点数計算はソフトにお任せ。手軽に始められるカードゲーム入門ソフト「獣神伝 アルティメットビーストバトラーズ」レビュー(1/2 ページ)

KONAMIの高性能カードリーダー「マジックリーダー」対応の第1弾ソフト「獣神伝 アルティメットバトラーズ」がリリースされた。難しい点数計算やゲームの進行はソフトにお任せ。子どもでも簡単にプレイできる、カードゲーム入門ソフトとも言える作品だ。

» 2007年12月21日 19時33分 公開
[立花裕壱,ITmedia]

「マジックリーダー」のスゴさを体感

 マンガ好きの筆者といえども、さすがにコロコロコミックまではチェックしていなかった。「獣神伝(じゅうしんでん)〜勇者と希望のカード〜」は、コロコロの姉妹誌、コロコロイチバン!で、「炎の闘球児 ドッジ弾平」、「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」を描いた、こしたてつひろさんが連載しているマンガ。子どもたちには人気があるらしい。そのマンガの元ネタとなっているのが、KONAMIから発売されたニンテンドーDSソフト「獣神伝 アルティメットビーストバトラーズ」というわけだ。

 もうかなり前にコロコロを卒業した筆者にとって、別段キャラやストーリーが気になっているわけではない。では、なぜ今回レビューで取り上げたのかというと、「ゲームに同梱されたカードリーダー(マジックリーダー)がスゴい!」という噂を聞いたからだ。あまりの性能の良さに、カードを読み取らせるだけでも楽しくなってしまうのだとか。発売前に展示された「東京おもちゃショー2007」でも非常に評判だったようだ。これはチェックせずにはいられない。さっそく「獣神伝」のマジックリーダーセットを手に入れた。

 パッケージの中には、トレーディングカードの束とソフト、そしてウワサの黒い機械が入っている。形は写真の通り、一般的なカードリーダーとは少し異なり、よく見ると中央の丸い部分に小型レンズがついているのが分かる。このマジックリーダーをニンテンドーDSのゲームボーイアドバンス用スロットに差して準備は完了だ。

画像 ゲームボーイアドバンス用スロットに差さっているのが、KONAMIが開発したニンテンドーDS専用のカード読み取りシステム・マジックリーダー。レンズはわずか2〜3ミリほど。これでカード表面のコードを読み取る
画像 「遊戯王」のKONAMIが贈る、新たなカードゲーム。マジックリーダーを使った快適なプレイが特徴だ

思わずスキャンがヤミツキになる!?

 さっそくゲーム開始。まずは冒頭のチュートリアルが始まった。指示通り、カードを読み込ませてみる。ゲームのキャッチコピーは“ビッ! とかざして、ガツンとバトル!”。まさしくその通り、レンズの上に軽くカードをかざすだけでOK。あっという間に「怪力エレファン」が画面に登場した。なんて楽なんだ。

 これまでのスリットタイプのカードリーダーは、カードをスライドさせるスピードが速すぎても遅すぎても読み取れない、なんてことがよくあった。しかし、この方式ならそんな気を使う必要もない。しかも、カードのイラスト面なら、真ん中ではなくどこをかざしても読み込んでくれるのだ。上下逆さまでも大丈夫。バーコードなど、特定の模様を狙う必要もなし。なんとも不思議だ。“モンスターを呼ぶ速さ 0.1秒以内!”と公式サイトにうたわれていた通りの結果で、あまりの認識の良さに驚いてしまった。用いている技術は違うが、スイカやパスモなど、非接触型のICカードを使ったときの感覚とよく似ている。技術の進歩って素晴らしいなあ! そんな気にさせてくれる。

画像 ゲーム中のアナライザ装置では、自分のカードの属性や種類、枚数を分析してもらえる。そのうえデータをセーブすればシミュレータで対戦も可能だ

 ゲーム中にはデッキの構成を診断してくれるアナライザが搭載されており、デッキのカード40枚をスキャンすると、攻撃力やカードのバランスが分かる。普通なら「40枚も読み取らせるなんてめんどくさい……」と思うところだが、本作は別。シャキーン、シャキーン、シャキーン……と、手持ちのカードがどんどん画面に表示されるのが楽しくて、夢中で読み込ませてしまった。

 一体どんな技術を使っているのか? 調べてみるとICチップや磁気ではなく、カード上の印刷パターンに、肉眼で確認できないように情報が刷り込まれていて、これをレンズで読み取っているのだという。カードをよ〜く見ても特別変わったところない。なんだかすごい技術だ。

 このマジックリーダー対応の第1弾が本作。今後も新たな対応ソフトの発売や、他社への技術提供など、いろいろな展開が図られるようだ。今回はマンガとコラボしたキッズ向けのカードゲームになったが、大人向けのトレーディングカードに利用されればもっと注目度が高まるのではないか。野球カードなど、スポーツ系のカードのデータベース化にも役立ちそうだ。手持ちのカードが増えると、何がダブっているのか、何が欠けているのか、分かりにくくなる。これだけ読み取りが速ければ、カードが大量にあっても手間ではない。ゲームという形ではなくても、カードの収集・整理にも力を発揮しそうだ。

 プレイステーション 3ではソニー・コンピュータエンタテインメントの「THE EYE OF JUDGMENT BIOLITH REBELLION 〜機神の叛乱〜 SET.1」がやはり、カードをカメラで認識するスタイルで話題になった。今後、家庭でゲーム機を介して遊ぶカードゲームがますます注目されていくのではないか。

アナログの手触りを残すカードゲーム

 それではゲーム内容を見ていこう。モードは1人用の「ストーリー」と、1台のニンテンドーDSで2人が対戦する「シングル対戦」、2台のソフト+ニンテンドーDSで対戦する「通信対戦」の3種類。シングル対戦なら、同梱のカード40枚を2分割することで、ソフト1本でも2人で遊べる。基本的にリアルなカードゲームがメインで、ソフト側ではダメージ計算やターンの仕切りなどの進行役を担当する。実際に山からカードを引いたり、選んで場に出したりなどの、アナログ感を残した仕様になっている。ニンテンドーを横に置いて、2人で顔を突き合わせて遊べるので、コミュニケーションのツールとしても活躍しそうだ。

画像画像 2台のニンテンドーDSを使っての対戦イメージはこんな感じだ。ソフトには「バトルフィールド」も付属している

 ストーリーモードの舞台となるのは獣人ばかりが住む異世界「ケモノ界」。このケモノ界にワープしてしまった主人公の少年が、もとの世界に帰るため、熱血野郎の番犬ガオーや、調子がいい豚のドロボウ戦士プギーと旅をして、ケモノ界でカードバトル「ビーストバトル」を繰り広げていく。シナリオの中身はキッズ向けらしく、元気な王道路線といった感じだ。

画像 学校の帰り、謎の光に包まれて異世界へワープした主人公。「最強の番犬」ガオーと運命的な出会いを果たす。彼らの旅の行方は?
画像 主人公たちが旅をするケモノ界。フィールドでの移動はタッチではなく十字ボタンで操作する。タッチは会話中の選択肢を選ぶときに使う
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