強烈キャラが大集合! 「ファイターズヒストリー」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(4/4 ページ)
ミナミの街から世界へ飛び出す!
ところで、このストーリーに出てくるタコのオブジェだが、東京ではこういうものをあまり見かけないだけに、世界を飛び回って探すほど大事なものなのかどうか、今ひとつピンと来ない。
そこで、このストーリーの雰囲気をつかむため、ふらっと道頓堀まで行ってきた。
道頓堀には何度か来たことがあるので、かに道楽のカニ、づぼらやのフグ、くいだおれ人形といった有名どころは知っていたが、探してみるとほかにもあるわあるわ。エビス様とか鬼とか、大小さまざまな店頭ディスプレイが並んでいる。タコのオブジェも実際にあった。
「浪花快男児篇」には出てこないが、ほかのモードで溝口と戦うステージの背景には、通天閣によく似た塔が立っている。そこで、実際に通天閣まで行って、景色を見比べてみた。
行ってみて驚いたが、むしろこっちの方が、ゲーム内でのミナミのイメージに近い。フグやエビス様のほかに、巨大な鶴亀、串カツ、ビリケンさんなどが、所狭しとひしめき合っている。
「溝口危機一髪」の発売より後に作られたものもいくつかありそうだが、いずれにせよ大阪ではこのような巨大ディスプレイが定着しているようで、溝口がタコのオブジェのことを、「浪花のシンボル」、「大阪人のハート」と称したのも、わかるような気がする。
さて、消えた男の行方を捜す溝口だが、その後のストーリーはかなり強引だ。
溝口はなぜか、「女が変装して男になりすましている」と推理し、「デカいものが嫌いな女」であるリョウコが犯人と予想。東京にあるリョウコの高校に乗り込む。
ここでリョウコと戦って勝ったら、なぜか情報を持っているリョウコが、タコはロシアに運ばれたと教えてくれる。
溝口はロシアに向かい、カルノフと戦うが、カルノフの持っていたタコは、瓶詰めの漬け物だった。
以後この調子で、中国に行ってリーやフェイリンと戦い、ケニアでザジィと戦い、ジャンの自家用飛行機から韓国で振り落とされてヨンミーと戦い、ヨーロッパでクラウンと戦う。
しかしここで行き詰まり、浪花一番のおやじに新しいタコを作ってもらおうと思ったところで、謎の男が突然登場! その正体は何と、かつてその設定が危なすぎて物議をかもした、あのチェルノブだ! 「グニャグニャのハリボテが嫌い」というだけの理由でタコを盗んだチェルノブとの、最終決戦となる。
ごっつい連中がよみがえるかもしれない
溝口には「ダイナマイト」以降、新しい必殺技が加わった。虎流砕の強化版「通天砕」と、タイガーバズーカの強化版「ごっついタイガーバズーカ」だ。
通天砕は対空技として役に立つ。ごっついタイガーバズーカの方は、技が出るまでに長い時間がかかるものの、当たればたいへん強力。相手がピヨっている間に出せば、大ダメージを与えることができる。
つまり、ごっついタイガーバズーカが加わったことにより、相手の弱点を攻撃することの重要性が増したのだ。
ただし難点が1つある。ごっついタイガーバズーカを出すコマンドは「下、右下、右、ボタン4つ押し」で、通天砕は「左、左下、下、ボタン4つ押し」。よく似たコマンドなので、意図しない方の技が出てしまいやすい。
タイガーバズーカと虎流砕にも同じことが言えるが、「ごっつい〜」はかなり特殊な技なので、誤って出ると非常につらい。通天砕を出そうとして「ごっつい〜」が出てしまうと、技が出る前に攻撃を食らってしまうのだ。
もっとも「溝口危機一髪」では、「ボタン4つ同時押し」をRボタン1つで代用できるので、「ダイナマイト」よりは出しやすくなっている。
「浪花快男児篇」のエンディングでは「ミゾグチの闘いははてしなくつづく……」と表示されるが、これ以降、「ファイターズヒストリー」の新作は出ていない。そもそもデータイースト自体が、2003年に倒産してしまった。埋もれさせるには惜しいキャラが多いのだが……。
現在、「ファイターズヒストリー」の版権は、携帯電話アプリで知られるジー・モードが持っている。
実は昨年、ジー・モードとSNKプレイモアが、「餓狼伝説」15周年を記念して、「餓狼伝説」と「ファイターズヒストリーダイナマイト」のキャラクター相互利用契約を結んだ。したがって今後、SNKプレイモアの新作ゲームに、溝口やサムチャイなどが登場する可能性が高い。
一方ジー・モードの方では既に、「餓狼伝説VS.ファイターズヒストリーダイナマイト」というアプリを、今春リリースすると発表している。今の時代にあの強烈キャラたちが、どのように受け入れられるのだろうか?
もっとも溝口などは、時代を超越したキャラといった感じがする。普通に「41歳の高校生」として登場するかもしれない。
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