北米生まれの体験型ミステリーゲームってなに? 「名探偵コナン・カード探偵団」

メディアファクトリーは、北米で昨今話題の体験型ミステリーゲーム(ARG)を、日本ではじめて事業展開し、その第1弾としてトレーディングカードとWeb、メール、電話など複数のメディアを連動させた“謎解き”を4月19日に発売する。

» 2008年04月21日 13時20分 公開
[ITmedia]

新しいタイプのなりきり遊

 体験型ミステリーゲームとは、プレイヤー自身が主人公となり、現実世界を舞台に謎を追いかけていく体験型の物語で、英語名ではAlternate Reality Game(以下、ARG)と表記する。通常のゲームと異なり、Webやメール、ブログ、電話、ラジオ、実際の都市空間などプレイヤーの身近にあるさまざまなメディアからゲームに必要な情報を集め、ほかのプレイヤーと協力しながら謎めいた物語を追いかけることを目的としている。日常的な生活環境の中で、リアルに偽装されたフィクションを体験できるため、ゲーム世界が現実に顔を出したかのような感覚が楽しめるわけだ。この“代替現実”を楽しめるところが特徴だ。

 世界初のARGは、2001年公開の映画「A.I.」のプロモーション用にマイクロソフトによって製作された「The Beast」と言われている。企業の宣伝活動や映画、テレビ番組のプロモーションにと活用され、現在までにXbox 360用「Halo3」やバットマンの新作映画「The Dark Knight」などで展開されている。

 ただし、日本ではまだこのARGで事業展開したものはなく、「名探偵コナン・カード探偵団」が国内初となる。今回、ARGのビジネス展開するにあたり、より幅広いクロスメディア展開が可能で、認知度を高めるためにも「名探偵コナン」に白羽の矢が立った。日本で展開する上で、とっかかりをよくするためにトレーディングカードを採用し、他メディアに展開していくというわけだ。

 まず幅広い年齢層のミステリーファン向けに推理パズルカードゲーム「カード探偵団」が発売される。このゲームは、全国の名探偵たちに過去のさまざまな事件を取材し、ゲーム用にアレンジして作られたという設定。あくまでも世界観をよりリアルにするために、これらの設定を事実のようにして進めていくのが本作の正しい楽しみ方だ。

 ゲーム内の事件はリアルタイムに進行する。ゲーム発売直後に「カード探偵団」の開発者が行方不明になったという知らせがメールでプレイヤーに届く。そして取材を受けた名探偵たち(新一や平次ほか)の元に時を同じくして謎の手紙が届く。そこには開発者自身が身に危険が及んだために送った謎の暗号が記されていた……。「カードの中に手がかりがある」――コナンたちが捜査を開始した頃、プレイヤーたちの間でもカードに開発者行方不明の原因となった事件の謎が隠されているという噂がささやかれはじめる。すべての手がかりは100枚のカードの中に隠されている……?

米花町を震撼させるR事件――10年前の事件とのミッシングリンク

 時を同じくして、コナンたちのいる米花町でも連続殺人事件が発生していた。その現場には「夜叉鴉」と記された赤いカードが残されていたため、警察は一連の事件を“R事件"(R=Raven)と名付けて捜査を開始した。捜査を進めていく中で、このR事件と10年前のある事件との関係が浮上してくる。その頃、ゲーム会社には夜叉鴉と名乗る人物から「カード探偵団」の販売中止を迫る脅迫状が届いていた。夜叉鴉とは何者なのか? 開発者の行方は? はたして全国のプレイヤーはこの事件の真相に迫ることができるのか?


 プレイヤーは、自分自身が探偵になり、このパズルカードを手がかりに「カード探偵団」メンバーに送信されるメールやネットからの事件情報を入手し、時にはほかのプレイヤーの力を借りて現実世界を捜査していく。プレイヤーは公式サイトに会員登録し、ある程度のカードを解くとメールが届くようになる。それぞれカードにはポイントが難易度によって設定されており、すべてを解かなくても事件は進んでいく。リアルタイムにイベントは更新され、事件に関係しそうな記事や雑誌、ウェブサイトがアップしていく。4枚1組で完成する写真やイラスト、地図や絵画など、カードそのものに謎があふれている。


架空のバンドや企業の公式サイトもオープンし、世界観に厚みを与える

カードを集めて謎を解け

 商品としては事件カードが10枚とカードホルダー、事件手がかり一式と特典カード、遊び方の説明が封入された「ガイドパック」(税込:1575円)と事件カードが5枚封入されている「基本パック」(税込:315円)が4月19日に発売される。カードは100種類あり、コモンが32種類、アンコモンが24種類、レアが20種類、SPレアが12種類、キラが12種類存在する。

ガイドパックと基本パック


 さて、ITmedia +D GamesではこのARGに参加することにした。「名探偵コナン・カード探偵団」内で行方不明になったとされる架空のゲーム開発者をインタビューしていたという設定だ。この記事はもちろんフィクションであり、実際にそんな開発者はいない。本来のARGではこの手のネタばらしをすることなく、さも当然のように掲載されるべきだが、まだ文化的に根付いていないARGのため、今回は記事的には独立させながらも、こうしてこの場で“おことわり”をすることにした。とはいえ、察しのいいプレイヤーならばそんなこと当然と、世界観に巻き込まれることだろう。我々がインタビューしたとされる記事内には、開発者の行方不明と10年前の事件をつなぐ重要なヒントが隠されている。ぜひとも全国の探偵諸君はカードの謎から真実を導きだしてもらいたい!

(C)2008 MEDIA FACTORY (C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996
※写真は商品イメージで、実際の商品とは異なります。


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