10周年を迎えた忍者アクションは、隠れることに集約――「天誅4」制作発表会

フロム・ソフトウェアは、本格忍者アクション「天誅」シリーズの最新ナンバリングタイトルを発表した。制作発表会では、三部作で展開する構想も明かされた。

» 2008年06月06日 17時33分 公開
[加藤亘,ITmedia]

オリジナルスタッフが集結し、新たなコンセプトの元開発

「天誅4」制作発表会
会場:六本木・香和

 1998年発売された「天誅」シリーズは、第1作の発売以来全10作品を発売し、全世界で累計300万本を販売する本格忍者アクションゲームである。誕生から10年を迎える今年、シリーズナンバリングタイトルの最新作「天誅4」を、Wii向けに発売するとフロム・ソフトウェアが発表した。発売日は2008年10月23日を予定している。

 6月6日、六本木の香和にて開催された制作発表会では冒頭、フロム・ソフトウェア専務取締役の中島英一氏によって「天誅4」の発売と、開発にアクワイアを含むオリジナルスタッフが集結しながらも従来のシリーズは異なるコンセプトの元、開発が進められていることが告げられた。

 「天誅」シリーズは、当初“立体忍者活劇”と称したように、プレイヤーが忍者である力丸と彩女となり、敵に見つからないように隠れながらステージを進む、ミッションクリア型のステルスゲームのひとつとして世に送り出された。中島氏は、「天誅 参」から実に5年ぶりとなる正統ナンバリングタイトルを発表できることに感謝し、パートナーとなる開発元のアクワイア代表取締役の遠藤琢磨氏を紹介した。

 遠藤氏は、10年前に「天誅」を作った時からだいぶ老けたと、その時の流れに呼応するようにキャラクターもぐっと大人の雰囲気を加えたと、「天誅 参」から1年後の力丸と彩女が描かれるものの、2人のイメージを一新しフォトリアルになったことを明かす。それに伴い、声優も力丸を小山力也さん、彩女を甲斐田裕子さんへと変更された。なお、海外展開についてはユービーアイソフトが担当し、東京ゲームショウにはプレイアブル出展したい旨を報告した。

この10年を振り返ったフロム・ソフトウェアの中島英一氏は、東京ゲームショウにはプレイアブルで体験プレイできるようにしたいと発表した
中島氏とがっちり握手して登場したアクワイアの遠藤琢磨氏は、さまざまな和モノを手がけていた技術をふんだんに生かしたものにすると発言
ユービーアイソフト代表取締役のスティーヴ・ミラー氏も招かれ、海外での展開で強力な後押しをすることを約束した

見た目もアダルトになった力丸と彩女

 実際の内容について、フロム・ソフトウェアより本作プロデューサーの竹内将典氏と、アクワイアより本作ディレクターの金山圭輔氏が登壇し、「天誅4」がオリジナルスタッフが集まった正統ナンバリングタイトルでありながら、Wiiというハードの特性を生かしたまったく新しいものへと進化していると改めてゲームコンセプトについて解説した。

 それによると本作は、リアルな忍者アクションの追求として「正統天誅」でありながら、改めて忍者の本質を見直し“忍び寄って殺す”ことに絞り込んだゲーム性とWiiリモコンによる「簡単・直感」的な操作を実現。一撃で敵を仕留める“必殺”などのカメラ演出やWiiリモコンのスピーカーや振動による演出など「シネマティックな体験」を強化している。


左が竹内氏、右が金山氏。忍者らしくハリの上によじ登り移動し、天井から敵をぶら下がりながら急襲してみせるという、“忍者っぽい”動きも実践してくれた

 特に両氏が推すのは、“忍び寄って殺す、見つかれば即、死”というゲーム性。忍び寄り方もプレイヤーによってさまざまで、Wiiリモコンを振るだけで隠れるべき場所にキャラクターが隠れてくれる点を強調する。つまりは難しいボタン操作を必要とせず、直感的に隠れることに集中できるシステムとなっている。また、物陰以外にも暗闇に隠れることに比重を置いており、たいまつや行灯(あんどん)を自ら消して暗闇を作ることで進めるようにもなっている。金山氏のデモンストレーションでは実際、たいまつを消して気配を殺し、敵に近づいたり、立体的にいくつもの選択肢がある隠れ方を実践して見せてくれた。


 制作発表会では、「天誅4」を皮切りに、ナンバリングタイトルが続く三部作としての製作も発表されている。Wiiでの操作性を元に、「天誅5」、「天誅6」と、本作をベースに正統進化させていくことを約束した。


今回彩女役に抜てきされた甲斐田裕子さんも登場。「天誅」以外のゲームで仕事をしたことがある竹内氏は、いつかこういう日が来ると思っていたとか。すでに収録は行われており、まるで映画の吹き替えのようだったと現場の様子を振り返っていた
実はシリーズ全編に関わっている作曲家の朝倉紀行氏も登壇。ゲームの中でも音楽の要素は重要であり、思い入れもあるとのこと。シリーズとは差別化してほしいという厳しい要望が、プレッシャーだったとか。ドラマを意識し、愛をテーマにしている曲になっている
テーマ曲をソプラノ歌手の柴田智子さんが歌う。朝倉氏とは以前からの知り合いで、ニューヨークでの9.11の体験をテーマにした曲を作ろうと話していたのが、今回の「夢の淵」製作のきっかけになったのだとか

会場となった香和は、明治時代の遊郭をモチーフにしているレストランということで、発表会の前後には遊女やいなせな男衆による演舞で華を添える。なにげにWiiリモコンを剣や扇子に見立てた踊りも
「天誅4」
対応機種Wii
ジャンル本格忍者アクション
発売日2008年10月23日
価格(税込)7140円

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」