アニフリの開発チーム、Actoz Soft「Studio Stone」は取捨選択を間違わない「アニス&フリッキー」韓国メディアツアー(その5)(1/3 ページ)

メディアツアー最後を飾るのは本作の開発チームでもあるActoz Soft Studio Stoneのメンバーへのインタビューをお届けしよう。設定資料なども合わせて魅力を紹介する。

» 2006年08月22日 04時04分 公開
[加藤亘,ITmedia]

 「アニス&フリッキー」は、“キューブスペース”と呼ばれる仮想の空間を舞台に、バグに侵された世界を救うため戦うアクション性を特化したMMORPGである。タイトルにあるとおり、プレーヤーはアニスかフリッキーとなりバグによって汚染された電脳世界を救うために旅立つことになる――。

 今回インタビューに答えてくれたのは、Actoz SoftのCEOチェ・ウン氏に熱意を認められた「アニス&フリッキー」(以下、アニフリ)を開発するStone studioマネージャーのイ・セミン氏、ゲームデザイナー長のキム・サンユン氏、イラストを担当するキム・シンソク氏、サーバープログラマーのチェ・ウォンスン氏、そしてプログラマー長のダニエル・チェ氏(写真左から)。

―― チェ社長からイ・セミンさんの熱意が開発のGOサインを出させたと聞いたのですが。

イ・セミン 裏打ちされた技術も大切ですが、ゲーム作りには熱意が必要です。開発を始めてから2年が経とうとしていますが、似たようなゲームが実に多いと思っていました。そんな同じ世界観から脱却をしたかったんです。こうしてキム・サンユンと呑みながら思いついたことを話したことを企画として出しました。でもそれからずいぶん悩むわけですけどね。

―― なにか影響を受けたものなどはあったんですか?

イ・セミン それこそたくさんの影響を受けていますが、参考になっているのは映画の「キューブ」と「マトリックス」ですね。アイディア自体は、たくさんのゲームや映画や漫画などを見たその蓄積を経て、一瞬のうちに思い浮かんだんです。

―― 当初は何人くらいから開発は始まったんでしょうか?

イ・セミン 2004年9月1日にアニフリの開発チーム「Stone studio」が立ち上がったのですが、その時点で10人〜12人でした。その時から現在あるアクション性を特化したコミカルな要素というのは変わっていません。というか、その時点では今よりもいろいろ盛りだくさんだったのですが、現実化していくに従ってそぎ落としていった感じです。アクション部分は実現できたので、今後はPvPやレース部分を詰めていきます。当時に比べたら人数も増えていますが、サウンドとムービー部分に関しては外部に委託しています。今後はこのへんも充実できたらと考えています。

―― アニフリならではの要素を挙げるとしたらなんでしょうか?

ダニエル・チェ これまでにないアドベンチャー要素が入っていることでしょうか。

チェ・ウォンスン それはスリルではないでしょうか? ユーザーにとって次に何が起きるか分からないという部分で足踏みをしてしまうかもしれませんが、それこそ意図するところで、即断即決しなくては足場がなくなってしまうかもしれない。そういう緊張感が長所となっている。手に汗握るMMORPGなんです。

キム・シンソク キャラクターの原画を担当していますから、やはりオススメは既存のゲームにはない、キャラクターの個性ではないでしょうか。よくある8頭身でかっこいいキャラではないけど、ユーモアがあるけどちょっと毒もある――。韓国でいうところの“猟奇的”というやつです。アイテムとかキャラクターの着るスーツにも独特なものがあると思います。

キム・サンユン 根本的にシステム自体が独特なんです。フィールドが6面体のキューブでできていて、メインロビーすらそうなんです。そしてなによりこれまでのゲームにないのは移動の課程にアクションがあるという点です。移動自体に楽しみを見いだせるMMORPGというのはなかなかないでしょう。

イ・セミン デモプレイを見ていただきましたか? これまでのゲームよりも躍動的で力強かったでしょ? 新しいゲームのやり方を見つけ出したと自負しています。フィールドを移動していて、たとえば他者が自分が飛び越えた障害物を外し落ちたとしますよね。それを見た時、どういう感覚が芽生えますか? 自分が誰よりも早くゴールした時の達成感や優越感、そしてレースなどでの勝負欲なども与えてくれます。オンラインだからこその感覚を提供できるのです。また、アニフリはRPGはRPGでも、そのジャンルを「X-RPG」としているようにスケボーに乗るような躍動的なイメージなんです。これまでのRPGは静的な部分が多かったように思います。そういった意味でもコンセプトから他とは違うんです。


―― キャラクターは当初から同じコンセプトでしたか?

キム・シンソク ええ。企画が動きだした時から“猟奇的”であり“コミカル”なキャラクターでした。やはりゲームシステムも今までにないものを目指していましたから、キャラクターも既存のものとは異なるものにしたかったんです。あえて変化したものといえば、“かわいさ”をプラスしていったことでしょうか。キャラクターへの反応はさまざまでしょうが、今までにないキャラクターになったと自信があります。

キム・シンソク氏の仕事の一例。このように日本向けイラストなどを手付けしていく

―― ではアクションゲームをオンラインで動かすのにシステム上難しいことは?

ダニエル・チェ これまでのRPGにはアクション部分があまり活かされていないので、さまざまなプロトタイプを作りテストを行いました。現段階ではほとんどアクション部分に関しては完成しています。不足している部分は修正しているといったところです。


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