宮本茂氏が「Wii Fit」を高らかに掲げる――「任天堂メディアブリーフィング」Nintendo Media Briefing(2/2 ページ)

» 2007年07月12日 09時39分 公開
[加藤亘、くねくねハニィ,ITmedia]
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岩田氏「コアゲーマーと初心者との障壁は取り除くべきだ」

岩田氏は、いつものように任天堂がすべき理想を説く

 次に登壇したのは、任天堂代表取締役社長の岩田聡氏。岩田氏は、いつものごとくニンテンドーDSやWiiが、ゲームの立ち位置をがらりと変えたことについて解説する。岩田氏は休日には「しゃべる!DSお料理ナビ」で料理を作っていると自身の経験に照らし合わせ、ゲームが生活の中に入りこんできており、リビングの中心に存在するエンターテインメントして従来とは異なるユーザー層を取り込めたと話す。

 コアなゲーマーからは、任天堂は昔のようなゲームへの情熱を失ったのではないかと揶揄されると聞くが、こうして拡大し、ゲームに最近触れたという初心者との間にある、心理的な障壁を壊していくことこそが、任天堂の次なる挑戦と心得ているとか。

 「任天堂のソフトは常に、これは初心者向けとかこれはコアゲーマー向けといったカテゴリー分けはしていない。我々は、ビデオゲームの新しい形を見つけるために、常にチャレンジし続けている。ゲームが永遠に続くのではなく、新しいゲーマーが永遠に参加し続けてほしいと切に願っている」(岩田氏)

 岩田氏の言葉を受け、誰でも楽しめる障壁を壊すべくタイトル群の紹介に移る。WiiとDSで展開するEAの「MySims」をはじめ、「ピクロスDS」やUBISOFTの「MyWordCoach」など紹介する。ここでは、「スーパーマリオギャラクシー」が米国で11月12日に発売とアナウンスされる。

北米では11月12日の発売となるWiiの「スーパーマリオギャラクシー」

ここで真打ち登場――宮本氏による健康指南「Wii Fit」

宮本氏は、開発にあたったスタッフがすっかりはまって、最近はだいぶやせてきたと会場を笑わせる

 昨年の9月、幕張メッセで開催されたメディア向けのWii発表会「Wii Preview」において宮本茂氏は、Wii向けの“ヘルスパック”という仮称をつけて開発していると、リビングで健康管理や身体を鍛えるソフトについて言及している。

 今回の「メディアブリーフィング」で発表された「Wii Fit」こそ、任天堂が注力するこれからのゲームのひとつの形となる。

 「Wii Fit」は、平板の特殊なコントローラ「Wiiバランスボード」を使用して、ゲームの指示に従いボードの上でバランスを取ったり、腕立てふせをしたり、腰をグラインドさせたりして、身体のバランスや筋力トレーニングができるソフト。前後左右と指示に従い、踏み台昇降のようにステップを踏むことでリズムを取るミニゲームやヨガを体験することも可能だ。



右が「Wiiバランスボード」
毎日の体重の推移も確認



 宮本氏は、「いい汗かいてますか?」と切り出し、「我々がWiiのコンセプトを考えた時、Wiiがリビングの中心にあり、ひとりでも多くの家族が関わり、そこからコミュニケーションが生まれることを想像しました」と、家族の中でビデオゲームが大切なツールとなるべく、家族の“健康”を充実させることを考えたとのこと。本作には、有酸素運動やストレッチ、ヨガ、バランスゲームなど40種類以上収録されている。

 「Wii バランスボード」に乗ることで、体重を計測。重心がどこにあるのかを計測でき、その改善に努めたりするわけだ。「Wii バランスボード」は、本作以外でも体全体を使ったゲームのインタフェースにもなると宮本氏。ワイヤレスなので、部屋のどこにおいても大丈夫なのだとか。

 本作は1日1回計るだけで、個人のデータを蓄積していくことができる。家族みんなの計測データをグラフにして、何カ月か長期に渡って体重の経過などを確認し、互いに健康管理するなんて使い方にも対応している。当然、体重を表示されたら嫌だという人もいるだろう。しかし、表示されるのはBMIという指数なので、その点は考慮されているのだとか。ちなみに、フィザメイ氏を計測してみると27.51BMIと表示。22BMIが理想の体型とされているので、ちょっと太りすぎということになる。

会場では3人のトレーナーにそれぞれ、バランスを取りながら両側の筋肉がバランスよくつく「片足ストレッチ」と、楽しみながら有酸素運動ができる「ステップ」、左右のバランスなどを確認する「ツイスト」などを実践
フィザメイ氏の体重を量った後は、収録されているサッカーゲームをプレイ。球に混じって飛んでくる靴やパンダを避けながら、ヘディングするという内容

 最後にフィザメイ氏は、「Wii Fit」こそ転換点になると語る。ゲーム市場を牽引するリーダーシップを取り、ユーザー層の拡大に務めたいとする任天堂は「まだ私たちは満足していない」と訴える。

 「1日は24時間しかなく、我々がエンターテイメントに使える時間は限られています。世間にはポッドキャストやYouTubeなど、魅力的なインタラクティブコンテンツが溢れていますが、さらにその先を体験したいと我々は思っているはずです。ゲームこそその先のインタラクティブ体験を提供することができると信じています。そうなった時、私たちは満足することができるでしょう」(フィザメイ氏)

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