「斬る」、「撃つ」、「タックル」の3拍子を楽しもう――やり込み重視の爽快アクションがPSPに見参「バウンティ・ハウンズ」レビュー(1/2 ページ)

東京ゲームショウ2005にて体験版が配付された後、約1年の沈黙を守り続けてきた本作。PSP用オリジナルアクションとしての完成度は果たして? その実力に迫ってみよう。

» 2006年10月03日 00時00分 公開
[板橋舟人,ITmedia]

 ナムコが手がけるPSP用オリジナルアクションの「バウンティ・ハウンズ」。開発を担当するのは「ソーサリアンオンライン」などを手がける台湾屈指の実力メーカー、XPEC Entertainmentだ。本作は完全新作なれど、世界観やストーリーは、ナムコ製ゲームでおなじみのUGSFを中心として構築されるなど、往年のファンにはなじみ深いものになっている。

 ちなみにUGSFとはナムコ製のゲームに登場する架空の軍隊で、正式名称を「United Galaxy Space Force(銀河連邦宇宙軍)」という。「スターブレード」や「ギャラクシアン3」といった硬派なアーケードゲームを中心に登場し、最近では「ミスタードリラー」でも語られている。

 本作は、このUGSFとETI(地球外知的生命)との戦いが描かれる。またコンセプトアートの製作には、映画「ブレードランナー」や「エイリアン2」を手がけたシド・ミード氏が参加しており、非常に硬派な世界観を構築している。

 プレーヤーであるマキシミリアンは、UGSFに雇われた傭兵という立場。数人の部下を引き連れ、未開の惑星探査やEITの排除など、UGSF正規軍が嫌がる仕事をこなしていく。いきなり巨大生物に襲われたり、上層部の陰謀に巻き込まれたり……と、なかなかにアグレッシブな展開が待ち受けている。また、往年のナムコファンにはビビッと来る“ゾルギア”などの単語が登場し、ファンには思わずニヤリとしてしまう仕掛けも用意されているのだ。

 ゲームシステム自体は、ランダム作成されたマップを探索し、目的地に到達することが目標という、至極単純なもの。出口がミニマップ上に矢印で表示されるため、ほぼ迷うことはないのはありがたいポイントだろう。

photo 主人公マキシミリアンはベテランの傭兵。とある惑星に降り立ち、調査を行うこととなる
photo イベントシーンは、独特のタッチで描かれたイラストが3D風(紙芝居的?)に表示される。やや新鮮な感じを受ける

携帯ゲーム機の性能を越えた驚異の映像

 プレイを始めて、一番衝撃を受けたのがその映像だ。主人公の剣や白い防具は淡く輝き、マップの奥のほうはぼやけて見えにくくなるなど、次世代ゲーム機風の映像表現を実現している。

 キャラクターのモデリングはていねいに作られており、装備した武器や防具によって、主人公の見た目もしっかりと変わる。また戦闘シーンでは多数の敵キャラクターが登場し、各種エフェクトも派手だ。“これは本当に携帯ゲーム機?”と思うほどクオリティは高く、映像面だけでも、プレイしていて気持ち良さを味わえるのは特筆したい。さすがに最新の据え置きハードと比べるのは酷だが、携帯ゲーム機として考えれば、トップクラスであることは疑いようがないだろう。

photo 携帯ゲームとは思えないほどの映像クオリティを誇る本作。背景はちょっとのっぺりしているが、それはご愛嬌(あいきょう)ということで
photo エフェクトもかなりド派手。多数の敵をまとめて吹っ飛ばすその様は、爽快(そうかい)感バツグンだ

 では次に、実際のゲームプレイに触れていこう。本作は3Dのアクションゲームで、3Dに構築されたマップ上での戦闘が、プレイ時間の大半を占める。そのため戦闘アクションは、本作における非常に重要なファクターだ。

 主人公マキシミリアンは、右手と左手に、それぞれ異なる武器を装備できる。また予備の武器として、さらに両手に1つずつの武器を所持することが可能だ。実際の戦闘では、合計4種類の武器を戦局に応じて使い分けながら戦っていくこととなる。

photo 左手に所持している、トゲトゲな武器がハンマー。威力は高いが攻撃速度は遅い

 本作は武器の種類が非常に多く、近距離用としてスタンダードな武器である「ソード」、巨大な手裏剣のような武器「スライサー」、巨大な槌で重い一撃を与える「ハンマー」などが用意されている。遠距離用には単発式の「ショートガン」、雨のように弾丸をばらまく「ガトリングガン」、周囲に巨大なダメージを与える「ビッグガン」など。これらはすべて攻撃モーションや攻撃速度、銃の場合は残弾数などが異なり、バリエーション豊かな攻撃方法が楽しめる。

 例えば近接武器のソードは、スタンダードな武器なため、攻撃速度が速いという特徴を持つ。ただし、連続攻撃の最後の一撃はやや硬直時間が長く、スキが発生してしまう。この時、もう一方の手にショートガンを装備し、連続攻撃の最後だけを硬直時間の短いショートガンで攻撃すれば、次の攻撃に素速く移れるというメリットが発生するのである。

 もちろんこれはほんの一例で、逆に最後の一撃をダメージの大きい武器で攻撃してトドメを刺したり、銃だけを使って遠距離からバシバシ撃ちまくる攻撃も可能だ。自分の好きなプレイスタイルを模索し、そのスタイルで戦えるのは非常に楽しいだろう。

 本作の魅力は、これらの武器の組み合わせによる攻撃にある、といっても過言ではない。攻撃の方法は、左手による攻撃が□ボタン、右手による攻撃が○ボタン。またRボタンを押しながら□または○ボタンを押すと、押したほうの腕の武器が、予備の武器と入れ替わる仕組みとなっている。

photophoto まずは、左手に装備したスライサーで攻撃。目前の敵をある程度ザクザクと切り刻んだら……右手のショットガンでトドメ! こんな感じで、効率がよいばかりではなく、スタイリッシュな戦闘アクションを楽しめる

 加えて、敵の耐久力も少なめに設定されているため、多数の敵をまとめてガンガン倒す爽快(そうかい)感はかなりのもの。ただし、戦闘における戦略性がないのかというと、そういうわけでもない。敵の攻撃力は比較的高く、また数が多いため、いかに素早くかつ多くの敵を倒せるかが重要になる。多数ある武器を取っ替えひっかえ試し、自分にとってどの戦い方が最適かを模索するのは、かなり楽しかった。

 またステージの最後にはボスも登場する。こちらはザコとはうって変わって攻撃力、耐久力ともに強力だ。ザコ戦とは違った戦い方が必要になり、やや単純になりがちな戦闘での良いアクセントになっている。

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