ここでも知人は大騒ぎ。「魔空城のドン・ホラー、懐かしいねー。コム長官がいるよー。シャコモンスターじゃん。たまんねー」とご満悦。

 ムービーが終わると、いよいよ戦闘シーンに入る。操作は非常に簡単で、□ボタンを連打していれば、近くにいる敵へ自動的に接近して攻撃してくれる。特撮ものでは、主人公が華麗に敵をなぎ倒すのがお約束だが、それを忠実に再現するシステムを採用しているといえる。これが、なかなか気持ちがいい。敵が防御しない限り当たり続けるので、うまくいけば99Hitも不可能ではない。とはいえ、画面外の見えない場所から敵が飛び道具を撃ってダメージを与えてきたりするなど、なかなか手強いのも確か。

前後左右へ瞬間的に移動して、攻撃をしてくれる。これがなかなか楽で爽快

しかし、知人に言わせると「そんな細かいことはどうでもよく、この雰囲気の中に身をおけるのが最高なんだよ」と、一笑に付されてしまった。そう言われると、だんだんそんな気がしてくるのが恐ろしい。とりあえずザコを倒していると、当時のセル画をスキャンして使っていると思われるアイキャッチが挿入される。今では貴重品と思われる映像が、こうして惜しげもなく使われているのを見ると、実は資料的価値もあるのでないだろうか。


画面外からのアタックなどは当たり前。それもゲームの一部として認識すれば、問題ないということなのかもしれない?
前半と後半では、このようにアイキャッチも違う。ちょっと色あせているのが、よりいっそうリアルに見せている

「魔空空間に引きずり込め!」のかけ声の後、派手な演出が入り、地球が逆回転する。これでブラックホールに似た魔空空間ができるとは、地球が凄いのかもしれない

 そしてステージ後半。出現したシャコモンスターとの戦いに入るのだが、一定量のダメージを与えると魔空城に場面が切り替わり、ドン・ホラーの「魔空空間にひきずりこめ!」のセリフとともに地軸転換装置が発動。地球が逆回転すると同時に、順番に魔空空間へと落ちていってしまう。なにやら地軸転換装置が爆発しているので、なぜ? と知人に教えを請うと、「あまりにもパワーがありすぎるから爆発するんだよ」とぞんざいな答え。それでも、終始ニヤニヤしっぱなしなのが怖い。そもそも、魔空空間って何? との質問には「怪人がここにくると、3倍のパワーを発揮することができる」と教えてくれた。にも関わらず、さすがヒーローである。画面には怪人をあっさりと倒している主人公がいた。しかも、変身せずとも圧倒。

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