日本eスポーツ協会の記念すべき第一歩――お台場で日韓共催イベント「eスポーツ日韓戦」

ゲームの対戦を競技としてとらえ、日本国内での活動を統括していく日本eスポーツ協会(JeSPA)。その設立準備委員会の発足記念イベント「eスポーツ日韓戦」が、12月1日に東京・お台場にあるメディアージュで開催された。

» 2007年12月03日 17時25分 公開
[眞鍋航希,ITmedia]

 12月1日、東京・お台場にあるメディアージュを会場に、日本eスポーツ協会(JeSPA)の設立準備委員会発足を記念したイベント「eスポーツ日韓戦」が開催された。

 eスポーツとは、スポーツゲームやシミュレーションゲーム、格闘ゲームなどのゲームで行われる人間対人間の対戦をスポーツ競技として位置づけたもので、海外では「World Cyber Games」や「World e-Sports Games」といった多くの国々が参加する世界大会も行われている。


 また、アジア地域のeスポーツに目を移してみると、1998年には韓国にて各種イベントの実施やプロ選手の認定する団体「韓国eスポーツ協会」(KeSPA)が設立。中国では、2003年に中国国家体育総局がeスポーツを99番目のスポーツ競技項目に登録するなど、組織的な取り組みが行われている。

 今回の「eスポーツ日韓戦」は、設立準備委員会が発足したばかりの日本eスポーツ協会に、すでにさまざまなノウハウを持つ韓国eスポーツ協会が協力するという形で実施。開会に際し、日本eスポーツ協会設立準備委員会の委員長補佐である平方彰氏は、「eスポーツ先進国である韓国より協力をいただき、このようなイベントを開催できたことを喜ばしく思います」と挨拶した。


日本eスポーツ協会設立準備委員会 委員長補佐 平方彰氏

 平方氏によると、今回のイベントには“日本国内におけるeスポーツのアピール”、“ゲームの社会的地位の向上”、“韓国eスポーツ協会との協力体制の確立”という3つの目的があるとのこと。なかでも“ゲームの社会的地位の向上”については、ゲームの対戦をスポーツとしてとらえ、その競技者を「アスリートゲーマー」と呼ぶなど、ゲームが持つ従来のイメージからの脱却を目指していくという。

 残念ながら今回のイベントでは、日本eスポーツ協会の正式な設立に向けた具体的なロードマップは明らかにされなかった。現在明確にされている活動内容としては、2008年内にeスポーツ日本選手権を開催し、2009年にベトナムで開催が予定されている第3回アジア室内競技大会への日本代表選手の派遣を目指すとしている。

 「eスポーツ日韓戦」の競技種目は、プレイステーション 3ソフト「ワールドサッカーウイニングイレブン 2008」(KONAMI)、「鉄拳5 DARK RESURRECTION ONLINE」(バンダイナムコゲームス)、PC用オンラインゲーム「フリスタ! -Street Basketbakk-」の3種目。

 まず最初に行われた競技「フリスタ! -Street Basketbakk-」は、日韓それぞれが3人のチームを2組結成して計2試合を実施され、結果は2試合とも韓国陣営の勝利。日本陣営の選手も空中で受け止めたパスをそのままシュートする「アリウープ」を決めるなど、スーパーテクニックを見せてくれる場面もあったものの、残念な結果となった。

 続く第2種目「ワールドサッカーウイニングイレブン 2008」は、日韓2名の選手がそれぞれ試合を行い、使用するチームはもちろん日本陣営が「日本」、韓国陣営が「韓国」のナショナルチームを選択した。

 第1試合は5対2で韓国の勝利、第2試合は2対0で日本の勝利という試合内容だったが、団体戦という形式のため競技自体の勝敗は得失点差で決定。このため、2試合合計で5ゴールを決めた韓国陣営の勝利となった。

 最後の第3種目は、「鉄拳5 DARK RESURRECTION ONLINE」のチーム戦。5人1チームの総当たり戦で全5試合が争われた本競技だが、先鋒、次鋒、中堅戦と前半3試合で韓国陣営が連勝、日本陣営も後半戦は盛り返し副将戦、大将戦で勝利するも時すでに遅し、勝敗はすでに決していた。


エキシビジョンのため韓国より来日したプロゲーマーのLEE YUN YEOL氏(左)とSEO JI SOO(右)さん。SEO JI SOOさんはその実力とルックスから、韓国ではアイドルゲーマーとして人気を博しているという

 この他にもエキシビジョンマッチでは、韓国プロゲーマーによるリアルタイムストラテジーゲーム「Star Craft」のデモプレイ、そして特別ゲストとしてプロ野球選手・黒木知宏氏と第67代横綱の元力士・武蔵丸光洋氏による「鉄拳5 DARK RESURRECTION ONLINE」の対戦も行われた。

 日本eスポーツ協会の活動の第一歩となった「eスポーツ日韓戦」は、一般公開なしのクローズドな大会で、選手についても一般からの参加は少ない割合となっていた。

 記念イベントということもあり、日本eスポーツ協会、参加者ともに勝敗にはこだわらない内容ではあったが、今後国際大会に日本代表選手を派遣していくのならば、eスポーツ人口の増加、およびその直接的な活動となる競技大会の実施が必要となるだろう。1日も早い正式な設立と活動の開始が望まれる。


特別ゲストの黒木氏と武蔵丸氏は、普段はゲームは余りプレイしないとのこと。武蔵丸氏はゲームをスポーツと呼ぶことに抵抗がある様子だったが、いざ「鉄拳5 DARK RESURRECTION ONLINE」を始めてみると思いのほか熱中した様子で、1試合の予定だった対戦に負けたため「もう1回、お願いします!」と黒木氏に頼み込んでいた

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