爽快な戦闘システムと、充実したシナリオに自然と引き込まれる「CABAL ONLINE」レビュー(2/2 ページ)

» 2006年12月21日 16時03分 公開
[麻生ちはや,ITmedia]
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ストレスを感じさせない戦闘とレベリング

画像 新しいクエストを依頼してくれるNPCは、頭上に巻物アイコンの浮かんでいる

 「CABAL ONLINE」の特徴と魅力は、クエストを中心とした成長システムにある。NPCが依頼してくるクエストには、モンスターを一定数倒したり、特定のドロップアイテムを集めるお使い系のほか、消えてしまったウィザードの少女の謎を解くなどストーリー仕立ての2タイプが用意されている。クエストはレベルが上がったり、前提条件のクエストを完了すると次の新しい依頼が知らされるので、ほとんどがその時々の適正レベルの内容だ。

 また、このクエスト完了時にもらえる経験値が大きく、複数のクエストをこなせば、序盤はそれだけでレベルがサクサクと上がっていく。レベル20ぐらいまでなら、プレイ時間をあまり取れない人でも2日で到達できるだろう。

 回復系アイテムを買うゲーム内通貨も、モンスターが落とす装備品で自分のキャラクターが使えないものを売り払えば、資金にはほぼ困らない。ただ経験値と資金を得るためだけに、黙々とモンスターを倒し続けるといった作業的な負担が軽減されている点は、高く評価したい。

画像 クエスト報酬で得られる経験値は序盤から1000前後と、かなり美味しい。レベル15前後で受けられるクエストには、1万を超える経験値がもらえるクエストもあるのだ
画像 中にはインスタンスダンジョンに入り、制限時間内に敵を倒したりNPCを会話で説得するクエストもある。失敗すれば経験値を失うペナルティがあるので緊張する
画像 特定の場所やNPCを訪問する必要があるクエストでは、マップ上に「イベント」アイコンが記されるので、初めての内容でも道に迷う心配はいらない

 戦闘も冒頭で述べたとおり、シンプルな操作ではあるが、攻撃スキルを上手に組み合わせれば1ランク上の敵にも挑戦可能。スキルは使えば使うほど、経験値とは別にスキルポイントがたまり、これを割り振ることで特定のスキルを伸ばすことができる。スキルスロットには上限があるため、一度覚えたスキルを泣く泣く手放すこともあるが、それもまたキャラクターの成長段階における楽しみなのだ。

 また、レベル10になった時点で「昇格一番目の資格」を受けると「コンボ」の仕様が可能に。攻撃中にコンボを発動させると画面にコンボゲージが表示され、そのバーのタイミングに合わせてスキルを繰り出すことでスキルの攻撃モーションが早くなり、短時間で勝負をつけられるというわけだ。しかしこのコンボゲージの動きは予想以上に早く、何度練習しても1コンボが限度。最初は各町のそばに設置されている「トレーニングダミー」で練習した方が良いだろう。このコンボを使いこなせるようになったら、かなりの「CABAL ONLINE」上級プレイヤーである。

画像 ソードス、フォース、特殊、アップグレードなどのカテゴリに分かれているスキル。それぞれ空きスロットに上下があるため、全てのスキルを習得できるわけではない
画像 レベル10でかつ、3つのステータス値が要求される「成長目標」に達していれば、コンボスキルを習得するクエストに挑戦できる。ウォーリアならすぐにクリア可能だ
画像 ゲージの動きはかなり素早く、コンボを成功させるのは、思ったよりもかなり難しく感じられた。ゲーム慣れしたユーザーには、意外に何ともないのだろうか……?

生産やエンチャント、国家戦など中級〜上級プレイヤー向けのコンテンツは豊富

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 戦闘以外の部分でも「CABAL ONLINE」は非常に充実している。生産システムには回復アイテムや一時的に攻撃力などを上昇させる、消耗品を作成可能な「一般製造」、武器や防具を作り出す「特殊製造」の2種類があるが、最低でもレベル50以上を要求されるため、中盤以降に挑戦する内容だろう。また、レベル95以上になれば「カペラ」か「プロキオン」のどちらかに所属するためのクエストが提示され、国家戦という名のRvR、PK行為が可能だ。国家戦のPK行為には特にペナルティがなく、勝てば名誉ポイントを獲得できるメリットがある。

 「CABAL ONLINE」ならではの特徴として、この国家戦が可能なチャンネルあるいは特定のエリアで敵対国家のキャラクターに出会うと、相手の名前はIDで表示され、ささやきや一般会話を行っても文字列で表示されてしまい、何を言っているのかお互いに意思の疎通は図れないという点だ。命ごいをしてもむだ……というシビアさもあるのだろうが、プレーヤー同士が感情的になって暴言を吐いたり、特定のプレーヤーに嫌がらせ行為を働くといったマイナス部分も緩和されるため、ユニークかつ実用的なシステムといえる。

 2006年7月にオープンβテストが開始された本タイトルだが、すでにコミュニティもしっかりできあがっており、難易度の高いエリアへのパーティーを募集するプレーヤーもよく見かける。各町をつなぐワープゾーンには、いつもプレーヤーの変わりに露店を出してくれる、メイドさんとウェイターさんがズラリと並んでおり、装備品やアイテムもわりと簡単に手に入りやすい状況だ。

 飽きを感じさせないテンポの良い戦闘システム。ストーリーを追いかけているうちに、自然に次のレベルが見えて来る豊富なクエスト。仲間の力を借りられないインスタンスダンジョンで挑戦する緊張感溢れる力試しなど、「CABAL ONLINE」は従来のMMORPGでは薄かった戦う面白さを提供しつつ、操作性やインタフェースは初心者でも直感でプレイできるスマートさを備えている、なかなか質の高いタイトルだ。この冬ちょっと試してみるのはいかがだろうか?

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