ちょっと「ちょっとショット」について聞いてみた(1/2 ページ)

11月2日に発売を控えた「ちょっとショット」。PSP専用カメラだけではなく、こちらには撮影した画像や映像を編集する「ちょっとショットEdit」が同梱されている。「ちょっとショットEdit」の開発に携わったSCE長井氏にどのように“アソビが変わった”のか聞いてみた。

» 2006年11月01日 00時00分 公開
[聞き手:加藤亘,ITmedia]

PSPのでかい“画面”と“頭脳”がコンセプト

ソニー・コンピュータエンタテインメント
JAPANスタジオ制作2部アソシエイトプロデューサー
長井伸樹氏

―― まずは純粋に、なぜ“こういうの”を作ろうと思ったのでしょうか?

長井 PSPをゲーム機に留まらないものにしたいという考えの流れで、さまざま開発がなされていました。昨年秋から「アソビが変わるぞ」というキャンペーンの一環として、今までネット周りやゲーム機として普及していたものを、新しい遊び方の提案をしてみよう、ということでGPSとカメラの発売が決定されました。こうして「ちょっとショット」が誕生することになりました。

―― 「ちょっとショット」の名前はどのように決まったんですか?

長井 ものすごく名前を決めるのに時間がかかったんです。今までで一番かかったんじゃないでしょうか? 紆余曲折あって、それこそ真面目なものからふざけたものまで、ものすごくアイディアが出た。

―― 長井さんがその中身となる「ちょっとショットEdit」の製作に取りかかったのは?

長井 今年の春頃ですかね。以前、「バイトヘル 2000」というタイトルを担当しておりまして、それが終わってひと段落した頃、次のネタを考えていたんです。その時、次はカメラがあれば面白いよね、なんてフタッフと話していました。それが合致して、「ちょっとショットEdit」を作ることになったんです。編集ソフトの中でも新しい、変わったものを作れと言われました。お前らのところなら(変わったものが)できるだろう、と言われて(笑)。

紆余曲折を経たPSP用カメラ

―― まずカメラで何をしようと思ったんですか?

長井 まず、「ちょっとショット」の利点はなんだろうと考えた時、デジカメや携帯のカメラがあふれている世の中で、PSPで何をするんだろうと考えました。そして結論は、“大きな液晶画面”と“PSP内に搭載された脳みそ(CPU)”が付いていることだろうと。この2点を活かし、さらに「バイトヘル2000」で出ていたカメラのネタなども入れ込んでみたのが「ちょっとショットEdit」だったんです。

―― 「バイトヘル 2000」の元ネタってなんですか?

こちらがその証言ビデオ風に編集したもの。モデルは長井氏

長井 「ちょっとショットEdit」の中に“証言ビデオ”風に編集できる仕様があるんですが、それはまさにカメラを使ってやりたいと考えていたものですね。テンプレートのいくつかにアイディアは生きています。そもそも「バイトヘル2000」はゲームだけじゃない“ドウグ”と呼ばれるツールでも遊べたのですが、その1つとしてあってもいいんじゃないかと検討していたんです。そういう遊びみたいなものを押し広げて、もっといろいろできるんじゃないかと。

―― 企画を渡された時、デジカメや携帯など既存のカメラに対抗することを考えましたか?

長井 考えたのですが、逆に対抗するよりもこれ(PSP)を活かすにはどうすればいいのかを主眼に置いていました。だから、そこではあまり悩んでいません。早めにコンセプトを固められましたし。

―― 131万画素と聞いてどう思いました?

長井 最初少ないかなと思ったんですが、実際中に入れてみるとコンセプト的にもPSPで見るということからも、別に気になりませんでした。仮に、300万画素あったとしても、それはPCで見たりプリントしないとその威力を発揮しにくいですよね。また、ソフトを作ってみるとすぐに分かったんですが、画素数が多いと画像処理に時間もかかり、作業処理効率を落とす面もありますから。

くるっとタテ方向に180度回転する。自分撮りも画面見ながら楽々

―― 「ちょっとショット」のマイクであったり、180度回転はどのように決まったのでしょうか?

長井 マイクは動画を撮るには当然必須だろうと考えました。カメラが180度回転するのは、構えたときにファインダーを見ながらできるようにです。やはり画面を見ながら自分撮りなどもしたいですよね。広角撮影時も、近距離でかまえても顔が全部入るのが重要と考えました。

―― 特に誰に触ってほしいですか?

長井 どなたでもお楽しみいただけますが、大学生から20代前半の方ですかね。機械に対する探求心のある方に遊び倒してほしいです。また、お子さんもデジカメ代わりに遊べるでしょうし。

―― プリクラのようなフレームであったり、女性や子供にもアピールできているように思うのですが。

長井 東京ゲームショウに参考出展した際、子供の反応がよかったんです。ご家族で撮りたがったりされて。その原因は、テンプレートといった“ネタ的なもの”で操作が易しく見えるからだと思うんです。実際に中身は本格的に凝ったものもできるのですが、それをそのまま操作メニューの外見に出して堅いままにすると受け入れられないんじゃないかと想像してただけに、うちのチームだからこそ「PSPとカメラ」のとっつきのよさを出せたんじゃないかな、と思っています。

―― 「ちょっとショットEdit」をどういうシチュエーションで使ってほしいですか?

長井 最近、結婚式があって2次会の幹事を引き受けたんです。ちょうどマスターアップの次の日で。披露宴の出席者からコメントをもらって、それをその場で「ちょっとショットEdit」で編集して新郎新婦への証言ビデオにしてみました。さらにこれをAVI形式に変換してプロジェクターで上映したところ、非常にウケがよかったですね。あと、子供と外に遊びに行ったり、買い物に連れていったりして、その様子を撮影して、ウチに帰ってからみんなでゴロゴロしながらPSPの大きな液晶画面で見る……なんて家族的にもいいシーンを演出できるんじゃないでしょうか?

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