EA「ぼくとシムのまち キングダム」プレゼンテーションで明かされたこと
エレクトロニック・アーツは、「ぼくとシムのまち」の最新作「ぼくとシムのまち キングダム」を2008年中にWiiで発売すると発表。その説明会が本社で催された。
エレクトロニック・アーツは5月28日、「ぼくとシムのまち キングダム」と「シムシティ クリエイター」のプレゼンテーションを行なった。両方ともWii用ソフトで、「ぼくとシムのまち キングダム」は、昨年9月に発売された「ぼくとシムのまち」の続編にあたる。なお、「ぼくとシムのまち キングダム」の発売日は2008年、「シムシティ クリエイター」は9月の予定となっている(「シムシティ クリエイター」についてはこちら)。
ストーリー重視の「ぼくとシムのまち キングダム」
「ぼくとシムのまち キングダム」の舞台は、いくつもの島々によって構成されるローランド王が統治する王国。各島はそれぞれテーマが異なっており、ディズニーランドを思い浮かべてもらうと分かりやすいだろうか。主人公は豚を飼育をするという雇われの身である自分に、どこか物足りなさを感じている少年。王様が新たな「ワンドリア」を決める試験を行うと聞き、ボーイのバディと、エッセンスマスターのリンジーとともにテストを受けることにした。
「ワンドリア」とは、さまざまなものをカスタマイズできる魔法の杖を持つ者の総称で、かつてこの島々からなる王国に平和と繁栄をもたらす存在であったが、時を経てワンドリアは絶えて久しくなっていた。そこでローランド王がかつてのワンドリアと呼ばれる杖使いを復活させるがために、テストを行うことになったのだ。テストは王が一番頼りにしている家来である魔法使いのマーロンが行い、一番忠実で勇敢な者だけが認められるというわけだ。こうしてプレイヤーは島々を巡り、家を造り住民であるシムたちの願いを叶え、皆に笑顔にするテストに合格すべく冒険することになった。
最新作の説明に立ったのは、本作のエグゼクティブ・プロデューサー ティム・レトルノ氏。まずは物語の概要を紹介したのち、デモプレイをしながらの解説となった。
「ぼくとシムのまち キングダム」は、昨年9月に発売されたWii用ソフト「ぼくとシムのまち」の続編にあたる。最新作でも、「ぼくとシムのまち」に登場したキャラクターが役割を変えて王国のシムたちとして再登場となっている。プレイヤーは彼らと会話し、要望を叶え謎を解くことで、一歩ずつワンドリアへと近づいていくことになる。前作が1つのエリアでの町興しであるならば、本作は王国復興という規模がでかくなっていることに気がつくだろう。
レトルノ氏は、実際に主人公を操作し、ゲーム開始近辺を見せてくれた。まずはちょっと意地悪な女主人のもと、プレイヤーは豚を集めてみせることになった。本作ではまずチュートリアルの代わりとして、操作方法を学びながら、序盤のストーリーを進めていくことになる。ほどなくして仲間となるボーイのバディと、エッセンスマスターのリンジーとともにワンドリアのテストに挑戦することになる。特筆すべきはそのキャラクターの表現が多彩である点。3頭身ながら、機敏な動きで感情をカバーしている。
なお、プレイヤーは同行する彼らバディとリンジーのことを考えた行動をしなくてはならない。段差のある場所では階段を作ってあげたり、障害物を取り除いたりといった配慮が必要となる。同行者だけではなく、牛を囲いにいれるお手伝いなどもシムに依頼されることもあるので、材料となるエッセンスの在庫と相談しながら考えないといけなくなる。テストではローランド王のわがまま娘バター姫や、どこかとぼけた魔法使いマーロンなどが登場し、舞台や状況の説明が行われる。
前作との違いでレトルノ氏は、カスタマイズモードへ杖を掲げるだけですぐに移れる点を強調する。いちいち所定の位置へ移動することもなく、その場で材料から新たな家具や家を造りだし、フィールドに設置されている謎を解くために、仕掛けを作動させるモノを取り出すことができる。例えば畑に水をまくために必要な水道管をつなぎ、それを作動させるために歯車をいくつか組み合わせるといった具合だ。鉱物や木材、模様に使うエッセンスを採取し、カスタマイズにいつでも利用できるというのは、ステージが広くなった時点で必要だったことなのだと推測できる。
先ほどから頻出している「エッセンス」についてだが、モノを作ったりカスタマイズしたりするのに必要な材料を意味している。時には土を掘り、時には木を削り材料を得る。プレイヤーはWiiリモコンを活用して、斧やツルハシとして操作することになる。エッセンスがなくなるとモノを製作できなくなるので、限りある材料でどう杖を振っていくかといった、ちょっとしたパズル要素も盛り込まれている。
それぞれの謎は、はまるべくしてはまるエッセンスや部品が必要とレトルノ氏。ガイドラインがあるので、謎を謎として放りっぱなしにしているわけでもなく、ユーザフレンドリーな点は変わらない。ただ、今作ではインテリアはあくまでもインテリアとして数種類用意されるだけで、1から作り出すことはできない。しかし、ブロックとして300種類以上あるとのこと。シムの要望に応えながら、プレイヤーはキングポイント(ためると次の島に行けるなどの目安となる)をためながら、ワンドリアとして成長していくことになる。
レトルノ氏はまた、ストーリーの強化とともに、ロード時間の短縮にも考慮したのだとか。前作ではロードが多く、ユーザーから改善の要望も多かったのだそうだ。シームレスにフィールドを移動し、エリアを超える際のストレスの軽減がはかられたわけだ。ほかにもフラフィックなども改良しているとのこと。
前作が一定のエリアのみでコミュニケーションを深めていくゲームだったとすれば、最新作ではストーリーを強化し、それに沿った会話とパズル要素でコミュニケーションをはかれるようになっている。もちろん、1つの島に居続けて、そこの住人とコミュニケーションを重ねていくこともできる自由度もある程度は用意しているとレトルノ氏。日本のゲーム風土にも受け入れやすいキャラクターや世界観をもって、シリーズとして定着させたい心づもりだ。EAとしても、シムシリーズに「ぼくとシムのまち」の3頭身キャラクターを広く受け入れさせ、“シムといえば3頭身キャラ”と広めていきたいとのこと。マスコットとしての3頭身の“シム”は、今後、EAの顔として定着できるかどうかにも注目したい。
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