Xbox 360でもPCでも! 両者入り乱れての激しい撃ち合いを――銃と魔法とテクノロジーの新感覚FPS:「Shadowrun」レビュー(1/2 ページ)
6月21日、Xbox 360版およびWindows Vista版の「Shadowrun」が同時発売された。この2つの「Shadowrun」はただの同時発売ではない。初のクロスプラットフォームを実現した、画期的な作品なのだ。Windows Vista版で攻めるか、Xbox 360版で攻めるか……。とりあえず筆者はXbox 360版で攻めてみました。
2つのプラットフォームでオンライン対戦! なにげに世界初なんです
「Shadowrun」は、Microsoft Game Studiosから発売されたFPS(一人称視点シューティング)だ。本作にはXbox 360版とWindows Vista版が存在し、両者は6月21日に同時発売された。複数のプラットフォームで同一タイトルが同時発売されるということ自体はさほど珍しくない。しかし、Xbox 360とWindows Vistaで発売され、プラットフォームの垣根を越えた相互オンライン対戦ができるタイトルは、本作が初めてなのである。
Microsoft Game Studiosといえば「Halo」シリーズや「Gears of War」などを手がけたことで有名で、シューティングゲームには定評のあるメーカーだ。本作は、かつて「Halo」に携わったリードゲームデザイナーJohn Howard氏がゲームデザインを担当し、製作に3年を費やした渾身の力作。システムやバランスの調整を徹底的に行い、ようやく完成したタイトルとのこと。
このたび筆者は、Xbox 360 版を手にとる機会をいただいたので、さっそくプレイしてみた。Microsoft Game Studiosが新たに世に送り出すシューティングゲームは、どうやらただのシューティングゲームではなさそうだ……。従来のFPSの枠から大きくはずれた新感覚シューティングゲームについて、その魅力をお伝えしていこう。
異なる特性を持つ4つの種族から自分の分身を選ぼう
本作には「2031 年、ブラジル・サントス近郊の古代遺跡より発掘された“アーティファクト”を巡り、遺跡の守護一族『リネージ』と世界企業『RNA』の壮絶な戦いが始まった……」という基本設定がある。世界企業などが存在するリアルな近未来でありながら、古代遺跡や、それを守る一族というファンタジックな要素も共存している。このリアルとアンリアルの融合こそが本作の世界観の重要なポイントだ。
FPSといえば、銃器を使用して敵を撃つというプレイがその根幹にあるジャンルだ。本作もその点においては例外ではない。しかし本作の場合、射撃以外にプレーヤーがとれる行動が数多く用意されている。それが“マジック”と“テック”となる。
マジック(魔法)とテック(テクノロジー=最先端技術)という2つの概念、そしてリアルな挙動で撃つことができる様々な銃器。これこそまさにファンタジー要素とリアル要素の共存の代表例と言っていいだろう。
マジックやテックを使うにはエッセンスと呼ばれるゲージが深く関係している。エッセンスを占有するタイプのテックもあれば、使用するときに消費するがしばらくすればゲージが回復する消費タイプのマジックなどもある。
また、プレーヤーはヒューマン、エルフ、トロール、ドワーフという4つの種族からキャラを選択することができる。それぞれに体力が高い、エッセンス値が高いなどの特性を持っているので、種族によって得意な行動や苦手な行動がある。それらをよく見極めて、特性を最大限に活かすことが肝心だ。
7つの魔法と5つのテクノロジーを駆使して戦場を駆け抜けろ
プレーヤーはプレイで得たキャッシュで武器、マジック、テックを購入し装備することができる。武器は最初から所持しているピストルの他に、サブマシンガン、ライフル、ショットガン、ミニガンなどの多彩な選択肢があり、それぞれがリアルな挙動をしてくれる。中でも最も個性的な武器は、カタナだ。通常はFPSであるが、カタナを装備しているときはTPS(三人称視点シューティング)の画面になり、自分のキャラの姿が見える状態での操作になるのだ。相手に気付かれずにカタナでダメージを与えると一発で倒せることもあるが、接近戦のリスクはどうしても避けられない。かなりテクニカルな武器だと言えるだろう。
購入できるマジックは7種類、テックは5種類が用意されている。John Howard氏らがバランス調整に3年間費やしたとあって、各マジックやテックにはそれぞれメリットとデメリット、使い勝手の良し悪しなどがかなり考慮されている。繰り返しの対戦プレイと奥深い戦略に耐えうるユニークなマジックやテックばかりだ。その一部をここでご紹介しよう。
マジック
テック
この他のマジックやテックも、それぞれ特徴的なものばかりだが、それを活かすも殺すもプレーヤー次第だ。銃器による攻撃だけではない、戦略性の高い斬新なFPSの真骨頂は、このマジックとテックにあると言っていい。
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