言い訳が成立しちゃうんです!――無限回廊では、ムチャなフリでも通用する:「無限回廊」レビュー(3/3 ページ)
なるほどこれは不思議な新機軸だ
今までになかったロジックで、エンターテインメントを成立させた、という意味で、本作は新機軸のゲームだ。筆者が死ぬまでに、もう「これぞ新機軸!」というゲームにはお目にかかれないだろうと思っていたのに、こんなにあっさり出会えるとは。しかも「うおぉぉぉっ!! こんなゲームがあったかぁぁぁっ!!」という少年漫画的な感嘆ではなく、「ふむ、これは新しいですな」と、軍師的な落ち着きで評したくなるような作品なのが不思議だ。
しかしこのゲームは独特の空気感を持っている。ステージによっては手も足も出ないこともあれば、偶然成功してしまうこともある。キャラクターが死んでしまうといったペナルティはないので、切羽詰まった緊張感はない。1プレイが終わると、自分の操作の軌跡がリプレイとして流れる。「あそこをこうすればもっと速くクリアできた」という研究に役に立つ。しかし、自分の失敗をあとから笑えるという楽しみ方もできる。
とてもゆる〜い雰囲気で遊べるのだが、そのくせ妙にロジカルで、そして多少の競争意欲をそそるところがある。「自分にはこう見えるんだから、こうなって当然だ!」という自分勝手を、やんわりと、しかもちょっと効率的に、そして周囲の目を錯覚させながら成立させる――つまり、ムチャなフリを、合理的なワガママで押し通すゲームなのだ。そういう意味でも、とても新しい。
あ、そうか。だから雛見沢氏は、本作を理解できたのだ。
「どーゆー意味っスか」
そーゆー意味っスよ。カッカッカッ。
お得! 無料アップデートによるステージ追加
普通に「infinite」を続けるもよし、「canvas」で自分だけのオリジナルステージを作成するもよし。とにかくプレイをする理由に事欠かない本作だが、もっとも注目すべき点はPLAYSTATION Networkを利用して、無料で新ステージをアップデートできることだ。しかも、4月17日から4週連続で10ステージずつというから大変だ。急いで購入し、アップデートせねば。
第1回の配信分を逃した人も大丈夫、まだあと3週、つまり30ステージも残っている。筆者はゲームライターの立場をフルに濫用し、5月15日までに配信される全ステージを体験させてもらった。その中でもお気に入りのステージを2つほど紹介したい。
Ushi Saboten
「牛」である。それぞれのエコーの前に、必ずジャンプや落とし穴が用意されており、自分はなんと一番高い位置にで〜んと居座っている。一番効率のよい方法を見つけると、とても気持ちよくエコーが消えていくため、思わずチョイスした。
001 Initiation Anfield
明らかな意図を持って組まれたステージだけに、作者の制作意図が分かった瞬間にヒザを打ちたくなることウケアイ。もともと理系の頭をもっていてロジカルシンキング寄りな人は、ウンウンうなって悩むのにもってこいのステージだ。
ところで、ここでもう1つ告知です。公式サイトでは、それぞれの配信日にステージ紹介と、“ゲームやろうぜ!賞”を発表しているのでチェックしてみよう。
プレイした感想は“メビウスの輪”を知ったショックに近い
“メビウスの輪”というものがある。幼少のころ、折り紙を細く切って輪っかにし、それをつなげてレイを作ったことがあるだろう。その細長い紙の短冊を、一回ひねって輪を作ると、その物体には“表”と“裏”がなくなる。表面をなぞっていると、いつのまにか裏らしきところを触っている、というアレだ。初めてこの理屈と出会ったとき、非常に不思議な気分になった記憶がある。
「口の内側は、胃の内壁につながっていて、腸の内壁にもつながっていて、グルッとまわって皮膚になる。だから、口の中も、内臓の内側も、全部皮膚だ」
という話を生物の先生から聞いたときも、「ほっほぉ〜っ」と、なんだか人生を得した気分になったものだ。
本作がなんとなく分かるようになってからプレイした感想は、まさにそんな感じだ。脳の中に開拓されていないフロンティアが見つかって、シナプスどもが「おっ、まだ成長するんだねこの脳は」とちょっと感心している。そんな静かな興奮状態を味わえるのだ。
これは、一生に一度は体験しておきたい快感である。
関連記事
- キレないカンニング竹山&オチないダンディ坂野が登場した「無限回廊」イベント
PSPソフト「無限回廊」が発売されるのを記念して、カンニング竹山さんやダンディ坂野さんなどのお笑い芸人が集まってスペシャルイベントを開催。チームに分かれての対戦も行われたが、その結果はいかに? - 「echochrome 無限回廊(仮)」は“そぎ落としの美”
東京ゲームショウ2007のソニー・コンピュータエンタテインメントブースで初出展された「echochrome 無限回廊(仮)」。どのような経緯でこのゲームが生まれたのか、制作者の藤木淳さんと鈴木達也プロデューサーに話を聞いた。 - 「無限回廊」の無限クイズ:第3回「主観的落下」
- 「無限回廊」の無限クイズ:第2回「主観的移動」
- 「無限回廊」の無限クイズ:第1回「主観的不在」
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
-
しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
-
顔の半分は童顔メイク、もう半分の仕上がりに驚がく 同一人物と思えない半顔メイクが860万再生「凄いねメイクの力」
-
“女子小学生”がメンズカットしたら……「え!」 その驚きの大変身に「な、なに!?」「絶対モテる」と反響
-
「とんでもないものが売ってた」 ハードオフに“33万円”で売られていた「まさかの商品」に思わず仰天
-
正体不明の「なにかふしぎなもの」がハードオフで販売→Twitterで情報集まり正体が判明
-
「起動しません」 ハードオフで4000円のジャンクPS4購入→電源入れると“驚きの結果”に「そんなことあるんだ」
-
スーパーで買ったレモンの種が1年後…… まさかの結果が635万再生「さっそくやってみます」「すごーい!」「手品みたい」
-
小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
-
飼い主へ驚きの理由でブチギレるタコ 「こんなんうちの3歳児じゃん」「めちゃくちゃ人間くさい生き物ですね」
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
- 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
- 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
- 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
- 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
- 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
- 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
- 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
- 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
- フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
- 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
- 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」