Wiiでやわらか、Miiでにぎやか――ニンテンドーDSで好評を博したあの塾が、今度はWiiで開塾「Wiiでやわらかあたま塾」レビュー(2/2 ページ)

» 2007年05月29日 16時55分 公開
[仗桐安,ITmedia]
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パーティープレイでにぎやかに脳を活性化

 1人で黙々と脳をやわらかくするのもいいけど、せっかくだからみんなで脳をやわらかくしちゃおう! というわけでWiiならではの多人数プレイを、ぜひぜひやってみてほしい。Wii発売当初からパーティーゲーム、複数人でプレイして面白さが倍増するゲームというのは多く存在したが、本作もなかなかどうして、大勢でやった方が面白いモードが用意されている。

 画面上の「1〜8人まで」というところを選択すると、たいせんレース、きょうりょくサバイバル、どきどきパネルという3つのモードを選べる画面になる。

 たいせんレースでは1〜4人の塾生チームVS誰かの塾生ブック(各塾生のデータが入っている)か、2〜8人を2チームに分けての対戦が可能。前者ならWiiリモコン1つ、後者ならWiiリモコンを2つ使う。前者の場合、塾生ブックを相手にするということは、その塾生が優秀なデータを持っていれば持っているほど強敵だということになる。“この人ならこれくらいの速さで解く”というのをデータから割り出した相手に対して、プレーヤーたちは交代で問題を解きつつ早解きで勝たなくてはならない。これが実際にやってみて誰かの塾生ブックに負けるとかなり悔しいのだ。「俺ら2人が束になっても、アイツには勝てないのか…」と落胆したり、勝った時には本人がいなくても「アイツに勝ったー!」と喜んだり、実にシンプルに勝負の面白さを味わうことができる。もちろん2チームに別れてプレイしたときの勝敗に対する一喜一憂はそれ以上だ。ぜひ各人のMiiを登録してガチンコで勝負をやってみてほしい。

画像画像画像 塾生ブックとのバトル、チーム対抗でのバトル、どちらもアツい!

 きょうりょくサバイバルは、プレーヤー同士が協力しながら、どこまでミスをせずに進めるかを競うモード。最大8人まで参加できるこのモードでは、問題のジャンルやレベルを選び、いざプレイ。何問かずつでプレーヤー交代の指示が出るので、その通りに交代していき、誰かがミスったらそこでゲーム終了、という流れだ。もちろんなるべく長く続いた方がいいわけで、ミスをしてしまったプレーヤーは「こらー!何やっとんじゃー!」の洗礼を浴びることになる。対戦ではないけれども、確実にパーティー向きな、わいわいと遊べるモードだ。

 どきどきパネルは、3×4のパネルを2〜4チームで次々と開けていき、パネルに書かれた問題をそれぞれが解いていくというモードだ。各パネルは開けてみるまで難易度が分からないので、得意分野だと思ってあるパネルを選択したら鬼のような難易度だったり、何の気なしに選んだパネルが難易度が低い問題だったりと、運の要素も絡んでくる。各問題で得た得点を総合してどのチームが勝利したかが決まる。最後の最後まで逆転の要素をはらんでいるので、これも大勢でやれば盛り上がることは間違いない。このモードにのみ収録された問題もあるので、ぜひぜひトライしてみてほしい。

画像画像 パネルを制していくとパネル内にMiiが置かれていく。全てのパネルが埋まったらゲーム終了だ

一筋縄ではいかない珠玉の問題をあなたに

 各ジャンルにはさまざまな問題が用意されている。その一部をここでご紹介しよう。いずれもレベルが低いうちはどうってことないが、レベルが上昇するにつれ、確実に頭をパニクらせてくれる楽しくも難しい問題ばかりだ。

ジャンル:直感(推測しゃしん)

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 徐々にモザイクが薄くなっていく写真を見て動物を当てるもの。さまざまなバリエーションが存在する。共通して言えるのは、その場の瞬間的なひらめきでどれだけ速く答えられるかが評価に直結する問題だということだ

ジャンル:記憶(さかさ記憶)

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 画面上部に左から順にアイコンが表示される。それらの配置を記憶し、右から順に並びを答えていくという問題。数字や分かりやすいアイコンの場合は楽勝だが、覚えにくいものが多く並ぶとかなりミスを引き起こしやすい

ジャンル:分析(形当てキューブ)

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 上に表示されたキューブと同じ形のものを下の選択肢から選ぶ問題。一見簡単そうに見えるが、レベルが上がると形が複雑になり、選択肢の中にも似たような立体図形が並ぶので、油断は禁物だ

ジャンル:数字(たし算つみ木)

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 足した結果が指定された数字になるようにつみ木を叩く問題。指定の数字も大きくなり、つみ木の数も増えてくると、かなり計算しなくてはならなくなる。瞬間的な判断力と計算力が問われる問題だ

ジャンル:知覚(レールつなぎ)

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 レールの空白部分を埋めて、列車をゴールまで導こう。レベルが低いうちはマップが静止しているが、レベルが上がるとマップがぐるぐると回転し出す。列車から見て右に曲がればいいのか左に曲がればいいのか。それらを的確に判断して正しいレールを選択しなくてはならない

Wiiだからできた新しい塾に、みんなで入塾しちゃいましょう

 本作はWiiリモコンによるポインティングとAボタンによる決定のみで全ての操作ができるようになっている。これは老若男女誰にでも遊んでほしいという製作者の意図の表れだろう。実にシンプル、それでいてできることは多様。Wiiリモコン単体を使ったお手本のようなゲームだと言ってもいい。

 また、Wiiのオリジナル要素であるMiiを徹底的に活かしている点も高く評価したい。「Wiiスポーツ」「踊るメイドインワリオ」など既存のMiiを活かしたタイトルもあるが、まだまだ少ないというのが現状。今後さらに増えていくであろうMii活用タイトルにも期待したい。

 本作独特の要素としては、Wiiリモコンのスピーカー機能を活かしてWiiリモコンが色々とナビしてくれる点が挙げられる。問題が残り3問になると「のこり3問です」と言ってくれたり、問題によってはWiiリモコンから聞こえる声を頼りに回答するものもあり、かなりの大活躍っぷり。手元から声が聞こえるというのは未だに何だか不思議な気がするが、本作においてはうまく機能しており、懐の深さにつながっているように思う。

 WiiConnect24を使ってWiiフレンドと塾生ブックを交換できる機能も面白い。ここで交換した相手のブックは、前述したたいせんレースで敵として使うこともできる。遠くにいるアイツのデータと勝負する!などという遊び方ができるわけだ。

 基本的に5ジャンル×3問題というのはいささか少ない気がしないでもない。しかし実際にやってみると、各問題で最高位の成績を修めるのはなかなか難しく、得意不得意のばらつきもあるので、オール制覇はけっこう骨が折れる作業になるだろう。元よりガツガツとプレイをして何時間、何10時間かけてボスを倒しエンディングを迎えて満足する…と言ったジャンルのタイトルではないので、毎日少しずつでも気が向いた時にプレイするというスタイルで楽しめば、かなり長い間プレイできるのではないだろうか。

 正直なところ、本作のリリースを聞いたときに「DSで成功した“脳トレ”というベクトルをWiiで出して果たしてうまくいくのだろうか」というちょっとした不安もよぎった。しかしプレイしてみて、そんなものが杞憂だったというのが分かった。Wiiリモコンの特性とシンプルでとっつきやすい本作の内容はすんなり親和している。単純なゲームほど失敗すれば悔しいもので、本作でもその感覚を味わうことができる。「うーん。もう1回!」と思わずWiiリモコンを握り直してしまうこともあるだろう。

 パーティーゲーム色もずいぶんと強いので、家族、親戚、友人などとの接待プレイには持って来いだ。「脳を活性化する」と言うジャンルは、年輩の方々に訴える力が十分にあるので、おじいちゃんおばあちゃんも巻き込んでのプレイが実現するかもしれない。一時期よりは落ち着いた“脳トレ”ブームだが、ここでまたWiiリモコン片手に、やわらかい脳を目指してみてはどうだろうか。わいわいと楽しみながらプレイしているうちに脳がやわらかくなるのなら、それはとても素敵なことに違いない。

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