ようこそ洋ゲーの世界へ! 洋ゲーマニアの熱き語らい――カプコンブース東京ゲームショウ2007

カプコンと言えば「グランド・セフト・オート」シリーズや「ゴッド・オブ・ウォー」など質の高い海外ゲームのローカライズにも意欲的なメーカー。というわけで特設ステージで開かれたのは、生粋の洋ゲーマニアのトークイベント。洋ゲーが好きで好きでたまらない人たちによる濃い話が展開した。

» 2007年09月23日 20時33分 公開
[仗桐安,ITmedia]

 カプコンブースの特設ステージでは、22日15時15分から“洋ゲー解放区”と題したトークイベントが開催された。冒頭、「グランド・セフト・オート」シリーズおよび「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズのプロデューサーである大原晋作氏が登場した。

 開口一番、「みなさん、洋ゲーやってますかー!?」と客席に問いを投げかける大原氏。ちらほらと「やってまーす!」という反応があるのを確認し「おお、よかったです。やってない人もこれをきっかけにやってほしいです」とコメントした。まずは「ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲のプロモーション映像が上映された。

大原晋作氏
迫力ある映像と音声に来場者たちは釘付けだった

 映像の終了を受けて「プレイステーション 2最高峰のグラフィックと呼ばれているクオリティの高いゲームです」と大原氏。「本作のテーマはギリシャ神話で、前作の続きにあたります。今回は主人公クレイトスがかなり巨大なキャラ(ギリシャ神話に登場するタイタン族)と戦います。敵が大きいだけでなく、ゲーム内容もスケールが大きくなってます」とアピールした。

 さらに「CSアタック(CSとはコンテキスト・センシティブの略。状況に対応するという意味)で簡単にド派手なアクションを楽しめます。画面上のアイコンに従ってボタンを押すだけで、おー!俺すげーかっこいいなー!という多彩なアクションを繰り出せるんです。新しい敵が出るたびに、今度はどんなCSアタックができるんだろう、という楽しみがあります」とアクションの魅力を語った。

 ここで、株式会社グラスホッパー・マニュファクチュア代表取締役、「キラー7」のディレクターとしてもおなじみの須田剛一氏と洋ゲー冒険家のマスク・ド・UH氏がステージに登場した。

須田剛一氏
マスク・ド・UH

 3年ぶりにカプコンブースに帰ってきました、と須田氏。「今回は別のブースで『ノーモアヒーローズ』出してます。これ終わったら遊びに行ってください」と、のっけから自らの作品の告知だ。マスク・ド・UH氏は「今日はスペシャルバージョンのマスクで来ました。昨日布に穴を開けたんですよ」と東京ゲームショウ用にマスクを新調したことを明かしてくれた。

 続いてスクリーンに映し出されたのは「ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲」の開発者であるトニー氏のビデオメッセージだ。

 「どんな時にアイデアが浮かびますか」という質問に「いいアイデアは夜中に浮かぶね。意外な瞬間に浮かぶんだ。変な番組を見ているときとか。ダメな番組であればあるほど、クレイジーなアイデアが浮かんだりするんだ」とトニー氏。最近面白かったゲームは

「地球防衛軍3」だ、とのこと。「20ドル(約2300円)とは思えない。ホントに面白いゲームだよ」と絶賛した。「ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲」の注目してほしい点を聞かれ「やっぱり全部かな。ゲームを通してすべてを楽しんでほしい。通常のシーンとボス戦の区別をなくして1本のゲームにしたかったんだ。ゲームを始めたら、その世界にひたってほしいね」と答えた。

 「いいアイデアは夜中に浮かぶ」というトニー氏に対して、須田氏は「僕の場合はトイレに入ってる時にアイデアが出ます。出すものを出したときにアイデアも出るんですよ」と発言し、笑いを取っていた。

 「ホントにやり出したらやめられないんですよ。仮に死んでも直前のチェックポイントから始められますから、やられてもコンチクショウと思ってまたやってしまいます。続きが気になってしまうんですよ」と大原氏が語ると、須田氏とマスク氏は、うんうんと激しくうなずきつつも「けっこう疲れますよ」と声を揃えて言っていた。

 ここからは洋ゲーマニアたちによるフリートーク。

 大原氏に「何でそんなに洋ゲーが好きなんですか?」と聞かれた須田氏は「ファミコンの頃に『スーパーマリオブラザーズ』の発売日にサン電子の『スーパーアラビアン』を買ったんです。知らず知らずにちょっと変わったものを選ぶようになっていましたね。洋ゲーってことだと『アウターワールド』が原点かな」と答えた。

 またマスク氏は同じ質問に対して「モータルコンバットです」と断言。「今回紹介している『ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲』は、去年のE3で、うぉすげーまた出るんだーと思って、発売後速攻でクリアしました。謎解きでちょっと詰まったんですけども」と海外版でバッチリクリア済みであることを語った。

 それに対して須田氏は「もちろんクリアしましたよ!……体験版を(笑)」と応酬。「日本版をやりつつ海外版もやってローカライズの違いを確かめるっていうのが、いいと思いますよ」と発言するとマスク氏から「それ、かなりディープですよ。本体2台いるじゃないですか(笑)」と突っ込まれるなど、息もピッタリな2人だった。

 洋ゲー冒険家という肩書き通りに自他ともに認める洋ゲーマニアであるマスク氏は「最近は『バイオショック』がオススメ。ホントにショック受けました。このゲームはすごい。話は宮崎駿のアニメみたいなんですよ。60年代の感じで、女の子を守っているロボットとか出てきて話はファンタジーで」と語りだすと3人は大いに盛り上がる。世界はアールデコ調、フリッツラングのメトロポリスとかロケッティアとかみたいな、という発言が飛び出し、マニアックトークに花が咲いた。

洋ゲーについてしゃべり出すと止まらない3人。トークは弾みに弾んだ

 さらにトークは弾み、大原氏から須田氏に「洋ゲーのイメージを覆す面白いゲームが入ってきてますが、これは脅威ですか?それともいいライバルとして迎えてますか?」という突っ込んだ質問が。これに須田氏は「どっちもありますけど、脅威は感じますね。『ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲』っていうのは「デビルメイクライ」と同じテイストのゲームなんですよ。昔は洋ゲーといえばレスポンスが悪かったんですが、最近は繊細なチューニングができるようになってきてますね」と勢いある洋ゲーを評価。

 その弁を受けて大原氏は「『デビルメイクライ』は好きだけどハゲオヤジ(「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズの主人公クライトス)はイヤだ、という人はぜひ騙されたと思ってやってほしいですよ」と推す。それに加勢するように須田氏が「キャラがなじめないと思ったら、『デビルメイクライ』のイケメン主人公は彼氏みたいな感覚で、クライトスはお父さんを操ってる感じでプレイすれば、没入感が高まるんじゃないでしょうか(笑)」とオモシロ発言で切り返した。

 その後は「グランド・セフト・オート・バイスシティ・ストーリーズ」について3人が思い思いに語った。「GTAは大好き。いつかGTAとマリオを足して2で割ったゲームを作りたいです(笑)」と言う須田氏に「それレーティングはどうなるんですか(笑)」というマスク氏の突っ込みが入る。大原氏は「80年代が舞台で80'sの曲がかかる。僕らの世代はヒットですよね」とコメント。マスク氏は「因縁深いタイトルですね。日本に来るまでの時間がかかってますが、発売されるということが大事だと思います」と述べた。

「グランド・セフト・オート・バイスシティ・ストーリーズ」について熱く語る3人

 最後に3人から締めの一言。マスク氏は「洋ゲーは牛肉。和牛もいいけど輸入牛もいいです。赤みの旨さがありますよ」と洋ゲーを肉に例えた。須田氏は「僕もいいことを言おう」と前フリしつつも「別ブースに『ノーモアヒーローズ』(須田氏が手がけたWii用タイトル)があります。これは洋ゲーを日本流にアレンジしたものです。今6時間待ちくらいなんですけども。ウソです(笑)。60分くらいでできますんで。やってみてください」とちゃっかり自分の作品の宣伝をした。

 大原氏が「『ノーモアヒーローズ』を作った須田さんが影響を受けた洋ゲーのひとつが『ゴッド・オブ・ウォーII 終焉への序曲』なんですよ。騙されたと思って、ちょっと自分のゲームじゃないな、と思ってもとにかくやってほしい。前作『ゴッド・オブ・ウォー』のベスト版が出ているので、そちらからでもいいんでやってみてください」とコメントし、ディープな洋ゲートークを締めくくった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  2. /nl/articles/2404/18/news025.jpg 生後5日の赤ちゃん、7歳のお姉ちゃんから初めてミルクをもらうと…… 姉も驚きの反応がかわいい
  3. /nl/articles/2404/18/news057.jpg 9カ月の赤ちゃん、バスで外国人の女の子赤ちゃんと隣り合い…… 人生初のガールズトークに「これは通じあってますね!」「ベビ同士の会話、とろけます」
  4. /nl/articles/2404/17/news037.jpg 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/17/news034.jpg 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
  6. /nl/articles/2404/18/news155.jpg 大谷翔平選手、ハワイに約26億円の別荘を購入 真美子夫人とデコピンとで過ごすかもしれないオフシーズンの拠点に「もうすぐ我が家となる場所」
  7. /nl/articles/2404/17/news179.jpg 「ケンタッキー」新アプリに不満殺到 「酷すぎる」「改悪」の声…… 運営元「大変ご迷惑をおかけした」と謝罪
  8. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  9. /nl/articles/2404/17/news129.jpg 「ハーゲンダッツ硬すぎ!」と力を入れたら……! “目を疑う事態”になった1枚がパワー過ぎて約8万いいね
  10. /nl/articles/2404/16/news175.jpg 「そうはならんやろ」をそのまま再現!? 「ガンダムSEED FREEDOM」のズゴックを完全再現したガンプラがすごすぎる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」